いったい誰が闇に葬ったのか?

 まぼろしの超深地層研究所「覚書(案)」

 超深地層研究所の受け入れに際して結ばれた四者協定は、研究所の範囲の規定や期限もなく、まるで白紙委任状かと思われるぐらい中身がほとんどありません。こんな協定書で安全が担保できるとはとても言えないような代物です。他に同日確認書をかわしていますが、それをもってしても、抜け道だらけであることには変わりありません。
 ところが、当時瑞浪市は、協定書を補完するための「覚書(案)」を作成し、協定書と同時に取り交わそうとしていたことが、最近情報公開で明らかになりました。協定書だけでは不足なことは、瑞浪市の目から見ても明らかだったわけです。
 この「覚書(案)」にはかなり重要なことが記載されています。高嶋市長の決裁印も押され、瑞浪市として、ここまで準備していたことがわかります。

 しかし、この覚書を結ぶことを誰かが阻止し、闇に葬ったのです!

 覚書の内容は、「研究所の範囲」「研究終了後の研究所の貸与、譲渡についての条件」「関係自治体が立入調査機関の細則を定めること」「研究終了後の利用計画の条件」「協定書第4項の「地震研究等」の「等」の具体的な内容」などで、まあ普通に考えられる内容です。瑞浪市としては処分場になるという不安を多少なりとも払拭したかったのでしょう。(ただ、この覚書を結んでいたとしても処分場になる可能性が無くなるわけではない。)

 しかし、それすらも結べなかったわけですから、これは異常なことです。
とにかく、
処分場へのハードルをできるだけ低くしておきたい可能な限りフリーハンドを確保しておきたいという意図が露骨に表われています。逆に言えば、これを嫌がった方の本音は、

★研究所(研究)の範囲を規定したくない。(廃棄物を持ち込まない範囲について規定したくない。東濃を広く詳しく調べたい。あるいは月吉が駄目だったときに余所に引っ越したい?。)
★研究所を処分実施主体(原環機構)に貸与、譲渡したい。
★関係自治体に立入調査の主導権を握らせたくない。
★研究終了後、埋め戻しを想定した計画はつくりたくない。
★「地震研究等」の中に、地層処分研究や処分地選定のための研究も入れたい。

ということです。これでも、東濃が処分場になることを想定していないと言えるのでしょうか?

起案 平成7年12月26日  
決済 平成7年12月26日  
施行 平成7年12月28日

 起案者 企画調整課 (氏名略)

決済 市長、助役、部長、課長

伺 い

 動燃事業団、東濃地科学センターにおける超深地層研究所の設置に関し、別紙(案)のとおり協定を締結してよろしいか。

1.締結日時 平成7年12月28日

1.締結会場 岐阜県庁

 また、協定書に係る覚書及び確認書を別紙(案)のとおり締結してよろしいか。

「東濃地科学センターにおける地層科学研究に係る協定書」に係る覚書(案)

 岐阜県、瑞浪市及び土岐市(以下「関係自治体という。)並びに動力炉・核燃料開発事業団(以下「事業団」という。)が、事業団による(仮称)超深地層研究所(以下「研究所」という。)の設置にあたり、平成 年 月 日に締結したr東濃地科学センターにおける地層科学研究に係る協定書」(以下「協定書」という。〕に関し、以下の通り覚書を締結する。

1 協定書でいう研究所の範囲は、岐阜県瑞浪市明世町月吉字正馬様の事業団所有地をいう。

2 協定書第1項にいう「将来においても放射性廃棄物の処分場としない」とは、研究所における地層科学研究終了後において、事業団が研究所を処分場にしないこと、及び、仮に、研究所を事業団以外の者に貸与又は譲渡する場合には・研究所を処分場とするおそれのあるような者を対象としないことをいう。

3 協定書第2項にいう「関係自治体が設置する機関」については、関係自治体が細則を定める。

4 協定書第3項にいう「利用計画」とは、地層科学研究終了後、研究所が処分場にならないことを確かなものとするために、研究所の地上施設及び地下施投の一部あるいは全部を利用して行われる学術研究への活用、埋め戻しなどの計画をいう。

5 協定書第4項にいう「地震研究等」とは、地震研究や、月面都市建設研究、無重量研究、災害時の計算機のパックアップシステムの研究などを想定したものである。

平成 年 月 日(協定書と同日)

           岐阜県 企画部長名
           瑞浪市 助役名
           土岐市 助役名
           動力炉・核燃料開発事業団
               東濃地科学センター所長名

協定書補う幻の覚書
超深地層研計画受け入れ 
 公開請求で判明

 核燃料サイクル開発機構(核燃機構)が瑞浪市に計画している「超深地層研究所」の問題で、地元自治体らが95年に計画を受け入れた際、交わした協定書を補う「覚書」の準備も進めていたことが15日、明らかになった。覚書案には研究後の竪坑の埋め戻しなども記され、「研究所が放射性廃棄物の処分場になりかねない」という住
民の懸念に配慮する内容もあったが、覚書の取り交わしは実現せず、存在は住民に知らされなかった。反対派は、こうした経緯に不信を募らせ、瑞浪市に公開質問状を提出した。

 市民団体「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」(兼松秀代代表)が公開請求した瑞浪市の資料から分かった。

 同市と隣の土岐市、県は95年12月、核燃機構の前身の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)と「研究所に放射性廃棄物は持ち込まず、将来も処分場にしない」などと定めた協定書を締結している。

 だが、条文には協定の適用範囲や協定違反に対する措置などの記述がなく、反対派住民は「隣接地域などが処分場にされかねず、不備が多い」と指摘していた。

 明らかになった「協定書にかかわる覚書(案)」では、研究所の範囲を「瑞浪市明世町月吉」と規定。研究終了後の跡地についても「処分場にならないことを確かにするため」として、掘削した竪坑の埋め戻しなどを記している。

 覚書案は、瑞浪市企画調整課(当時)が起案者で、協定が結ばれた前々日の日付で、高嶋芳男市長の決裁印も押されていた。市企画政策課は「6年も前のことで分からない」と話す。県地域計画政策課も「覚書案の存在を初めて知った」と言う。

 兼松代表は「あいまいな協定を多少なりとも補うものだった。何らかの意図が働いてやみに葬られたのではないか」と話している。

 研究所の主施設である竪坑の予定地は、市が用地提供を発表したことで移動したが、高嶋市長は「協定を結び直す考えはない」としている。

【2001/11/16 朝日新聞】
011116朝日

超深地層研計画の協定書

覚書の締結、一時検討

県、瑞浪市など 情報公開文書で判明

 瑞浪市で建設が計画される核燃料サイクル開発機構の超深地層研究所に関し、県など四者で結ばれた「東濃地科学センターにおける地層科学研究に係る協定書」について、同市が同協定書の内容を明確にする覚書の締結を
検討していたことが十五日、分かった。

 「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」(兼松秀代代表)が、同市に求めた情報公開で公開された文書から分か
った。

 文書は、同協定書にかかる覚書案とされ、同研究所の範囲の特定や、同研究所を同廃棄物の処分場にしないという内容の補足など、五項目が記されている。締結日は、同協定書が結ばれた一九九五(平成七)年十二月二十八日が予定されていた。案者は同市職員で、高嶋芳男瑞浪市長などの決裁印が押されていた。

 建設計画に反対する市民団体は「覚書が締結されなかったことで、立て坑の設置場所変更という新しい問題が持ち上がった。覚書のない協定書の内容はあいまいで、放射性廃棄物の処分場につながらないという根拠にはならない」と主張。覚書
案の取り扱い経緯と締結されなかった理由などを問う質問書を提出した。

 同市は「今回の情報公開であらためて存在が分かった文書なので、市が起案したと思われる。当時の担当職員から聞き取りをして経緯を確かめたい」としている。

011116岐阜


 ▼1995年12月28日の協定書

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