瑞浪市が申請した「電源立地等初期対策交付金」に関し、

 岐阜県にも公開質問状を提出

 東濃・岐阜の市民団体は6月1日、瑞浪市に対し、「電源立地等初期対策交付金」7400万円を計上した補正予算案を6月の定例議会に提出しないように申し入れをしました。

 交付金は当該市町村だけでなく、当該都道府県も受けられることになっています。

 そこで6月4日には、岐阜県に対しても、今後交付金申請を行うつもりかどうか、研究所を原子力関連施設と認識しているか等の質問状を提出しました。


【朝日新聞 東海版 社会面 2001/6/5】

超深地層研交付金巡り

市民団体が質問状

 高レベル放射性廃棄物の地層処分研究のための「超深地層研究所」計画がある岐阜県瑞浪市が計画推進の広報などに使う交付金を国に申請したことに対し、「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」など4つの市民グループは4日、同県の梶原拓知事に公開質問状を出した。20日までの回答を求めている。

 同研究所は核燃料サイクル開発機構が計画。質問状は、「見返りとして東濃地域が将来、地層処分場を引き受けることになる」と危ぐしたうえで、▽県も交付金を申請する予定があるか▽研究所を原子力関連施設と認識しているか▽申請について県と瑞浪市は協議したのか、と訊ねている。

     2001年6月4日

岐阜県知事 梶原 拓様

埋めてはいけない!核のゴミ実行委員会・みずなみ
核のゴミから土岐市を守る会
くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク
放射能のゴミはいらない! 市民ネット・岐阜

電源立地初期対策交付金についての公開質問状

 日頃はよりよい県政実現のため尽力されていることに敬意を表します。

 私たちは核燃料サイクル開発機構が 瑞浪市明世町月吉区に計画している「超深地層研究所」(以下「研究所」と言います。)の隣接地域が高レベル放射性廃棄物処分場になる可能性が高いとして、計画に反対している市民団体です。
 1997年11月には私たちが指摘した、まさに研究所用地に隣接した土岐市河合区を中心とした4平方キロメートルを10km四方の予備調査と称して詳細な地下調査を実施しようとしました。この調査は国や核燃料サイクル開発機構、電気事業者で組織した高レベル事業推進準備会が「処分予定選定」のために行うとした調査と同じ内容の空中・地上電磁探査等でした。1998年9月18日、科学技術庁長官から岐阜県知事に回答された「貴職をはじめとする地元が処分場を受け入れる意思がないことを表明されている状況においては、岐阜県内が高レベル放射性廃棄物の処分地になることはないものであることを確約します。」との政策文書をもって1999年1月、土岐市議会、住民団体が抗議する中、調査は強行再開されました。このことにより核燃料サイクル開発機構や自治体への不信感がつのりました。

 核燃料サイクル開発機構は研究所推進の住民に対して1回に8700円もの酒食を提供し世間の非難を浴びています。

 一方昨年5月31日に成立した高レベル放射性廃棄物処分のための法律「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案」審議において、地下研究所を受け入れたところは最終処分場から除外すべきだとの多くの国会議員の指摘にも関わらず、地下研究所を受け入れた地域は処分場から除外するという法律にはなりませんでした。北海道では幌延町の深地層研究所を受け入れるに当たり、最終処分場にしないための担保として2000年10月14日「核抜き宣言条例」を制定しました。しかし17日、科学技術庁長官は記者会見で条例を制定した北海道も含め全国的見地から処分場の検討をするとの考えを示しました。質問主意書に対する2000年9月23日付けの答弁書でも、国は北海道、青森県、岐阜県の三県知事に対して出した「政策意図を明確にした」文書があっても処分場選定に当たっては「すべての地方自治体は平等取り扱われる」との考えを示しています。

 研究所で行う研究項目は処分実施主体が精密調査の段階で実施するものとして核燃料サイクル開発機構が2000年レポートで示した調査項目と合致する内容です。しかも2000年11月1日に改正された特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律の施行令における精密調査地区選定のための調査項目とも合致します。これでは調査研究の名目で処分場選定のための精密調査を実施するに等しく、研究所の隣接地域が処分場となる危険性がますます高まったことを示すものです。研究所の建設を容認できるものでは決してありません。

 加えて1995年12月28日に結んだ研究所に係る協定には研究終了の規定がありません。

日弁連と岐阜県弁護士会合同核燃料サイクル開発機構調査の結果「詳細な調査が進めば進むほど、処分場とされる可能性が高まる」と処分場への危険性を指摘され、「処分場に直結しかねない東濃超深地層研究所の建設を直ちに中止」すべきであるとの決議が2000年10月6日の日弁連人権擁護大会で決議されました。

  市民団体が2001年3月に全国47都道府県を対象とした、処分場受け入れ可能性アンケートにおいても処分場を受け入れるとした県は1県もありませんでした。処分場を受け入れる都道府県がないということは、一番調査の進んでいる岐阜県がなし崩し的に処分場受け入れへの圧力を受けやすいということです。

  岐阜県東濃地域が処分場にされかねないこうした様々な客観的な状況を考えるとき私たちは研究所の建設を認めるべきではないし、岐阜県および瑞浪市、土岐市は超深地層研究所の建設を認めた核燃料サイクル開発機構(旧動燃)との協定は破棄すべきであると考えています。

 しかし岐阜県、瑞浪市、土岐市は研究所推進の姿勢を鮮明にし、危険性を認識しようとはしません。

 その上瑞浪市は5月28日に電源立地初期対策交付金( 以下、「交付金」と言います)を国に申請しました。この交付金は「設置の円滑化に資するため」、「設置の必要性に関する知識の普及」(電源立地初期対策交付金交付規則より )を主目的として交付されるものです。つまり研究所のPRを主眼とした交付金です。

 核燃料サイクル開発機構が本格的に研究所建設に動き出すこの時期に交付金を申請することは、将来その見返りとして東濃地域に処分場を引き受ける条件整備に瑞浪市が手を貸すことになるとのではないかと強く危惧します。

 この交付金は瑞浪市のみならず岐阜県及び瑞浪市に隣接する市町村が申請することのできる規定です。

 しかしこの交付金を含む電源三法交付金は自力で地域経済を維持発展させようとする意欲を高めるものとなるどころか、交付金に頼った地域計画をたて、交付金に依存した経済となる地域が多く、自立した地域発展の妨げとなることが指摘されています。

 原子力施設が自立した地域振興の支えになり得ないことは、例えば原発を最初に受け入れた隣県福井県の中川前知事が1985年10月1日の県議会において「過疎から抜け出すため、原発を受け入れてきたが。期待したようにはいかなかった」と述懐し、「原発誘致は地域振興に役立ず」と陳謝ていることからも明かです。

 そこで岐阜県民として岐阜県の自立的経済の発展を願い、研究所の性質の認識を確認するため、交付金に関わって以下のことを質問します。

1.岐阜県は次回申請締め切り日の2001年10月31日までに交付金を申請する予定はあるか。

2.岐阜県は来年度以降、交付金の申請をする計画や予定のはあるか。

3. 瑞浪市の今回の交付金申請に関わって県と瑞浪市は
(1) いつから、いつまでの間に何回協議したか。
(2) それはどのような形で行われたか。

4.地層科学研究を行い放射性廃棄物を用いないとする研究所が電源三法交付金の対象施  設である事について、岐阜県は研究所を原子力関連施設と認識しているか。

以上

 なお、6月20日までに文書による回答をお願いします。 

【中日新聞 東濃版 2001/6/5】


 
 
電源立地交付金で
 県に公開質問状
 県内4市民団体

  核燃料サイクル開発機構 (核燃)が瑞浪市明世町に設置を計画している「超深地
層研究所」の建設を前提として、同市が先月末、資源ネルギー庁に「電源立地初期対策交付金」の申請を出したのを受け、岐阜市の「放射能のゴミはいらない! 市民
ネット・岐阜 」など県内四つの市民団体は四日、県に同様の補助申請の意向があるかどうかなどを問う公開質問状を提出した。

 四団体は、研究所立地の゛見返り゛に、隣接地域に高レベル放射性廃棄物処分場が建設される恐れがあるとして、同研究所の立地に反対。同ネットの事務局の兼松秀代さんは「交付金規則によると、交付の第一目的は゛設置を円滑にするため゛とある。
市や県の主導で計画が加速する懸念がある」としており、県に補助申請の意向の有無や、瑞浪市の申請前に県との間にどのような事前協議があったかーなど、四項目を尋ねている。

 瑞浪市は交付金の使途について「研究所を広報するためのシンポジウム開催のほ
か、地場産業の振興など七つの事業に充てる」としている。

【2001/6/5 岐阜新聞】


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