第79期(2003年) 定期株主総会 事前質問

<事前質問>

電力供給・経営政策・自然エネルギー
徳山ダム・杉原ダムについて揚水発電について燃料電池について
浜岡原発耐震安全性
プルサーマル劣化ウラン核燃機構・高レベル放射性廃棄物
芦浜地点 経営・取締役報酬など

→会社側一括回答

第79期中部電力株主総会 事前質問書

 中部電力(株)社長
  川口文夫殿

2003年6月22日
脱原発中電株主と一緒にやろう会
名古屋市西区名西○-○-○

●電力需給・経営政策・自然エネルギー

1. 当期の他電力よりの買電(一般電気事業者間融通)実績はいくらか。

2. 将来の電源としては、地域に密着した小規模分散型電源が自然エネルギーや各種廃熱の利用、コジェネ、災害への抵抗力、高圧送電の電磁波障害の解消、送電ロスの軽減、地元合意の容易さ、分権社会との調和などの点で優れている。当社としてもこれまでの大規模・遠距離電源に極度に依存した電源構造を早急に改善していくべきであると思うが、どうか。

3. 当社のDSM(ディマンドサイドマネジメント)は、電力需要平準化を目的とするものと考えてよいか。もしそうであるなら、電力需要圧縮を目的とするより積極的なDSMに乗り出す意思はないか。

4. 当社の当期の主要電源別の発電コストを聞きたい。なお、水力は一般水力と揚水に分けて示していただきたい。

5. 当社は2001年から2011年の間に石炭火力発電を410万KW増強する計画である。二酸化炭素をほとんど排出しないという理由で原発を推進しながら、主要電源のなかでは二酸化炭素をもっとも多量に排出する石炭火力をこのように大増強することは不条理ではないか。

6. 当社の2002年度の二酸化炭素総排出量は1990年度に比べて何%増加または減少したか。

7. 日本政府は2010年前後までに1990年比で6%の温暖化効果ガスの排出削減を国際公約している。二酸化炭素を大量に排出している当社としても、この期間において6%程度の排出削減をすることは社会的責任ではないか。

8. 当社に自然エネルギーの開発利用についての長期計画はあるか。もしなければ、早急に策定する考えはあるか。

9. 市民、自治体、企業による自然エネルギー利用の発電を支援するために、自然エネルギーを電源とする電気をプレミアムつきの価格で購入する気はあるか。

10. 需要家が望めば、自然エネルギーを電源とする電気をプレミアムつきの料金で販売する気はあるか。

11. オール電化住宅について昨年の株主総会で、「エネルギーの効率利用に資するものであると考えております」という回答があった。後日その根拠を尋ねたところ、それは示されず、かわりに上記の回答について、「オール電化住宅は効率的であるが、電気ガス併用住宅に比べて効率的であるとはいっていない」という釈明があった。オール電化住宅は、一般の電気ガス併用住宅より効率的ではないことを当社が認めたものと解してよいか。

12. 上の質問に関連して、オール電化住宅がエネルギー消費に関して一般の電気ガス併用住宅より効率的であると主張するのであれば、その明白にして確実な根拠を示してもらいたい。

13. 昨年秋に行われた当社の電気料金値下げの広報において、旧料金は燃料費調整単価込みで表示され、新料金は燃料費調整単価抜きで表示された。その結果、値下げ幅が実際よりも多目に表示されることになった。誇大宣伝をおこなったのである。この点を担当課に指摘したところ、広報として不適切であったことを認めた。このことについて、総会の場で、再確認してもらいたい。

14. 昨年秋、当社の浜岡原発の全4機が90日間にわたり停止した。東電もこの4月に17機全部が停止した。中電、東電とも現在なお大多数の原発が停止中である。この事実は、原発がまだ工学的安定性に欠けた電源であることを示している。そのような電源を、安定性が最大の要件であるベース電源と位置づけることは、根本的に誤っていると考えるが、当社の見解を聞きたい。

15. 「原子力損害賠償法」第3条では、「異常に巨大な天災地変」による原発事故については事業者の賠償責任が免除されている。当社は、予想されている東海地震はこの「異常に巨大な天災地変」になる可能性があると考えているか。あるいは、絶対にないと考えているか。(昨年の総会に出した質問とおなじである。昨年の総会での回答は、東海地震についてではなく、関東大震災についてであった。そのようなふざけた対応は繰り返さないよう、警告しておく。)

● 徳山ダム・杉原ダムについて

徳山ダムと杉原ダムで約1500億円(1985年単価)を投じて開発されるのは42.4万キロワットにすぎず、風力等の自然エネルギーの実験施設に比べても、発電単価は非常に高い。徳山ダム発電所で作る電力は「電源開発株式会社から当社が全量買い取」ることは決定されているが、「受給料金は発電所が運転開始するまでに、双方協議の上、適正に決めることになって」いるとのことで、料金の見通しも示されていない。一方、徳山ダム建設費は予定の2540億円を遙かに(1000億円以上)超えることはほぼ確実である(03年6月7日中日新聞)。徳山ダム発電所で作る電力は、その投資コストに見合うように料金を設定すれば、とてつもなく高価になるのは明らかである。 今後電力需要の大幅伸びは考えられない。環境を破壊しコストを度外視した徳山発電所・杉原発電所の建設を進める理由は存在しない。

1. 電源開発株式会社からの買電は、当社の経営の大きな圧迫要因となるおそれがあり、株主としては大きな不安を抱かざるをえない。逆にダム及び発電所完成・運用開始後に当社が買電しないとすれば、住民・納税者に対する裏切りとなり、当社の公的性格からも許されない。一刻も早くこの計画からの撤退を決断するべきだと考えるが、いかがか。

2. 最近の当社の計画から、杉原ダム建設についての具体的なものが消えている。他の電力会社も次々と揚水発電ダム計画から撤退している。杉原ダム建設を正式に断念すべきと考えるが、いかがか。

● 揚水発電について

1. 奥美濃発電所では昨年7月10日台風6号の降雨により被害を受けた。険しい山地に建設された同発電所は、立地に無理があったのではないか。

2. 復旧工事が未だに続いているのは、これを証明することではないか。

3. 復旧工事にかかった費用を明らかにされたい。

4. 当社が計画している川浦と木曽中央発電所も急峻な山地での立地である。同じ事を繰り返すのか。愚行ではないか。

5. 川浦、木曽中央は揚水発電所であるが、揚水発電の不経済性は明らかである(これまでの株主総会の質問で、揚水発電の発電単価を当社は明らかにしてこなかったことからも明白。経済的なら言えるはず)。計画を撤回すべきではないか。

6. 昨年の台風6号が奥美濃を襲い、板取川が氾濫した。この時当社は川浦ダムから放水したとの疑惑を住民に持たれている。同ダムの周辺は樹木が伐採され、造成化されているため、大量の雨水や土砂が流れ込んだことは容易に想像できるからである。この疑惑をはらすため当社は現地で住民説明会をするつもりはないのか。

7. 川浦ダムは底にたまった土砂を放流する施設はないとのことであるが、中層、上層放水はできる。この時放水はしなかったと断言できるか。

8. 川浦発電所の稼働予定は平成33年とある。この年に稼働できる可能性はあるのか。

9. この年に川浦発電所を作るのであるならば、その建設費用はいくらであると見積もっているのか。

10. 川浦発電所の地元である板取村では、当社が発電所計画から撤退を表明しないため、地域の活性策がまとめられない状況になっている。態度を明らかにすべきではないか。

● 燃料電池について

1. 燃料電池の開発はどの程度進んでいるのか。

2. 開発中であるならば、その製品の販売開始はいつごろか。また、その販売価格はいくらと設定しているのか。

3. 家庭用の燃料電池の開発を行うつもりはあるか。

● 浜岡在住の株主より提出された質問

1. 昨年の2月浜岡町の住民が当社に、制御棒駆動機構のスタブチューブ溶接部から水漏れ事故を起こした浜岡原発1号機と、点検のため中電が自主停止させた2号機について、当該溶接部を全数検査した際に撮影したビデオと写真の提示を求めた。しかし当初応じるふりをしたが、その後まったく答えようとしていない。「住民の皆さんにご理解いただいて」と当社は常に言っているが、住民が知りたいことが、都合の悪いことだったから、隠しているのか。

2. そうではないのであれば、すぐに公開するか。

3. 当社の原発はショットピーニングやレーザーピーニングを施し、シュラウドの予防保全をするとのことであるが、ひび割れが多発している現在、これを隠した疑いが持たれる。浜岡の住民は心配し、これを施す以前の検査データの提示を求めたが、当社はこれにも応じていない。応じない態度をとるならば、疑われても当然である。やはりヒビがあったので、それを隠すため保全と称して対策を取ったと解釈する。これを認めるか。

4. そうではないのであれば、すぐに公開するか。

● 浜岡原発について

1.再循環系配管のひび割れについて

@ 浜岡原発3号機の再循環配管のひび割れは、応力対策材として導入したSUS316LC系材製として国内初のひび割れであったということを、当社は認識し、メーカー等と対応策を講じたか。

A 上記ひび割れを切削修理した1996年以降、UT(超音波探傷検査)による測定結果と実測値が異なることが判った事実から(遅くとも2000年にはUTで2.9ミリの箇所が実測値は8.5ミリであったようなひび割れが存在した)、「超音波検査の信頼性に疑問を持った」はずだが、こうした事実を国・県及び他電力会社へいつ知らせたのか。

B さらに新たな事実として、1996年第7回定期点検で、3号機再循環配管継ぎ手661−B02−S01のひび割れを研削実測したところ、第6回・7回にUTによる測定で@1.4であった箇所が実測5.5ミリ、同C4.2が実測6.5ミリ、G2.1が実測4.0ミリであり、UTでは測定不能であった継ぎ手位置ABDEFのひび深さにいたっては、それぞれ2.0、8.0、7.0、7.5、3.0ミリという結果が出ていた。にもかかわらず、この事実を国が報告徴収した2002年9月20日にも11月8日にも発表せず、2003年2月に東北電力の検査結果によりUTが信頼できないということが明らかになった際にも隠しつづけ、今年6月18日市民から保安院を通して要求されてはじめて測定の事実を発表した。この“UTに関わる大変に重要な事実”を各方面に知らせる必要が道義的にもあったと考えられるが、これを「隠蔽」と認識しているか、また96年の時点ですぐに知らせなかった理由は何か。
C 運転再開してしまった2号機についても、未点検の再循環系配管にひび割れが潜んでいる可能性を勘案し、停止して点検する必要があると判断しないのか。

2.検査について

@ 当社がSUS316LC系材の再循環系配管について、自主点検を始めたのはいつから、どの号機からか、また、始めた理由は何か。

A 保安院の2003年3月10日「中間とりまとめ」によると、電力会社とメーカーは1998年から2001年にかけて、再循環系配管に発生したひび割れの原因究明のための試験を行っているが、これの計画・結果を国へ報告したか。

B 再循環系配管のひび割れの検査は、当社の自主点検はどの検査会社が行い、国の定期点検はどの検査会社が行っているのか、それぞれの記録は誰が作成し、だれが保管しているのか。

C 再循環系配管の検査対象と頻度をこれまでの「10年で25%」から「5年で100%」に変更するように国から指示がでているが、それはいつか。

D 10年で25%、という従来の基準はいつから採用されていたのか。

E 2号機は「5年で100%」という基準が適用されないうちに定期検査を終了してしまっているが、直ちに停止し新基準で点検するべきと判断しないのか。

F 全4基とも、すべてのシュラウドの溶接線について、少なくとも目視点検が可能な箇所は検査すべきであると判断しないのか。

G 特に2号機については、ピーニング実施済を理由として、点検していない箇所が多数ある状態で運転しているが、直ちに運転を停止した上、点検するべきであると判断しないか。

3.SUS316LC系材ステンレス鋼の応力腐食割れについて

@ SUS316LC系材の応力腐食割れが、表面で粒内型応力腐食われとなったり、内面では残留応力の影響によりキズが進展するなどの、従来材料のSUS304のひび割れとも異なる特徴を持つことを、当社が認識したのはいつか。

A SUS316LC系材における応力腐食割れの発生・進展メカニズムは解明されているのか。

B SUS304L系材についてはピーニング等の応力緩和策を施したが、SUS316系材についてはこれを施さなかったのは事実か、またそれは誰の判断か。

  これについて当社は、東海地震発生前に原子炉を休炉とすべきか否かを議論したことはあるか。

●浜岡原子力発電所のひび割れ問題について

1. 「インディケーション」と「ひび割れ」との違いを、当社はどのように定義しているのか。当社のウェブサイトによれば、「*インディケーション:配管に認められたキズの徴候」とある。「徴候」という言葉の意味は、三省堂の新明解国語辞典によれば「何かが起こる前ぶれ。きざし」であるので、インディケーションとは、「配管に認められたキズが生じる前ぶれ、きざし」となり、実際の「キズ」や「ヒビ」にはあたらないという解釈になるが、それでよいか。

2. 「インディケーション」という言葉を、超音波探傷試験での「指示」という意味で使っているとするならば、実際ひび割れが具体的に存在するかしないかは、超音波探傷試験では判断できないという認識を持っているということか。

<再循環系配管>

3. 昨年9月20日に当社ウェブサイト発表された「浜岡原子力発電所3号機の発電停止について」では、「浜岡原子力発電所1号機および3号機の再循環系配管の溶接部近傍において、過去の定期点検でインディケーション(*)が認められていたことが分かりました。インディケーションの認められた溶接部は、1号機で1箇所、3号機で8箇所(8箇所のうち、5箇所は修理済み)です。」と書かれている。その後、11月8日に当社がウェブサイト上で公表した「浜岡原子力発電所1、3号機再循環系配管のインディケーションについて」の点検状況の表では、具体的に超音波探傷試験での測定値や修理済などの記載がされている。修理済みということは、実際にキズがあったわけである。この実際のキズを「インディケーション」と称していることは、一般市民への当該損傷への正しい理解を妨げていると考えるがどうか。

4. 原子力安全・保安院から入手した同じ9月20日付のプレス発表用資料では、過去発見されたひび割れに関する具体的な継ぎ手番号、発見時期、欠陥指示の最大深さ、最大長さおよび手入れ方法とその実施時期などが記載されている。明らかに9月20日時点でこうした具体的なヒビの実態を把握していたにもかかわらず、「インディケーション」と称してウェブ上に上記のような情報を掲載しなかったのは何故か。一般市民には当情報に対するニーズがないと判断してのことか。

5. また、このプレス発表用資料には「インディケーション」という表現が使われていないようである。当社は、原子力に関する用語をウェブサイト上とプレス発表用、保安院提出用で使い分けているのか。

6. 9月20日付プレス発表用資料では、浜岡3号機の修理済配管のうち、継ぎ手番号「661-301-F03」については、第9回定検で発見、「第11回定検にて配管取替」とあり、「配管取り替えは、配管内面化学除染のために実施」と記されている。この定検時に同時に取り替えた配管箇所は何カ所か。

7. 現在、当社の浜岡原子力発電所のウェブサイトでは、3号機について、「再循環系配管の溶接部付近にひび割れの徴候が認められた9箇所について、切断し取替えを行ってまいります。・・(中略)・・なお、配管の取替工事に先立ち、作業員が工事中に受ける放射線の量を減らすために、配管内面に付着している放射能を帯びた鉄さびを薬品で取り除く作業(化学除染)を実施しています。」と書かれている。ひび割れた継ぎ手部分の内、化学除染作業を行うために先だって切断した箇所はA系B系の両系統か。先だって切断した箇所は両系統でそれぞれ何カ所であり、位置はどこか。

8. 作業被ばく低減のための再循環系配管の取り替え」について、1号機では第13回定検での一斉取替、2号機では、第17回定検での部分的取り替え、また3号機においても第11回(B系のみ?)、第12回とというように、被ばく低減対策の実施時期が一定ではないのは何故か。

9. また、市民団体が提出した質問書に当社が6月5日回答した文書によると、再循環系配管の取り替えと作業被ばく低減の関係について、「配管の形状を放射性不溶解物が溜まりにくい構造に変更したり、不要配管を撤去することなどで放射線源は減少する。」と書かれている。こうした再循環系配管の構造変更などの工事は、すべて国へも届け出されているはずであるが、正しいか。

10. また、こうした被ばく作業低減を目的とした再循環系配管の構造変更などの工事は、過去それぞれの号機で何回行われ、どのような変更が行われたのか明かにされたい。

11. 3号機について現在ウェブサイト上の「配管の取替工事に先立ち、作業員が工事中に受ける放射線の量を減らすために、配管内面に付着している放射能を帯びた鉄さびを薬品で取り除く作業(化学除染)を実施しています」という説明では、「作業被ばく低減のための再循環系配管の取り替え」ではなく、「ヒビ割れた再循環系配管の取り替え作業にあたっての被ばく低減のために化学除染を実施」しているという意味になっている。
化学除染を実施するのは、配管に何らかの補修や工事などを行う場合以外に、「点検作業における」労働者の被ばく量低減という目的のためだけに行われるケースもあるのか。

12. 化学除染を実施するために再循環系配管を切断する箇所は最低何カ所必要なのか。
また、切断せずに化学除染を行うことは不可能なのか。

<浜岡2号機の再循環系配管>

13. 被ばく低減対策のために取り替えたとする2号機の元の再循環系配管には、インディケーションまたはひび割れは、過去の定検、自主点検においても一切存在を検知しなかったのか。

14. SUS304LC材に取り替えた配管の溶接部には、応力緩和対策を施工していないのか。だとすれば、溶接はSUS304材にSUS304LC材を継いでいるはずであるが、SUS304材の側にも何も応力緩和策を施していないということか。対策を施さないという判断をした理由は何か。

15. 2号機の再循環系配管について、前回の定検時に点検した継ぎ手の数は何箇所か。(自主点検、定期検査それぞれについて)

16. また、過去4回の定検の間に一度も点検していない継ぎ手数は何カ所か。(自主点検、定期検査それぞれについて)

17. 2号機の再循環系配管で取り替えた4箇所について、SUS304LC材を採用したとのことであるが、SUS316LC材とSUS304LC材の価格には違いはあるのか。

18. 1号機で建設当時使われていたSUS304材の再循環系配管には、応力腐食割れ対策を行ったにもかかわらず第2回定期点検、第10回、第11回定期点検などの時の自主点検でひび割れ(当社の表現では「インディケーション」)が見つかり、第13回定期点検時にすべての再循環系配管を新しいSUS316LC材の配管に取り替えている。同じ応力腐食割れ対策材ではないSUS304材(4箇所SUS304LC材)を使った2号機の再循環系配管には、過去一切ひび割れもインディケーションも発見されていない。このことが意味するのは、2号機の再循環系配管には、昨年12月20日まで25年間種々の対策が効果を発揮し、応力腐食割れが起こらなかったということか、それとも発見されていないだけであるのか。どちらと認識しているか。

19. もし、25年間応力腐食割れが起こらなかったとすれば、その原因を研究調査し、その成果を他の原子炉にも採用することは、コスト削減の観点からも大変有意義であると考えるが、それを実行しない理由は何か。

20. もし、過去の検査で見つからなかっただけと考えるならば、超音波探傷試験の精度に問題があることが指摘されている現在、安全を最優先に考える当社としては、今すぐに2号機を停止して、精度の高い非破壊検査方法の確立を待ち検査を実施すべきではないか。

21. 健全性評価小委員会第5回の配布資料5−5−1の7頁には「原子炉再循環系配管に対するこれまでの応力腐食割れ対策実施状況」の表があり、その中で浜岡1,2号機の「SUS304材に対する主な対策内容」としてIHSI, SHT,CRT実施後SUS304(LC)材やSUS316(LG)材へ取替とある。このうち内面バタリング工法(CRC)とは、溶接した後に行われるSCC対策なのか、それともHSWのように溶接と同時におこなう工法なのか。或いはどちらでも可能な工法なのか。

22. 1号機および2号機の再循環系配管において、応力緩和策であるIHSI, SHT,CRTをそれぞれ実施した継ぎ手の箇所と時期を公表されたい。

23. 2月18日の健全性評価小委員会第5回の参考資料5−8「再循環系配管の点検結果について」(2月18日付け)には、当社の浜岡原発1.3.4号機の点検結果一覧が掲載されている。ここに記されているひび割れの測定値などの報告を原子力安全・保安院に提出した年月日を明らかにされたい。また、その報告はどのような文書で提出したのか。

24. 当社は、浜岡3号機の再循環系配管A系継ぎ手番号「661-B02-S01」について第7回定検時に8箇所のひび割れについて内面研削修理を行っているが、その時のひび深さの実測値が記載されていない理由は何故か。当社が国に報告をしなかったためか。

25. また、他にもA系「661-B01-S02」B系「661-B06-S01」「661-B07-S01」(2箇所)で内面研削しひび深さを実測しているにも関わらず、ひび長さについて浸透探傷試験(PT)の結果が記されていない箇所がある。これは、このひびについて長さを測定しなかったということか。測定していれば、その結果を明かにされたい。
また、しなかったのであればその理由は何か。ひびの長さの情報は必要ないと判断したためか。必要ないと判断したその理由は何か。

26. 内面研削によるひび割れの実測値について、健全性評価小委員会の資料に掲載されているものと、されていないものがあることには、理由があるのか。あるとすればそれは何か。

27. 当社が自主点検において発見していた再循環系配管のひび割れについて、同じ箇所で行った国の定期検査では「異常なし」とされていたケースが浜岡の3号機で以下の2箇所あると思われるが、これらの箇所で定期検査が行われた時期を明らかにされたい。
・A系「661-B01-S02」   ・B系「661-B06-S01」

28. 当社は、浜岡3号機の再循環系配管のひび割れの超音波探傷試験の測定結果と内面研削による実測値の差を1996年当時から把握できる立場にあった。しかも、その測定誤差が基準となる3〜4ミリの範囲にとどまらないことも理解できたはずだと考えるが、超音波探傷試験の精度に問題があることについて、当社はいつから認識していたのか。

29. 応力腐食割れ対策材料であるSUS316LC材において8ミリを超えるひび割れが存在したことについて、1996年当時原因を究明のためにどのような努力をしたのか。また、1998年〜2000年にかけて行ったメーカーとの実験結果において、応力腐食割れだということを突き止めることができなかったことについて、何に問題があったと考えるか。サンプル調査を行うべきであったとの認識をもっているか。

30. 1号機の再循環系配管において、第10回定検と第11回定検で発見し、第13回定期検査で取り替えを行うまで、必要肉厚を切る深さにあった2箇所のひび割れについて、当社は「詳細解析により必要な強度を満足すること確認した」として国に報告をしなかった。この時の詳細解析の内容について、説明されたい。

31. また、評価の際、ひび割れの深さの初期値を何ミリにとり、超音波探傷試験による測定誤差を何ミリ程度考慮したのか。

32. 昨年12月に成立した原子炉器機の維持基準のための法律が10月1日から施行されようとしているが、昨年11月8日の毎日新聞速報によれば、「今回の評価方法について『国が決めた技術基準に従った正当なもの』」と野坂敏幸取締役が説明したとのことだが、この場合の国の決めた技術基準とは何を指すのか。その基準に合致するかの客観的評価を国にさせなかったのはなぜか。

<シュラウド>

1. シュラウドのある溶接線で「ピーニングを行った」と言った時に、それは常に上下や左右の両方を言うのか、或いは「H6aのラインをピーニング」したと言ったときに、溶接線の上側或いは下側といった片方だけに行うケースもありうるのか。溶接線によって片方の場合と両方の場合があるのか。あるとしたらその基準は何か。

2. 溶接線のピーニングの具体的位置に関する情報を、当社のウェブサイト上で情報公開しないのは何故か。

3. シュラウドのピーニングの範囲は、例えば水平(H)ラインで溶接線から上下何ミリ離れた位置までを対象としているのか。或いは、垂直(V)のラインで溶接線の左右何ミリの幅までをピーニングするのか。

4. また、そのピーニング施工の範囲は、どのような根拠で決めるのか。引っぱり応力の存在する範囲をあらかじめ測定してその幅を決めるのか。

5. 溶接線によっては、応力分布にばらつきがあると思われるが、そうした違いにはどのように対応しているのか。

6. 1号機のシュラウドでは、シュラウドサポートリングのH7bの内側にもひび割れが見つかったと公表されている。H7内側のラインについては、前回の第18回定検時にピーニングが実施されている。今回見つかったひび割れは、前回のピーニング実施前の目視点検では発見されなかったものか。それとも、前回のピーニングや目視点検の範囲には該当しなかった部分であるか。

7. シュラウドのピーニング実施個所と点検予定について、2、3,4号機のシュラウドについては、ピーニングを実施した個所においても、H4内側およびH6a外側については後の定期点検時に目視点検を実施したり、計画をしている。しかしながら、他のプラントでひび割れが見つかっている溶接線H1,2,3外側やH3内側などについて、ピーニング実施後の追跡調査をしない理由は何であるか。

8. シュラウドサポートリングのH7ラインで見つかったひび割れをどのように補修する予定であるのか、その方法を明らかにされたい。

<定期検査および自主点検について>

1. 昨年9月20日に国に提出した「浜岡原子力発電所 自主点検作業の適切性確保に関する調査計画書」によると、自主点検作業の調査については、自社所有の定期検査報告書や定期検査成績書および社内検査成績書などの他、請負会社の報告書を対象に行われたとある。このうち、自主点検の超音波探傷試験などの調査結果など具体的記録が記載されている文書の名称は何か。

2. 当社は、請負会社の保有する工事記録については保管していないのか。

3. 定期検査の記録は、国が原本を保有しているのか

4. 定期検査における再循環系配管の超音波探傷試験の測定結果について、「異常なし」と判断するのは誰であるか。最終的な判断までにどのような判断過程があるのかを説明されたい。

5. 再循環系配管の超音波探傷試験での点検記録は、どのような形で保存されるのか。異常の有無を判定する以前の生データについても保存しているのか。

<浜岡3号機再循環系配管のひび割れ問題>

1. 6月22日付け読売新聞によると、「保安院は今年1月、中電など3電力会社に過去の配管のひび割れの各種データをすべて報告するよう求めた」とのことであるが、保安院からこの指示が来た日付はいつか。また、その指示はどのような文書で来たのか。内容は上記で正しいか。

2. 当社は、この保安院の指示に対し、何月何日に報告を提出したか。

3. その時に提出した報告は、どのような文書であったのか。健全性評価小委員会第5回資料として出された「再循環系配管点検結果一覧表」と異なる部分はどこか。

4. 当社は、浜岡3号機の継ぎ手番号「661-B02-S01」の第7回定検の研削によるひび深さの測定値を記載しなかったというのは事実か。

5. 読売新聞によると、「中電は『保安院には最新のデータを提出すればよい』と考え、99年に測定した値だけを報告したという」と書かれているが、最新のデータを提出すればよいと考えていたのであれば、なぜ第6回と第7回の超音波探傷試験の測定値を表に記載したのか。実測値は記載しなくてよいと判断し、超音波探傷試験結果については記載したのは、どのような理からか。

6. 1月の保安院の指示が、「ひび割れの各種データを“すべて”報告するよう求めた」というのが事実であれば、この実測値を、単なる見落としではなく、上記のような「最新のデータを提出すればよい」との“判断の結果”として報告しなかったことは大きな問題である。ここに何らかの「隠蔽」の意図が無かったというのであれば、それを総会の場で株主が納得できるように証明していただきたい。

●想定東海地震について

@ 「東海地震の強震動予測に基づく主要施設の耐震安全性に関する予備的調査についての報告書(平成14年10月衆議院調査局)」によると、想定東海地震の平成13年中央防災会議による震源モデルによる浜岡メッシュにおける工学的基盤での速度は、8つのメッシュにおいて45〜44カインとなっており、基準地震動S1(43.3カイン)を超え、同加速度は344〜328ガルとなっており、1・2号機の設計用地震動(300ガル)を超えている。
 これらの点を踏まえて、原子力発電所の耐震性に関する認識を抜本的に見直す意向があるか。

A 中央防災会議による震源モデルに用いたアスペリティ(固着域)は、地震防災強化地域判定のために設定されたのであり、浜岡の直下にはアスペリティが置かれていないが、実際にアスペリティが何処にどのような大きさで存在するのかは判っていない。上記の報告書によれば、直近にアスペリティのある海岸沿いの清水市〜富士市のメッシュでは、工学的基盤での速度は最大で108カイン、同加速度は664ガルと計算している。すなわち、想定震源域のどこにおいても、それほど大きな速度・加速度となる可能性があると認識した上で地震防災を考えるべきであり、明らかにこれらの数値は、当社が原発が耐えられると主張するS2(53.9カイン)やS2(600ガル)を超えており、近隣住民はもちろんのこと万一の事故が起こった場合を考えると広範囲の国民に不安を与えている。

●プルサーマル

1. 当社は2000年代初頭にプルサーマルを実施する予定であると公表してきたが、2003年現在のプルサーマル実施予定年は何年か。

2. プルサーマル計画について、静岡県には具体的に申し入れをしたのか。

3. 浜岡原発で使用するMOX燃料の加工委託先はすでに決まっているか。

4. もし既に決まっているとしたら、それはどこか。

5. 既に決まっているとしたら、その会社に加工委託を決めた理由は何か。

6. プルサーマルを実施するのは、浜岡原発何号炉であるか。また、その内最初に装荷するのは何号炉か。

7. 昨年、一昨年の株主総会では、「使用済燃料に約96%含まれるウランモは、再処理によって全量回収され、回収ウラン濃縮してリサイクルすることが基本方針であり、具体的な利用計画を現在検討中であります。」と言っているが、少なくとも2年たった現在、具体的な利用計画はどこまで進んだのか。何時までに計画をまとめる予定か。

●劣化ウランについて

1. 当社の原子力発電燃料のウラン濃縮契約先には、米国USEC社が含まれる。ここで濃縮の際に発生した劣化ウランを当社は引き取っているのか。所有権を放棄しているのか。或いはUSEC社に売却しているのか。

2. 米国USEC社は、ウラン燃料製造過程で生じた劣化ウランを、湾岸戦争時やコソボ、アフガニスタン、イラクなどで使われた劣化ウラン弾に提供してきたことが知られている。当社の燃料製造で生じた劣化ウランが、紛争地域で使われていないことを証明することは可能であるか。あるとしたら、その理由を説明されたい。

3. もし、当社の劣化ウランが劣化ウラン弾として使われているしたら、それに対する道義的責任をどのように考えるか。戦争に加担することと、放射性物質によって環境汚染することの両方について答えられたい。

●高レベル放射性廃棄物処分費用について

1. 2003年3月までに処分費用を(財)原子力環境整備促進・資金管理センターに総額いくら支払ったか。

(1) その内、2002年度分はいくらで、2002年度に発生したガラス固化体分を何本と換算し、いくら支払ったのか。

(2) また、2000以前のガラス固化体発生分を何本と換算し、いくら支払ったのかを明かにされたい。

2. 高レベル放射性廃棄物貯蔵保管料金ついて、2002年度に支払った額はいくらで、何本分に相当するか

3. 2002年度中に日本原燃に支払った、使用済み燃料の保管費用はいくらか。何本分に相当するか。

●核燃料サイクル開発機構について

1. 本社の職員は、核燃料サイクル開発機構に今年度現在、出向しているか。出向しているとしたら何人で、どんな職種から出向し、どこの事業所の、どの部署で仕事をしているか。

2. 本社は昨年度、核燃料サイクル開発機構の東濃ウラン鉱山見学について、何人案内したか、各営業所ごとに人数を示されたい。

3. 今年度の本社から原環機構への出向について

1)出向者の人数、本社での職種
2)原環機構での担当部署

● 芦浜について

1. 芦浜原発計画からは当社は撤退した。しかしながら、今も紀勢町芦浜に原発建設計画、もしくは核廃棄物中間貯蔵施設の検討しているのか。

2. 芦浜地域は、世界的に絶滅危惧種であるウミガメの産卵地であり、希少種ハマナツメの大規模群落地あるばかりでなく、数々の貴重な自然が残っている地域である。保護すべき地域であると考えるが、どうか。

3. 芦浜は当社の子会社である「(株)中部グリーナリー」が管理をしている。しかしながら長年の管理のための山道の増設、木々の伐採は、土砂流出を招き、芦浜池に土砂が流入し池を埋めつつある。また貴重なハマナツメ群落に土砂・流木が流れ込み無残な姿となっている。緊急に生態系に悪影響与える植林・伐採を止め、土砂・流木を取り除くべきだと考えるがどう思うか。

4. 芦浜原発計画撤退以降は、年に数日で山林管理は足りると思われる。しかし常時数人の作業員が管理作業を行っている。その理由は何か。

5. 芦浜原発用地の将来計画を明らかにされたい。

● 株主提案に対して取締役会の意見について

1. 株主提案7号議案では、役員賞与は10数年間変化がない。このことは、利益を上げるため痛みを他に押しつけているだけと主張した。ところが、取締役会の意見は、経常利益の確保をはじめ成果をあげたと言うが、痛みを他に押しつけたからではないか。

2. また「役員賞与の額は妥当な水準であると考える」とあるが、その根拠は何か。

3. 8号議案では大規模発電は将来破綻するから、今から自然エネルギーを含む小規模・地域分散型発電に切り替えるべきとの主張に対し、取り締まり役会の意見は、今まで通りの大規模発電による、安定供給を主張している。自然エネルギーを含む小規模・地域分散型発電は、安定供給を確保できないと考えるのか。

4. 東電は原発が稼働できなく停電の恐れがあると宣伝している。原発は大規模発電である。この事例で判るとおり大規模発電であるからこそ、安定供給はできなかった。取締役会はこの事例をどう考えているのか。

5. 9号議案の株主提案に対する取締役会の意見では「原子燃料サイクルを積極的に推進」とある。提案理由で述べているとおり、破綻しているのは明で、破綻していないと言える理由を明らかにしてほしい。

6. 原発事業を分離し第三セクターによる運営が経産省で検討されているとの新聞報道(2003年3月7日毎日)がされた。取締役会はこのことについて、反対であるのか、賛成であるのか。

7. 将来核燃料サイクルから撤退する意志はあるか。

8. 10号議案の株主提案に対する取締役会の意見では、「ひび割れについて安全性の確認を実施した上で」とあるが、提案理由で述べているとおり検査方法が確立されていない以上、できない。それでも尚安全性が確認出来るのなら、その方法とは何か。

9. 11号議案の株主提案に対する取締役会の意見では、「中央防災会議における想定東海地震の新たな震源域にもとづく地震動に対しましても、浜岡原発は十分な耐震安全性を確保していることを確認しております」とある。しかし、提案理由で述べているとおり、中央防災会議の想定震源モデルによる計算で、耐震設計の基準地震動を超えることが判った。それでも安全であるという根拠は何か。

10. 12号議案の株主提案に対する取締役会の意見では、反対する理由が不明である。さらに、この文言は1996年以降くり返し使われている。これでは取締役の意見を株主に理解してもらう意図は感じられない。これはこの議案に対する意見だけでなく、他の意見についても言える。今後改める意志はあるか。

会社側一括回答

 副社長の中野でございます。
 株主さまから,3通147通と多数のご質問を頂戴しておりますので,項目毎に取りまとめて,私からご説明させていただきます。

 まず,「電源構成」につきましては地球環境問題等を勘案しつつ,安価で安定した電気をお届けするため,原子力・石炭・石油・LNG・水力のバランスのとれた電源構成を目指していくべきであると考えております。
 ご指摘の石炭は,石油やLNGに比べて,資源量が豊富であり,埋蔵地域の偏りもないため,エネルギーセキュリティおよび経済性に優れておりますので,発電技術の高効率化や石炭ガス化複合発電の技術開発に取り組むなどして,今後とも石炭火力発電の利用拡大を進めてまいります。

 次に「発電コスト」につきましては,平成14年度の営業費用における送電端の電源別発電単価は,1kWh当たり,水力は7円34銭,火力は6円99銭,原子力は浜岡原子力発電所の停止により設備利用率が非常に低い水準であったため,10円47銭となっております。この電源別の単価には支払利息,
一般管理費用等は算入しておりません。
 なお,水力発電は一括してとらえており,一般水力.揚水別には整理しておりません。
 平成14年度の他電力からの電力購入の実績は,72億kWh,615億円となっております。

 次に「揚水発電」につきましては,夜間や週末等の電気の使用量が少ないときに安価な電力を有効活用して揚水を行えることから,発電システム全体の効率向上に役立っています。
 また,設備の耐用年数が長いため,耐用年間の固定費は他電源に比べて安くなることから,ピーク需要に対する供給力としては,揚水発電が経済性に優れております。

 「川浦水力発電所」につきましては,平成33年度以降のピーク供給力と位置付けております。
 今後も,必要な時期に運転開始できるよう,関係地域のみなさまのご理解をいただきながら開発を進めてまいりたいと考えております。
 なお,将来の建設費用につきましては,今後の経済情勢等により変動する可能性がございますので,確定的なお答えは差し控えさせていただきます。

 次に「木曽中央水力発電所」につきましては,長野県知事から開発同意を平成10年7月にいただき,同年7月の電源開発調整審議会で国の電源開発基本計画に組み入れられており,将来の重要なピーク電源として位置付けております。
 なお,長野県知事との協議につきましては,現時点において考えておりませんが,当地点の状況や電源開発全般に関する考え方につきましては,長野県当局に対して随時ご説明させていただいております。

 川浦水力発電所ならびに木曽中央水力発電所につきましては,立地条件に合わせて適切な調査・設計を実施し,適切な時期に適切な量の開発を進めてまいります。

 次に「昨年7月の台風6号の影響」につきましては,当社奥美濃水力発電所も被害を受けましたが,短期間で応急復旧を終え,発電を再開しており,立地上の問題ではなかったものと考えております。
 現在は,発電と直接関係しない道路および水路などの復旧工事をしており,平成16年度には完了する予定でございます。
 なお,復旧工事の金額につきましては,個々の取引内容に関わる事項であり,相手方もありますので,回答は差し控えさせていただきます。

 また,川浦ダムでは,国の承認を受けたダム操作規程に則って,常に流入量と同量の放流を行っており,同台風襲来時においても当社のダム操作によって板取川が増水したものではないことを地元の板取村にご説明し,ご確認いただいております。

 「徳山・杉原水力発電所」につきましては,水資源開発公団からは,徳山ダムの建設費について,新聞報道にあったような内容は一切開かされておりません。
 当地点は,純国産である水力エネルギーを開発できる限られた地点であり,エネルギーセキュリティ,経済性,環境負荷特性,運転特性等を総合的に勘案しますと,必要かつ有効な電源と考えております。
 徳山発電所は,混合揚水式発電所であり,杉原発電所を含めた両発電所は,現時点では,平成26年度運転開始のピーク電源としての最大電力と,発生電力量の両面から寄与すると考えています。
 徳山発電所の電気は,電源開発株式会社より当社が全量受電することとしております。
 受給料金につきましては,今後,適正な水準となるよう電源開発株式会杜と協議してまいります。

 「地球環境問題への取り組み」につきましては,政府は,「京都議定書」の温室効果ガスの排出削減目標の達成に向けて,日本全体で平成2年の排出量レベルより6.O%の排出削減を達成しようとしております。このうち,電気事業に関わりのあるエネルギー起源のCO2排出削減は,プラス・マイナス0%が
目標です。

 当社を含む電力業界は,.平成11年に電気事業連合会において自主行動計画を策定し,平成22年度における1kWh当たりのCO2排出量を,平成2年度と比較して20%程度低減するという高く,厳しい目標を掲げております。
 当社としても,今後とも引き続きこの目標達成に向けて取り組んでいきます。
 なお,当社における平成14年度のC02排出量は,平成2年度に比べ35%増加しました。これは,電力需要の増加に加え,CO2を排出しない浜岡原子力発電所が停止したことが主な要因です。
 原子力発電は,CO2排出量を抑制するための手段として非常に有効でございますので,安全確保を最優先に引き続き積極的に推進してまいります。

 太陽光,風力などの「自然エネルギーを含む分散型電源」につきましては,当社事業場に設置するなどして,諸課題の解決に向け研究開発を行い,普及促進に努めております。
 また,従来より,自然エネルギーの普及促進などの観点から,太陽光発電や風力発電について,「余剰電力購入制度」を通じた積極的な購入を行っております。
 しかしながら,現状では,自然エネルギーは,経済性や供給の安定性に課題があるとともに量的な確保も困難であり,また,コジェネの導入にあたっては,エネルギーの効率的活用の面から,熱と電気の需要のバランスがとれていることが条件となります。
 このため,中長期的に着実な増加が見込まれる電力需要に対して,既存の電源を中心に各種電源を適切に組み合わせて,安定供給を確保してしいく必要があります。

 自然エネルギーによる電気の購入につきましては,当社は,太陽光発電ならびに低圧連系の風力発電については,お客さまごとの販売単価で購入しております。また,高圧連系以上の風力発電につきましても,環境に優しい点を評価した単価で購入するなど,企業として最大限の支援を行っております。
 現時点において,当社では,自然エネルギーを電源とする電気をプレミアム付きの料金で販売することは,考えておりませんが,自然エネルギー発電の普及にご賛同いただけるお客さまから寄付金を募り,それを太陽光発電普及・促進に役立てる「中部グリーン電力基金」に積極的に参画しております。
 今後とも,こうした取り組みなどを通じて自然エネルギーの普及に協力していく所存であります。

 
「燃料電池」につきましては,当社では高い発電効率が得られる高温型燃料電池,具体的には溶融炭酸塩型燃料電池と固体酸化物型燃料電池の研究開発を進めております。
 そのいずれも,システム開発の後,実フィールドでの実用試験を経て,実用化する予定ですが,システム開発および実用試験に今後数年かかるものと予想されます。
 なお,実用化に向けて耐久性の向上や製造コストの削減等課題も多く,開発途上であるため具体的な価格を特定できる段階ではありません。
 また,家庭用に開発されている固体高分子型燃料電池は,発電効率,耐久性および経済性などに問題も多いと聞いておりますことから,各社で実施している開発動向に注目してまいりたいと考えております。

 「ディマンド・サイド・マネジメント」につきましては,従来から,その重要性を認識し,高効率機器の推奨,季節別時間帯別料金制度や蓄熱割引制度の導入など,我が国の実状にあった様々な施策を講じてきており,今後ともその拡充に努めてまいります。

 「オール電化住宅」につきましては,住宅の機密性断熱性は高まる傾向にあり,室内での燃焼がなくエネルギー効率の高い電気機器を備えたオール電化住宅は,エネルギーを有効に利用できる住宅であると考えておりますが,お客さまの建物構造や家族構成など多種多様の要因が存在するため,オール電化住宅と電気ガス併用住宅の効率性を一概に比較するのは困難であると考えております。

 次に「電気料金引き下げ時の新旧料金比較」につきましては,料金改定の影響を正確にお示しするためには,前提となる燃料費の算定期問を同じにする必要があることから,昨年10月分の電気料金について新旧料金の比較をしております。
 新料金のもととなる燃料費は,平成14年度第1四半期(4〜6月)の為替レートおよび通関統計実績をもとに算定しており,新料金のスタート時点である10月分料金には燃料費調整は行いません。したがいまして,新料金は燃料費調整のない料金となっております。
 一方,旧料金では,10月分の料金に,平成14年度の第1四半期の燃料費実績を反映した燃料費調整額が適用されます。したがいまして,旧料金は燃料費調整分を含んだ水準となっております。
 以上のように,昨年の料金改定時において,値下げ幅を大きく見せようとした意図はございません。

 次に,「原子力発電」につきましては,原子力発電は,エネルギーの安定供給確保や地球温暖化対策の観点から特に優れており,ベース電源として欠かすことのできない,重要な電源であります。
 今後とも引き続き,安全確保を最優先に原子力発電を着実に推進してまいります。
 浜岡原子力発電所においては,毎年の定期点検にて設備を入念に点検するとともに,必要に応じ取り替え,修理を行ってきております。
 今後も入念に点検を実施し,適切な予防保全により,設備の健全性を維持してまいります。

 原子力発電事業を分離して第三セクターにより運営することを,経済産業省が検討しているとの報道内容につきまして,詳細は承知しておりませんが,原子力発電は,設備投資が大きく,資金の回収に長期間を要するという特徴があります。
 しかし,長期間安定運転が維持されれば,経済性は十分発揮できると考えておりますので,国の役割を一層明確化し,経済的措置を含む政策対応などの具体的な手立てを整備したうえで,引き続き民間事業者が創意と活力を活かして事業を行っていくことが望ましいと考えております。

 次に「シュラウドに認められたひび割れ」につきましては,応力腐食割れによるひび割れは進展速度がゆるやかであるという特徴をもっているため,これまでも計画的に定期点検において点検を実施し,健全性の確保に努めきております。
 前回までの点検では,ひび割れは確認されておりませんでしたが,自社および他社のプラントでひび割れ事例のあった箇所全てについて,計画を前倒しして今回の定検で集中的に点検した結果,浜岡1・3・4号機のシュラウドなどに応力腐食割れによるひび割れを確認いたしました。
 これらのヒビ割れにつきましては,健全性の確認を実施したうえで,国の健全性評価小委員会における評価結果を踏まえ適切に対処いたします。

 316L材の応力腐食割れについては,平成13年に発生した東京電力福島第二発電所3号機において316L材のシュラウドにひび割れが発見され,この調査結果から,当社も,表面の硬化層が粒内型応力腐食割れの原因になることを認識いたしました。

 最近の316L材に発生した応力腐食割れの調査では,材料における硬化層の形成,引張残留応力の存在,応力腐食割れが発生しうる環境の3条件が重なり,応力腐食割れが発生したものと推定されております。引張残留応力の存在を解消するため,シュラウドの溶接線にピーニングという予防保全対策をいたしております。
 ピーニングにつきましては,当社において必要性・実施時期等を判断し,1号機から順次計画的に実施しております。
 また,ピーニングは,溶接線の両側について施工しております。それぞれの溶接端からの施工範囲は,材料の溶接時の熱影響による鋭敏化範囲や過去のひび割れ事例を考慮して,設定しております。
 304L材,316L材といった材質のシュラウドへのピーニングの実施状況につきましては,304L材を用いている2号炉のシュラウドには,平成9年からピーニングを開始し,316L材を用いている3号機のシュラウドには,本年からピーニングを開始しております。
 ピーニング実施箇所につきましても,念のため,今後計画的に点検を行っていく予定でございます。
 「2号機のシュラウド」につきましては,溶接線のピーニングの他に,水素注入・貴金属注入といった応力腐食割れの予防保全対策を実施しており,これらのことから,2号機のシュラウドを直ちに点検する必要はないものと考えております。
 なお,当該シュラウドにつきましては,次回定期点検にて点検を実施する計画としております。

 また,このたび1号機のH7b溶接線で新たに発見されたひび割れにつきましては,ピーニングを実施していない箇所に発見されたものであり,今後,点検および健全性の評価を行い,それに基づき適切に対応してまいります。

 「ひび割れ,インディケーションの定義」につきましては,現在は,目視点検等でひび割れが確認されたものについては,「ひび割れ」という用語を用い,超音波探傷試験により判明したインディケーションについては,「ひび割れの徴候」や「ひび割れの徴候(インディケーション)」という用語を用いることとしております。

 「3号機再循環系配管の超音波探傷試験による測定値と研削深さとの違い」につきましては,研削はひび割れを完全に除去するまで行うため,研削深さは実際のひび割れの深さより大きくなり,超音波探傷試験の精度も含め差が大きくなったと考えておりました。

 超音波探傷試験の精度につきましては,フェーズドアレイ法等改善された超音波探傷試験が十分な精度を有していることが,6月4日の国の健全性評価小委員会に第三者機関である発電設備技術検査協会から報告されており,精度向上については当社もサンプル調査を行うなど,協力してきております。
 なお,現在ひび割れの徴候が確認されている1・3・4号機の再循環系配管につきましては,取り替えることとしております。

 「3号機における316L材でできた再循環系配管のひび割れの徴候」については,当社は平成7年の定検時から自主的な点検を実施しました。
 この際,ひび割れの徴候が認められ,調査の結果,高温割れ等の可能性が高いと判断しましたが,サンプル切り出しによる調査は実施しておりません。

 また,3号機において過去に見つかったひび割れの徴候は,いずれも配管の機能低下につながるものではなく,法律や通達にもとづく報告対象に該当するものではございませんので,当時は,国への報告は行っておらず,原因究明等についても同様でございます。

 3号機の超音波探傷試験のデータにつきましては,過去の定期点検でひび割れの徴候が確認されていた1号機のデータとともに,昨年9月21日と22日に行われた国による「立ち入り検査」の際に,超音波探傷試験による測定値および研削深さ等の自主点検記録を提示しております。さらに,昨年9月20日に経済産業大臣より,電気事業法にもとづき,再循環系配管に「ひび割れもしくはその徴候等を発見した原子力発電所当該号機に関し,再循環系配管に対して行った全ての非破壊検査等の検査,点検に関する内容」について報告するよう文書による指示が出ております。
 これに対し当社は,昨年11月8日経済産業大臣に,3号機の継ぎ手番号「661-B02-S01」を含め,過去の研削についてのデータをすべて報告しております。一方,国の健全性評価小委員会の資料においては,至近のデータを提出したため,一部新聞の報道になったと思います。いずれにしましても,これらのデータについてはすでに報告されているものであり,隠蔽という事実はございません。
 なお,今回の点検で確認された1・4号機のひび割れの徴候につきましては,それぞれ昨年の11月12日,10月29日に国に報告しております。
 国の健全性評価小委員会の資料に浸透探傷試験の結果について記載のない部位につきましては,ひび割れの長さの測定はしていませんが,これは,研削によりひび割れは除去するため,長さ測定は必要ないと判断したことによるものです。
 先に申し上げたとおり,国の健全性評価小委員会の資料には,ひび割れの研削深さについては,至近のものを掲載しておりますので,途中段階のものは掲載されていない場合がございます。
 なお,3号機に関しまして,平成13年の第11回定期点検時に取り替えたのは,継ぎ手番号「661-301-F03」の一箇所であり,また,A系「661-B01-S02」については,平成6年の第5回定期点検時に,B系「661-B06-S01」については,平成7年の第6回定期点検時に,それぞれ国の検査を受けております。

 2号機の再循環系配管につきましては,これまでも計画的に点検を行っており,溶接部の点検においてもひび割れの徴候は見つかっておりません。
 また,1号機は,運転開始後の第2回定期点検でのライザ管取り替えなど,応力腐食割れ対策工事を実施し,その後の定期点検においても高周波加熱処理と呼ばれる応力緩和技術を採用しております。それに対し,2号機は,建設当初から溶接部の残留応力低減策等に取り組み,第1回定期点検までに,配管溶接部に対する高周波加熱処理などの応力腐食割れ対策を終了しております。
 応力腐食割れのひび割れの進展は,緩やかであることから,今後も計画的な点検を行い健全性の確認に努めてまいります。
 これらのことから,2号機を直ちに停止して点検する必要はないと考えております。

 2号機の再循環系配管については,平成11年の第17回定期点検において,被ばく低減対策として配管の一部を304L材に取り替えました。
304材である既設配管との継ぎ手部には,残留応力低減策として高周波加熱処理を施工しています。304材と316材との価格差につきましては,現在の市場価格では316材の方が約3割高くなっております。

 また,前回の第19回定期点検の際に点検した継ぎ手は4箇所で,第16回から第19回定期点検までの間に点検を実施していない継ぎ手は,全部で101箇所のうち49箇所でございます。

 2号機の再循環系配管における応力腐食割れ対策としては,建設時にバイパス管,ライザ管等に固溶体化熱処理,内面肉盛工法等を実施いたしました。
 また,第1回定期点検時には,母管(ぼかん)に高周波加熱処理を実施しております。
 なお,内面肉盛工法は,溶接前に行う場合と溶接後に行う場合がございます。

 「1号機の再循環系配管のひび割れの徴候」につきましては,1号機の再循環系配管で,過去にひび割れを考慮した有効肉厚が板厚計算から求められる必要な厚さを満足しないものにつきましては,「発電用原子力設備に関する構造等の技術基準」に従って解析を行い,発生応力が許容応力を下回ることを確認しております。この結果につきましては,昨年11月8日に国に報告しております。
 また,評価にあたっては,超音波探傷試験の測定結果を用いています。
 このひび割れに対しては,最近の機械学会の破壊力学的手法に基づく評価も行っており,発生応力は許容応力に対し,十分下回っていることを確認しています。

 1号機の再循環系配管における応力腐食割れ対策としては,第1回,第2回定期点検時に,バイパス管,ライザ管を取り替え,取り替え部に固溶体化熱処理,内面肉盛工法を実施するとともに,第3回,第4回定期点検時には,母管(ぼかん)等に高周波加熱処理を実施しております。

 「作業被ばく低減のための再循環系配管の取り替え」につきましては,各号機の運転計画に合わせて,計画的に実施いたしました。
 1号機については第13回定期点検時に,2号機については第17回定期点検時に,3号機については第11回定期点検時に,実施しております。
 一方,現在実施している3・4号機の再循環系配管の取り替えは,ひび割れの徴候のある配管を取り替える目的のものであります。

 また,浜岡原子力発電所の配管等の電気工作物を変更する場合には,電気事業法にもとづき必要な手続き行います。1・2号機の再循環系配管の取替工事に際しては,材質を変更しているため「工事計画届出」の手続きを行っております。ただし,3号機につきましては,同一材料での取り替えであることから,当該手続きは不要となっております。
 なお,再循環系配管の化学除染の方法は,配管内に薬品を循環させることにより行うため,薬品の入り口と出口が必要となります。したがって,配管を切断することもあります。

 「定期点検および自主点検」につきましては,まず,自主点検の内,当社からメーカーに点検をお願いしている場合については,点検記録はメーカーが作成し,当社が確認・保管しております。
 再循環系配管の点検対象につきましては,当面の措置として,国から平成15年4月17日付で5年を越えない時期毎に,対象となる全ての溶接継手部の点検を実施すること。」との指示が出ております。

 なお,検査対象についての従来の基準につきましては,浜岡原子力発電所では,1号機の第1回の定期検査より採用されておりました。
 また,評価方法に関する国の決めた基準とは,「発電用原子力設備に関する構造等の技術基準」でございます。1号機の再循環系配管の過去のひび割れは,有意な進展がないこと,および健全性が確認できたことから,当該配管の機能低下はなく,国への報告対象ではないと考えておりました。

 文書や書類,工事記録等につきましては,自主点検の超音波探傷試験の調査結果等が記載されている文書とは,供用期間中検査工事報告書などがこれにあたります。
 また,請負会社の保有する工事記録については,当社はその写しを報告書の形で保管しております。

 定期検査における再循環系配管の超音波探傷試験の測定結果につきましては,経済産業省の検査官が技術基準などに照らして判定します。定期検査記録の原本については,当社が保管しております。

 当社においては,過去の自主点検作業が適切に行われていたか調査するため,昨年9月に,「浜岡原子力発電所の自主点検にかかる評価・検討委員会」を設置して,関係書類を一件一件たんねんにチェックし,聞き取りも行い,誠実に調査を行った結果,隠ぺい,改ざん等の不正の事実はありませんでした。

 次に「浜岡原子力発電所1号機の余熱除去系の蒸気凝縮系配管の破断」につきまして,実機と同一材料を用いた実物大の試験装置により非凝縮性ガス蓄積試験を実施し,配管頂部よりガスが蓄積することが確認されました。
 着火試験についても試験装置を製作し,種々の条件により蒸気着火試験を実施し,配管壁に貴金属が付着している場合には,高温・高圧蒸気注入により着火に至る場合があることが確認されました。
 このことから,配管内に圧力変動が生じ,配管内面に付着していた貴金属の触媒作用もあり着火した可能性が高いと考えております。
 したがって,類似の事故の再発を防止するためには,水素を蓄積させないことが根本的な対策と考えております。
 なお,これらの内容について,国から妥当であるとの評価を受けております。

 また,ドイツのブルンスビュツテル原子力発電所においても破断した配管を撤去し,水素が溜まらない対策を実施し,本年3月運転を再開したと聞いております。

 次に,「浜岡原子力発電所1号機の制御棒駆動機構ハウジング部からの水漏れ」につきましては,金属調査,製造履歴調査,残留応力モックアップ試験や応力解析,き裂進展評価などから総合評価を行った結果,水漏れの原因は応力腐食割れと判断し,当該スタブチューブは取り替えを実施いたしました。
 なお,1号機の他のスタブチュ一プおよび,溶接部に1号機と同じ材料を用いている2号機については,全数の点検を行い健全性を確認いたしました。

 次に「浜岡原子力発電所の耐震安全性」につきましては,浜岡原子力発電所では,マグニチュード8.Oの想定東海地震を上回るマグニチュード8.4の安政東海地震さらにはマグニチュード8.5の限界地震をも考慮して耐震設計を実施しております。

 想定東海地震につきましては,国の中央防災会議により想定震源域が見直されたわけでございますが,この新たな想定震源域に基づく浜岡地点の地震動については国から地震動データが提供されており,これを用いて耐震安全性について確認し,国へ報告いたしました。具体的に申しますと,中央防災会議で計算された地震動は,浜岡原子力発電所の設計用地震動をおおむね下回るものであり,長周期側の一部で上回る部分はございましたが,この中央防災会議から提供された地震動を用いて浜岡原子力発電所の主要な施設の揺れが設計用地震動による揺れを下回ることを確認しております。
 なお,強い地震動を出す領域,いわゆるアスペリティにつきましては,中央防災会議により「固着域の位置も勘案して配置されたものであり妥当性がある」とされております。

 また,耐震設計審査指針策定以前の旧基準により設計された1,2号機は,指針策定後の3,4,5号機と地震動の設定方法などが異なりますが,設計の基本的な考え方には変更ございません。
 念のため,1,2号機について3,4,5号機と同じ地震動を用いて耐震安全性確認を行い,十分安全であることを確認しており,このことは国にも確認いただいております。
 これらの結果につきましては「でんきの科学館」及び「浜岡原子力館」において公開いたしております。
 以上のように,浜岡原子力発電所の耐震安全性は確保されており,想定東海地震が発生した場合でも,原子力災害が発生することはございません。

 ピーニングに関する情報公開」につきましては,浜岡原子力発電所の運営の透明性をより高めるため,昨年6月から,発電所の安全・安定運転に影響のない軽度な機器の故障等の運転情報を含む発電所の最新状況を,ホームページに掲載しております。また,ホームページに掲載する内容につきましても,一定の基準を定め,ホームページ上でお知らせしております。

 一方,「1・2号機のトラブルに関する点検ビデオと写真の提示」と「ショットピーニングやレーザーピーニングに関する検査データの提示」につきましては,公開の方法等について検討しておりましたが,浜岡原子力発電所運転差止仮処分が申し立てられたことから,同事件の審理を考慮し公開を控えさせていただくとともに,当該データの提示を請求された浜岡町の住民の方にその旨をご説明させていただきました。今後,公開するかについては,裁判の進行状況も踏まえたうえで判断してまいります。

 なお,1・2号機のスタブチューブ溶接部については,目視点検を実施し異常のないことを確認するとともに,各号機のシュラウドについては,ピーニング実施前に,ひび割れがないことを目視点検により確認しております。

 次に「原子燃料サイクル」につきましては,エネルギー資源に乏しいわが国にとって,将来にわたり電力の安定供給を確保するため,限りある資源を有効に利用することが必要不可欠であります。このため,わが国は,使用済燃料を再処理して,回収したプルトニウムおよびウランを有効利用していく原子燃料サイクルを基本的考えとしております。

 当社も。原子燃料サイクルの必要性および安全性について,皆様にご理解いただけるよう努め,安全確保を最優先に原子燃料サイクルを推進してまいります。

 次に,「プルサーマル」につきましては,これは,ウラン資源の有効利用を図る技術であり,エネルギー資源に乏しい我が国にとって,将来にわたるエネルギー源を確保する上で,次かせないもめであります。
 このため,当社といたしましても,適切な規模のプルサーマルは必要であると考え,2000年代のできるだけ早い時期に,浜岡の1基で実施したいと考えております。MOX燃料の加工先やどの原子炉で行うのかなど,具体的なプルサーマル計画については,現在,検討中でございます。
 現在は,プルサーマルについて,様々な機会に一般的な説明をさせていただいておりますが,静岡県へ具体的な計画の説明・申し入れはしておりません。
プルサーマル計画を進めるためには,まず信頼回復が必要であり,浜岡での事故・トラブルについての理解活動を最優先に実施しております。計画が固まりましたら,地元へご説明をし,ご理解をいただきながら,進めてまいりたいと考えております。
 
 次に
「劣化ウラン」につきましては,米国ユーゼック社で濃縮する際に発生した劣化ウランの所有権は同社にあり,当社にはございません。
 なお,この劣化ウランが軍事目的に転用されていないことをユーゼック社との聞で書面にて確認しております。

 「回収ウラン」につきましては,我が国では,再処理して回収したウランは再濃縮してリサイクルすることを基本方針としており,当社においても,この基本方針にもとづき,回収ウラン利用の具体的計画を現在も検討中であります。
現時点で,利用開始時期等を含め,具体的な利用計画を策定するまでには至っておりません。

 次に,「高レベル放射性廃棄物」につきましては,「当社が原子力発電環境整備機構に納付した高レベル放射性廃棄物の最終処分のための費用は,平成15年3月までの総額で約179億円です。
 そのうち,平成14年度の拠出額は約41億円であり,拠出対象期間は,平成14年1月1日から12月31日までで,これに相当するガラス固化体は,約46本,約16億円です。拠出額の約41億円については,平成11年12月31日までの発電電力量の15分の1に相当する高レベル放射性廃棄物の最拠処分費用も含まれており,これに相当するガラス固化体は約72本で約25億円となります。
 また,平成14年度の高レベル放射性廃棄物の貯蔵保管料金の具体的な金額につきましては,契約上のことで相手方もあることから公表は差し控えさせていただきます。
 なお,貯蔵費用については最終的な貯蔵本数,返還時期等が未定であり一概にはいえませんが,総合エネルギー調査会の試算では,1キロワットアワーあたり5銭となっております。

 平成14年度中に日本原燃に支払った,使用済み燃料の保管費用は,契約上のことで相手方もあることから公表は差し控えさせていただきます。
 なお,保管費用を含めた再処理コストは1キロワットアワーあたり1円強の見込みでございます。

 「核燃料サイクル開発機構東濃地科学センターの見学」につきましては,同センターの超深地層研究が高レベル放射性廃棄物の処分研究の基礎となるものであり,処分について正しくご理解いただくために,平成14年度は,岐阜支店が14名をご案内いたしました。

 次に「核燃料サイクル開発機構」につきましては,原子力部門から4人,事務部門から2人,計6人を出向させており,本社経営企画本部,経理部,広報グループに各1人,新型転換炉ふげん発電所に3人が勤務しております。
 
「原子力発電環境整備機構」につきましては,原子力部門から1人,土木部門から1人,事務部門から2人,計4人が出向しており,業務部に3人,立地広報部に1人が勤務しております。

 次に,「芦浜地点」につきましては,芦浜の土地は今後の活用方法を検討中であり,土地保全および山林管理につきまして,必要に応じ適切に行っております。また,生態系等の自然環境保全につきましては,広く専門の方々のご意見をお聞きしながら十分配慮しております。
 なお,現時点において,三重県内に具体的な原子力開発計画はございません。
 原子力比率の少ない当社といたしましては,引き続き立地促進に最大限の努力を傾注してまいります。

 「役員賞与」のご指摘の点でございますが,当社は電力自由化に即応するため,「競争対応」という視点を盛り込んだ「経営改革ロードマップ」を策定し,設備の形成・運用・調達における効率化や業務運営における効率化を着実に実行しているところであり,痛みを他に押しつけているものではございません。
 賞与の額につきましては,今期も企業価値向上に向けて全力で取り組み,経常利益の確保をはじめ,成果をあげており,また昭和63年から同じ額でご提案させていただき,その都度株主総会のご承認をいただいておりますので,ご理解いただきたいと存じます。
 なお,役員報酬におきましては,平成13年度の改選期から引き下げを実施いたしております。

 「株主からのご提案に対する取締役会の意見」につきましては,多数の株主さまにご理解いただけるよう,いずれの議案につきましても取締役会において議論しておりますので,ご理解いただきたいと存じます。

 「昨年の総会の議事運営」につきましては,議長の議事整理権にもとづき対応したものであり,適法と考えております。

 最後に「当社労働組合員の政治活動に関する件」につきましては,会社といたしましては,労働組合の政治克つに関与すべきでないと考えており,組合員が勤務時間中に政治活動をする場合は,本人の休暇として扱っております。

 以上をもちまして,ご説明を終わります。 

     以 上


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