日本弁護士連合会 人権擁護大会で

超深地層研究所建設計画中止決議!

10月6日大会傍聴報告 (2000年10月6 日:兼松 秀代)

 日弁連人権擁護大会で

         −原子力偏重から脱原発へ− が決議されました。

決議は次の5点です。


1. 原発の新増設を停止し、既存の原発については段階的に廃止する。

2. エネルギ−消費削減に積極的に取り組み、再生可能エネルギ−の研究・開発のために、 公的助成と電力買取義務の制度化を内容とする自然エネルギ−促進法を制定する。

3. 原子力安全規制行政は、アメリカの原子力規制委員会にならって独立行政委員会に一元 化するなど、推進官庁からの独立を確保する。

4. 使用済み燃料の再処理を中止し、直接処分のための研究と法制度の整備を行う。

5. 高レベル放射性廃棄物の地層処分政策を凍結し、処分場に直結しかねない、東濃超深地層研究所の建設を直ちに中止するとともに、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」を抜本的に見直し、安全な処分方法および地層処分以外の多様な選択肢のための研 究を推進する。

                                    
 決議案が提案されたのち福井県の弁護が賛成討論を行いました。
 次に東京弁護士会のハリマ弁護士が反対討論を行いました。

反対の理由は
・原子力に代わる現実的エネルギ−が提案されていない。
・石油は2043年に枯渇すると公式に認められている。
・原子力は必要−自動車に装備できる小型の原発を造ってもらいたい!

☆賛成討論は岐阜県弁護士会・土岐市の伊藤知恵子弁護士!
・人口の多い所には造らない、知事も市長も造らないと言う、科技庁の文書もある、
だから大丈夫なんだと思い込まされてきた。しかし情報はほとんど住民に公開されて
来なかった。知らされないまま研究所の計画が進んだ。普遍的な研究をしているだけ
でここは処分場にならないと言うが、この特徴のあるこの状態が適正だと言われれば処
分場になる可能性があることは誰にでも判ること。この危惧を住民が持っている。研
究所と言う名前の下に調査されることを最も危惧します。土岐市は核融合施設も建設
されている。核融合は代替エネルギ−と言われているが、今沢山のエネルギ−を使っ
て、ツケを後の世代回すことは母親として許せない。自分の自身のこととして省エネ
をすべき。各戸で発電できる様々なエネルギ−を検討しよう。

 伊藤さんの思い溢れる、切々とした訴えは参加者の心を打ちました。腰痛を押しての
出席でした。

 反対−2、賛成−圧倒的多数で採択し決議されました!



エネルギー政策の転換を求める決議
〜原子力偏重から脱原発へ〜

 1999年9月、東海村JCOにおいて臨界事鼓が発生し作業員2名事死亡したほか多数の作業員と住民が被曝した。これは、高速増殖炉「もんじゆ」のナトリウム漏れ事故、動燃東海再処理工場の火災、爆発事故に引き続いての重大事故であり、このような事故の続発は、世界に大きな衝撃を与え、市民の原子力エネルギーへの信頼は大きく揺らいでいる。

 チエルノプイリ、アメリカ・イギリス・フランスの核施設周辺では、放射能によるガン・白血病などの健康被害の事実が明らかになり、安全性、環境保護の面で原子力利用の問題点は明確になってきている。また、廃棄物処分費用を含めたコストでも、他のエネルギー源に比ぺて高価となっている。ドイツ・スウエーデンは原子力発電所を段階的に廃止していく方針を確定している。1997年にはフランスにおいても、高速増殖炉計画が中止された。一方、現在わが国には52基の原発があり、発電量で34.6%を占めているが、政府は2010年までに原発13基程度を新増設し、発電量を45%にまで高める計画をすすめている。

 わが国の原子力安全規制行政は、主として通産省など原子力の推進のための官庁内部におかれ総理府に置かれる原子力安全委員会は単なる諮問機関に過ぎず、その機能を十分果たしていない。このことが重大事故の続発を防げない原因の一つである。

 原子力発電の推進に伴って発生する使用済燃料は年々増えていき、今や膨大な量となつているが、わが国ではすぺて再処理してプルトニウムを取り出すという方針をとっている。再処理技術は危険性が大きいため、ほとんどの国では放棄されているが、わが国では2兆円以上の費用を投じて青森県六ケ所村の再処理工場の建設が進められている。また、再処理により出てくる高レベル放射性廃棄物について、ガラス固化し、深い地下に埋設する深地層処分の方針をとっているが、数万年にわたる安全性の保障は人類の経験にない難問であり、科学的にも不確実な点が多く、諸外国においても未だ具体的な処分の目途は立っていない。にもかかわらず、わが国は処分地選定の基準も明確にしないまま、危険な処分方法を実施しようとしている。そのため、北海道幌延町、岡山県など各地で自らの地域が処分地にされてしまうのではないかとの不安が生じている。超深地層研究所が建設されようとしている岐阜県は.日本最大の内陸地震・濃尾地震を経験したところであり、断層・岩盤の性状や地下水などの条件からみても問題が大きいので、とりわけその不安は深刻である。

 世界の趨勢は今や脱原発に進み,再生可能エネルギーの促進に努めている。わが国では、エネルギーに関する基本計画について、市民・NGOの参加や国会の承認など民主的な意思決定方法がとられず、依然として国のエネルギー研究開発予算の9割以上を原子力関連に投ずる原子力偏重のエネルギー政策をとり続けている。まさに世界から孤立していると言わざるをえない。そこで、当連合会はエネルギー政策の根本的転換を求めて、国に対して、次の提言を行うものてある。

1. 原発の新増設を停止し,既存の原発については段階的に廃止する。

2. エネルギー消費削減に積極的に取り組み、再生可能エネルギーの研究・開発のために、公的助成と電力買取義務の制度化を内容とする自然エネルギー促進法を制定する。

3. 原子力安全規制行政は、アメリカの原子力規制委員会にならって独立行政委員会に一元化するなど、推進官庁からの独立を確保する。

4. 使用済燃料の再処理を中止し、直接処分のための研究と法制度の整備を行う。

5. 高レペル放射性廃棄物の地層処分政策を凍結し、処分場に直結しかねない東濃超深地層研究所の建設を直ちに中止するとともに、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律jを抜本的に見直し、安全な処分方法及び地層処分以外の多様な選択肢のための研究を推進する。

以上のとおり決議する。

               2000年(平成12年) 10月6日
               日 本 弁 護 士 連 合 会

    


2000/10/06 朝日新聞(岐阜県版)
2000/10/07 毎日新聞(岐阜版)
1007毎日新聞


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