ウラン残土レンガをめぐる地元のうごき


2006/4/13 日本原子力研究開発機構、鳥取県、文部科学省が、ウラン残土をレンガに加工し県外に搬出する計画を発表

4/19 古田肇岐阜県知事が、原子力機構理事を県庁に呼び、ウラン残土れんがの県内搬入計画に抗議。
       土岐市も東濃地科学センターに電話で抗議。(中日新聞より)

4/20 岐阜県の市民団体「放射能はいらない!市民ネット・岐阜」が岐阜県知事あてに、
    ウラン残土れんがを受け入れないことを求める要望書を提出。

5/18 瑞浪市、土岐市、岐阜市の3つ市民団体が、原子力機構に対し、
    ウラン残土れんがを搬入しないよう求める申入書及び公開質問書を提出。

5/26 岐阜県、25日に原子力機構の総務部長らから計画の説明を受け、県内搬入を認めないことを伝えた
    と発表。

5/31 土岐市河合地区の住民が、土岐市長に対し、ウラン残土レンガを受け入れないよう求める要望書を提出。

6/2 瑞浪市と岐阜市の市民団体が、岐阜県知事に対し、
   ウラン残土レンガの搬入を拒否するよう求める申入書を提出。

6/8 瑞浪市議会で、高嶋芳男市長が「搬入拒否」を表明

6/9 土岐市議会で、塚本保夫市長が、「受け入れられない」と答弁


詳しくは→リンク「埋めてはいけない!核のゴミ・実行委員会」ウェブサイト


ウラン残土のリサイクル利用中止を求める申し入れ 2006/5/16】


 06年5月16日「核のごみキャンペーン・中部」は、鳥取県のウラン残土レンガ加工計画について文部科学大臣及び原子力機構に対して以下のような申入れを提出しました。

2006年5月16日

文部科学大臣 小坂憲次 殿
独立行政法人 日本原子力研究開発機構
        理事長 殿塚猷一 殿

ウラン残土のリサイクル利用中止を求める申し入れ書

 去る4月13日、文部科学省と日本原子力研究開発機構(以下、「機構」という)は、鳥取県湯梨浜町方面地区で住民から撤去を求められているウラン残土2,710Gをレンガに加工して、鳥取県外へ搬出する計画があることを明らかにしました。
同県三朝町の県有地に加工工場を建設し、5年をかけてレンガ約100万個をつくり、県外10か所の機構関連施設内の舗道などで使用すると報道されています。

 18年間にわたりウラン残土の撤去を求めてきた方面地区住民の方々が、一日も早い残土搬出を要求するのは当然であり、機構はすぐにでもこれを履行すべきです。これまで問題の解決が遅れ、住民の苦痛を長引かせてきたことの全責任は、機構側にあることは言うまでもありません。

 しかしながら、鳥取県では撤去すべきとされた放射性物質のウラン残土を、リサイクル製品としてレンガに加工し生活環境に持ち込むことには、私たちは大きな不安を覚えます。
 このような方法が許されるなら、放射性廃棄物の発生者は、薄めて形を変えさえすれば、適正な管理処分費用を負担することなく、いくらでも放射性廃棄物をリサイクル材として流通させることができることになるからです。知らない内に放射性物質が身近に存在するような状態を、国民が望んでいるとは思えません。

 東海地方では、大手化学メーカー石原産業株式会社が、放射性物質や有害物質を含む酸化チタン廃棄物をリサイクル製品「フェロシルト」と称して不法投棄していたことが大きな問題となっています。事件発覚に至ったのは、住民たちがフェロシルトに放射性物質が含まれていることを問題視して追求を続けていたからでした。
 この企業犯罪は、本来ならば産廃処分場を確保して処分しなくてはならないものを、リサイクル製品に仕立てて処分コストを抑えようとしたことが動機です。今回のウラン残土のレンガ加工計画も、結局のところは、処分に困った放射性の廃棄物を、薄めて拡散して始末することが目的であり、廃棄物排出者にだけ都合のいい計画としか言えません。
 しかも、当該ウラン残土は、かつて機構の前身である旧動燃が、地表面で0.3マイクロシーベルト/時を基準に、「ウラン鉱帯部分」として他の放射線量率の低い部分とは区別してきたものです。放射性物質として受容できないからこそ、方面地区の住民が撤去を求めたものであり、リサイクル材として再利用するには不適切な残土であることは明らかです。

 新聞報道によると、機構はこのレンガを屋外の舗道などで使用しても年間被曝限度1ミリシーベルトの安全性を確保できると説明しています。しかしこれは、原子力安全委員会が指針として定めた原子力発電所敷地境界の管理値0.05ミリシーベルト/年の20倍にも相当します。先頃法制化されたクリアランスレベルから言っても100倍にもなり、このような甘い基準でウラン残土レンガを使用することは、とても認められません。
 たとえレンガの使用を機構の施設内に限定したとしても、一般人が立ち入ることは当然ありえます。ウランの放射能は、加工したからといって消滅するわけでもなく、娘核種である気体性のラドンも完全に封じ込めることは不可能でしょう。
 特に私たちが心配するのは、半減期が45億年と長いウラン238は供用中も廃棄された後も放射能が無くなることはないので、年月を経るうちにどこに使用したかという追跡も困難になり、不適切に処分される可能性があることです。

 すでに原子力機構の施設がある岐阜県では、地元市民団体がウラン残土レンガの岐阜県内での使用を認めないよう県知事への申し入れも行っています。また4月21日付中日新聞岐阜版では、東濃地科学センターの所在地である土岐市の担当者が、「搬入してもらっては困る」と述べたことも報道されています。歓迎されないレンガを無理に使用する必要があるとは思えません。
 よって私たちは、貴殿に対し、このようなウラン残土のリサイクル計画を撤回し、生活環境に持ち込むことなく適切な場所で管理することを求めます。

以 上

核のごみキャンペーン・中部
   代表世話人:安楽知子

連絡先:tel&fax 050-3424-XXXX
e-mail: mail@nukeweste.net
464-XXXX           
名古屋市千種区XXXXXXXXXX