核燃機構が地層処分に有効な地層と評価する東濃の地下は

 こんなにボロボロ!   


 東濃地域では、核燃機構によって既に千数百本ものボーリングが掘られてきました。その内の15本は500〜1000m級の非常に深いボーリングです。これらのデータは、昨年11月26日核燃機構が発表した「地層処分研究開発第二次取りまとめ(2000年レポート)」に中心的データとして盛り込まれています。

 日本で、この東濃ほど地下が詳細に調べられている地域は他にありません。

以下は、深いボーリングの内の1本(DH-1)土岐市定林寺地区で採取された岩芯の写真です。
(写真提供:兼松秀代)

DH-1/80-90

DH−1

深さ80〜90m地点の岩芯(コア)

DH-1/284-288

DH−1

深さ284〜288m付近の岩芯

DH-1/288-293

DH−1

深さ288〜293m付近の岩芯

DH-1/495-499

DH−1

深さ495〜499m付近の岩芯。

深くなるにつれてボロボロになっている。

 (DH-4、DH-5AN-1のボーリングコアの写真へ)

核燃機構の地層処分研究開発「第2次とりまとめ・第2ドラフト」では、地下水は地下深くなるほど移動しにくくなるとされていました。それは、放射性廃棄物は深地層に埋めれば安全に処分できるという結論を導くための一つの前提でもありした。

確かに80〜90m付近のものと280〜300mものを見れば、深い方ほどしっかりしているように見えます。けれども、500m付近の花崗岩層では、浅い所より深い所の方が崩れているようには見えませんか?恐らく亀裂も500m付近の方が多く存在すると思われます。亀裂があれば地下水は滲みてきます。

核燃機構が、昨年11月末の2000年レポートをまとめるまでに行った調査の結果、やはり地下深くなるほど地下水の流速が遅いということは言えなくなりました。(*↓)

ところが、2000年レポートにはそのことをきちんと記述した部分と、そうした知見が反映されず、相変わらず第2ドラフトの時の’地下深くなるほど地下水流速が遅い’という前提で評価されている部分があります。核燃機構のレポートの信頼性の無さの一つの証左と言わざるをえません。

実は、同じ深度500m付近の地層でも、場所によってボーリングコアの状態には大きなバラツキがあります。処分場となる4平方kmの広さで、岩盤の条件が一定している場所を探すのは、きわめて困難だと思われます。

そもそも、こんなボロボロの地層で、本当に放射性物質を長期間閉じこめることができるのでしょうか。亀裂を伝って、予想外にはやく人間環境に達してしまう可能性はないのでしょうか。

(*)

 2000年レポート分冊1<わが国の地質環境>-18ページには、次のようにのべられています。

「また、割れ目頻度の深度依存性に関しては、花崗閃緑岩や閃緑岩質片麻岩地域での測定結果によると、地表面近傍では深度とともに割れ目頻度が減少するものの、100m以深ではあまり変化がないことが報告されている(緒方,1984)。」

 また、同じ分冊1の。-34ページの「深度と透水係数の関係(花崗岩)」を示すグラフでは、深くなるほど地下水の流れが遅くなるとは限らないことが表わされています。さらに本文では・・・

「岩盤と透水性と深度との関係について、東濃地域での深層ボーリングでの測定結果および釜石鉱山の花崗岩における原位置での測定結果ならびに全国の文献データを図3.3-6に示す。花崗岩の場合、地表付近で測定された透水係数(文献データ)が、比較的大きい値を示すものの、深度と透水係数の間に明瞭な相関は認められない。むしろ、地下深部であっても、断層破砕帯や割れ目帯などの部分で、透水係数が著しく大きくなる場合がある。東濃地域における1,000mボーリングでの測定結果について、各々の透水係数の測定区間の割れ目本数分布を検討してみると、透水係数と割れ目本数には、正の相関が見られる(図3.3-7)。また、断層破砕帯や割れ目帯などの部分では、割れ目本数のとりうる幅にばらつきがあるものの、地下深部では地表付近に比べて割れ目本数が減少する傾向にある。」

と記載されています。

「地下深部では地表付近に比べて割れ目本数が減少する傾向にある」と言っても、あくまで地表付近との比較に限った話です。


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