第88期(2012年) 定期株主総会 事前質問&一括回答
 
「発電コスト」についてでございますが,
 平成23年度の当社の営業費用における送電端の電源別発電単価は,1kWhあたり,水力は5円16銭,火力は11円35銭,新エネルギー 等は22円29 銭となっております。原子力につきましては,平成22年度は8円90銭でありましたが,平成23年度は浜岡原子力発電所の運転停止により,発生電力量が少 ないため,47円93銭となっております。
 この電源別の単価には,支払利息および一般管理費等は算入しておりません。
 なお,電気事業会計規則では,一般水力と揚水に係る費用はいずれも水力発電費に整理することとされており,これに基づき,当社は一般水力と揚水を分けた 整理は行っておりません。
 原子力発電コストには,現時点で合理的に算定できる全てのバックエンド費用を反映させており,平成22年度のバックエンド費用の総額は313億円, 1kWhあたり2円18銭でありましたが,平成23年度は浜岡原子力発電所の運転停止により,総額は191億円,1kWhあたり9円10銭となっておりま す。
 その内訳は,特定原子力発電施設の解体費用は8億円,1kwhあたり38銭,高レベル放射性廃棄物の地層処分費用は32億円,1kWhあたり1円55 銭,使用済燃料の再処理等費用は150億円,1kWhあたり7円17銭であります。
 なお,低レベル放射性廃棄物処理費用等を含む原子力関連の廃棄物処理費は15億円,1kWhあたり75銭であります。
 浜岡原子力発電所1,2号機の廃止措置に要する費用は,1号機が総額約379億円,2号機が総額約462億円と見積もっております。
 これらの内訳は,1号機については,施設の解体に関する費用が約253億円,解体廃棄物の処理,処分場への運搬や処分などの解体廃棄物処理処分に関する 費用が約126億円,2号機については,施設の解体に関する費用が約302億円,解体廃棄物処理処分に関する費用が約160億円であります。

 寄 附 および会費の支出」につきましては,
 当社は,中部電力グループ社会貢献基本方針を制定しており,寄附などを通じて地域・社会の持続的発展のために貢献することは,良き企業市 民としての責務 であると考えております。
 寄附の対象は,この基本方針に基づき,公共性や社会的貢献度,地域社会への寄与度など,内容を十分に検討した上で,妥当と判断した団体・事業に限定して おります。
 個別の寄附,会費の金額等につきましては,相手方もございますので,説明を差し控えさせていただきます。
 なお,寄附および会費の会計整理につきましては,支出内容等に応じて,「一般管理費」等の適切な科目に整理しております。
 電気料金の算定に当たりましては,電気事業法および供給約款料金算定規則に則り,適切に算定しております。

「電力需給」についてでございますが,
 平成23年度および平成24年度ともに,随時調整契約をご契約いただいているお客さまは約200件,調整力は約70万kWと なっております。
 平成23年度の自社揚水発電所の発電方向の設備利用率は,7月が6%,8月が8%,9月が8%,12月が4%,1月が2%,2月が2%であり,年度平均 では5%であります。
 平成23年度の自社火力発電所の設備利用率は,7月が57%,8月が58%,9月が54%,12月が61%,1月が64%,2月が67%であり,年度平 均では55%であります。
 火力発電にはガスタービンを有するコンバインド・サイクル発電方式とガスタービンを有しないコンベンショナル発電方式があります。
 コンバインド・サイクル発電における定格出力時の設計外気温度は,マイナス1度からプラス9度となっておりますが,気温が高くなると空気の密度が低くな り,吸い込み空気量が減るため,気温35度程度において出力が10%から20%程度低下いたします。
 石油・石炭・LNGを燃料としているコンベンショナル発電における定格出力時の設計外気温度は,15度となっており,気温によって出力が低下することは ございませんが,武豊火力発電所2・3・4号は,設備の劣化から夏季の海水温度上昇時には出力が5%程度低下いたします。
 上越火力発電所1−1号は,定格出力が59万5千kWですが,気温35度程度における最大出力は50万kW程度となります。
 上越火力発電所の昨年の試運転開始から今年6月までの発電電力量は,約10億9千kWhであり,売電電力量は,約10億5千kWhであります。


「オール電化」についてでございますが,
 オール電化住宅による夜間電力需要は揚水用電力の確保に支障を及ぼすものではないと考えております。
 また,当社は,ヒートポンプをはじめとした電気機器の特長や,その上手な使い方をお伝えしていくことは,電力会社にとって必要な活動と考えております が,この夏においては,お客さまへの節電のお願いや節電に資する対応を最優先に取り組むこととしております。
 なお,「オール電化住宅事業」のような会計整理はいたしておりませんが,節電のPR,新規需要の開拓やPR施設の運用に係る費用など一般的な宣伝活動に 要する費用は,平成23年度は54億円であり,平成22年度の80億円から26億円減少しております。
 オール電化住宅のお客さまが多い契約種別は3時間帯別電灯であり,この契約種別では10キロボルトアンペアの契約が最も多く,平均契約容量は約9キロボ ルトアンペア,平成23年度における1か月あたりの電力使用量は平均で750kWh程度であります。
 また,オール電化住宅でない一般家庭のお客さまが多い契約種別は従量電灯Bであり,この契約種別では30アンペアまたは40アンペアの契約が大半を占め ており,平均契約容量は約36アンペア,平成23年度における1か月あたりの電力使用量は平均で290kwh程度であります。
 当社の子会社であるトーエネックは,太陽光発電やLEDをはじめとする “創エネ・省エネ・蓄エネ”といった観点で,キャンペーンを展開しております。


「二酸化炭素排出量」についてでございますが,
 当社の2011年度の二酸化炭素排出量は,現在集計作業を進めており,まとまり次第公表させていただく予定であります。
 浜岡原子力発電所の運転停止により,京都議定書・第一約束期間5か年平均の排出原単位を1990年度実績から20%削減するという目標の達成は厳しい状 況にありますが,今後とも需要と供給両面において,鋭意努力してまいります。

「碧南火力発電所内における災害廃棄物の受け入れ」について でございますが,
 当社は,本年4月,愛知県から,碧南火力発電所構内の石炭灰処分場の提供に関する検討依頼を受けております。東日本大震災に より生じた災害廃棄物の広域 処理は,被災地における復興を迅速に進めるため,国を挙げて行われていることを踏まえ,当社としても可能な範囲で協力することが必要であると考えており, 県に地元のみなさまのご理解を得ていただくことを前提として,災害廃棄物の受け入れ可能性について技術的な検討を行うことといたしました。
 県からは,県が災害廃棄物受け入れの事業主体となり,当該事業に係る全ての費用を負担すること,当社の操業や将来の土地利用に支障が生じないことを条件 として,「焼却炉の設置場所」,「焼却灰の処分場所」,「災害廃棄物や焼却灰の仮置き場所」の提供の可能性について検討を依頼されておりますが,処理計画 の詳細は提示されておりません。
 災害廃棄物の受入れは県の事業であり,その維持管理および必要な諸対策についても県の責任と負担において実施されるものと考えております。当社がこれら に係る費用を負担する予定はございません。
 また,燃やすことのできない災害廃棄物の受け入れや災害廃棄物を処分した区画の買取りについては,県からは何ら提示を受けておりません。


「碧南火力発電所の石炭灰の処分」につきましては,
 処分場の残存容量は,平成23年度末現在で約108万立方メートルであります。
 石炭灰の発生量は,碧南火力発電所の稼働状況や使用する石炭によって変動がありますが,毎年約100万トン前後で推移しております。
 平成21年度の実績では,石炭灰発生量が117万5千トンに対し,リサイクル量は117万2千トンであり,ほとんどを有効活用しております。
 石炭灰のうち7割程度はセメント原料等として利用し,残り3割程度は埋立てに利用したり,有価物として売却するなどしております。


「浜岡原子力発電所」についてでございますが,
 原子力発電は,エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の高騰や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわた り安定的にエネルギーを確保 していくためには,安全の確保と地域の信頼を最優先に,引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
 この一環として,浜岡原子力発電所において,津波に対する安全性を一層高めるための対策を実施することは不可欠であると考えています。
 当社は,防波壁の設置や建屋の防水性強化,緊急時対策の強化などの津波対策を着実に実施するとともに,丁寧に説明することで地元はじめ社会の皆さまの安 心につながるよう全力で取り組んでまいります。
 浜岡原子力発電所における津波対策については,福島第一原子力発電所の事故等から得られた知見や教訓を反映して,「発電所敷地内浸水防止対策」, 「建 屋内浸水防止対策」,「緊急時対策強化として冷却機能確保対策」による幾重もの対策により,安全性をより一層高めることとしています。
 さらに,内閣府から公表された震度分布と津波高の推計に用いられた断層モデルのデータをもとに,浜岡原子力発電所で想定すべき地震動および津波高をはじ めとするさまざまな検討を行い,今後公表される推計結果も踏まえて,必要な対応を実施してまいります。
 津波対策工事に要する費用につきましては,社会の皆さまの原子力発電に対する不安の高まりを真摯に受け止め,浜岡原子力発電所の安全性をより一層高める ために必要な投資と判断いたしました。
 株主の皆さまにもご理解をいただけるものと考えております。
 なお,浜岡原子力発電所は,敷地直下に活断層がなく,原則的立地条件を満たしており,また,過去の歴史地震等を踏まえて,耐震設計審査指針に基づき十分 な耐震性を確保し,地震や津波が大きな事故の誘因となるような事象にならないようにするなどしており,原子炉立地審査指針に抵触するとは考えておりませ ん。
 
 原子力安全委員会が3月にまとめた耐震設計審査指針の改訂案では,取水・放水施設の開口郎等からの敷地内への浸水は,施設の安全機能が影響を受けない範 囲とすることが必要とされています。
 浜岡原子力発電所における津波対策では,建屋貫通郎の浸水防止対策,建屋外壁の防水構造扉の強化などの「建屋内への浸水防止」を実施しており,今回新た に設置する海水取水ポンプについても,同様の対策を実施しております。
 東海地震のようなプレート間地震による地盤の変動は,広い範囲に一様に生じるため,その傾斜は非常になだらかになるものと想定されており,また,浜岡原 子力発電所の敷地内には,地震時に動く可能性のある断層が存在していないことが国の安全審査においても確認されております。したがいまして,敷地内で問題 となるような地盤の傾きや変形が生じたり,地盤が破壊するおそれはないと考えております。
 また,当社は,平成19年の新潟県中越沖地震を踏まえた対策として,地震後の初動対応に必要なアクセス道路を確保するための補強工事を実施済みでありま す。なお,平成21年の駿河清の地震では,一部の道路や法面に亀裂が発生しましたが,通行に支障となるような被害はありませんでした。
 仮に津波によって敷地内が浸水したとしても,取水槽から取水トンネルを経由して短時間で海に排水可能であり,復旧作業等は可能であると考えております。

「引き津波」についてでございますが,
 これまでの評価では,敷地周辺に影響を及ぼした津波のシミュレーション解析を基に検討した結果,干潮位や地震による地盤隆起 を考慮しても,引き津波時に 取水塔から取水できなくなる時間は5分間程度です。
 これに対して,取水槽には原子炉機器冷却系に必要な海水が20分間程度以上,確保されております。
 また,津波対策工事の1つとして,取水槽には漂流物の流入防止策を講じる予定であり,車両等が取水槽に入り込むことはなく,土砂が取水槽に入ってきて も,取水槽に設けてある大きな沈砂池で土砂を溜めることができるため,土砂により取水槽が閉塞することはなく,補機冷却用の海水として必要な水量を確保で きると考えております。
 当社としては,内閣府から公表された津波高の推計に用いられた断層モデルのデータをもとに,浜岡原子力発電所で想定すべき津波高をはじめとする様々な検 討を行い,今後公表される推計結果も踏まえて,必要な対応を実施してまいります。


「浜岡原子力発電所1,2号機の解体撤去物」につきまして は,
 発電所構外への搬出のための準備中であり,現在発電所構内にて保管しております。

「原子力に関するイベントなどへの説明者の派遣要請」につき ましては,
 当該イベントの概要,時期等を勘案して,派遣の判断を行っておりますが,予定されるイベントについて,議論や説明の中立性, 公平性の確保が定かではない と判断される場合には,要請をお断りする場合もございます。
 当社は,報道機関への発表や,ホームページヘの掲載などを通じて,原子力に関する情報を積極的にお知らせしております。
 今後とも,多くの方々にご理解いただけるよう,さまざまな機会を通じて原子力に関する情報を発信してまいります。

「芦浜の土地」についてでございますが,
 当時の計画地の大半を取得し,一団の土地となっていることから,具体的な活用方法について,土地の特性や収益性などから検討しておりま す。土地の売却や 寄付を含め,芦浜の土地を処分することは,現時点では考えておりません。
 また,土地の管理につきましては,定期的な巡視,山林の間伐・つる切り・下草刈りなど山林の管理を適切に行っております。



株主からの事前質問項目

 第88期中部電力株主総会  事前質問書


■発電コスト
1. 当社の当期の主要電源別の発電コストを聞きたい。なお、水力は一般水力と揚水に分けて示していただきたい。

2.揚水発電所と一般水力発電所とでは、発電コストに大きな差があるはずである。両者を分けてコストを把握していないとすれば、経営者として失格である。 もし分けて計算しないのであるなら、その合理的理由を明らかにされたい。

3.原子力については、廃炉や放射性廃棄物処理などのバックエンド費用を発電コストにどのように反映させているか、かつ、その額はどれだけかを示していた だきたい。
 当期の総額及び1kWh当り何円かを、廃炉費用(解体引当金)、低レベル放射性廃棄物処分費用、高レベル放射性廃棄物処分費用、再処理費用などそれぞれ について明らかにされたい。

4.浜岡1、2号機の廃炉のためにかかる費用の内訳(除染、解体、撤去運搬、処分場へ処分など)と現時点での見積もり額を明らかにされたい。


■オール電化

1. 東京電力では2011年3月11日直後の計画停電が実施されていた時点で、オール電化住宅による夜間電力需要のために揚水用電力が十分に確保されなかった と聞く。夜間の余裕電力は、高率割引制度で濫費させるのではなく、緊急時の予備電力(揚水用、各種蓄電器用の電源)として確保しておくべきではないか。

2. 当社は、今後、オール電化住宅の販売促進活動を行うつもりか。

3. オール電化の販売促進を進める体制を震災後新たにしたとのことですが、このために計上している金額はいくらですか。金額と前年比を明らかにしてください。

4.オール電化住宅の契約アンペア数の平均は何アンペアか。

5.オール電化ではない一般家庭の契約アンペア数の平均は何アンペアか。

6.オール電化住宅の平均的な電力使用量は年間何kWhか。

7.オール電化ではない一般家庭の平均的な電力使用量は何kWhか。

8.当社の子会社であるトーエネックでは、今年も「2012年春夏キャンペーン展開中」としてオール電化のキャンペーンを行っている。当社としては、今年 はもう節電の必要ないということか。


■電力需給

1.  当期の当社の随時調整契約はどれだけだったか。また、来期(2012年度)の随時調整契約はどれほどになるか。

2.昨年度の揚水発電所の設備利用率は何%だったか。

3.昨年7月、8月、9月、12月、1月、2月の揚水発電所の設備利用率を明らかにされたい。

4.昨年度の火力発電所の設備利用率は何%だったか。

5.昨年7月、8月、9月、12月、1月、2月の火力発電所の設備利用率を明らかにされたい。

6.火力発電所の最大発電出力は、どのような温度条件での発電出力なのか。

7.火力発電所では、気温と海水温上昇で発電機出力が落ちると言われているが、気温35度以上になった場合、当社の火力発電所での出力は最大で何%程度落 ちるのか。石油、石炭、LNG,ガスコンバインドそれぞれについて、明らかにされたい。

8.最新型の上越火力発電所では、気温35度程度における最大電気出力は何kWになるのか。

■二酸化炭素排出量

1. 当社の2011年度の二酸化炭素総排出量、および、その1990年度比の増減はどれだけであったか。
2. 当社の2011年度の二酸化炭素排出実績を、京都議定書の約束の履行という観点からどのよう
 に評価しているか。

■原子力発電

1.事業報告の(2)「対処すべき課題」で、「徹底的な安全対策を施したうえで、原子力を引き続き重要 な電源として活用すること が不可欠であると考えております」と記されているが、徹底的な安全対策を施せば、過酷事故は絶対に起きないということなのか、それとも、徹底的な安全対策 を施したうえであれば、仮に過酷事故が起きても、それは受忍すべきである、ということなのか。

■浜岡原発

1. 当社は、浜岡原発の再稼働を目指し、防波壁の設置等に1千億円をはるかに超える巨費を投じようとしている。もしも再稼働ができなければ、この投資はまった くの無駄になる。当社は、浜岡原発再稼働についてどういう成算があって、このような巨額の投資を行っているのか。

2.「浜岡原発の再稼働の是非を問う県民投票」を静岡市で行っている私の経験から質問します。近所を1軒1軒回っていますが、頼んだ人の8割は署名してく れ、署名した人の9割は「再稼働に反対」です。反対した人の多くは、「原発はこわい」「事故が起きたらどうなるかわからない」という漠然とした不安を抱い ています。その不安を払しょくするためには、取締役会が述べている「今回の運転再開にあたっても、誠意をもって十分なご説明を行い、ご理解をいただけるよ う努めてまい」ることをそのまま実行することが必要です。つまり、不安を抱いている住民の中に積極的に入って行って、当社の生きた人間としての顔、思いを 伝えるということです。
 では、質問いたします。
 今年4月7日に静岡市のグランシップで開催されたシンポジウム「東海地震と浜岡原発〜今、私たちにできること〜」では、主催者からパネリストとして参加 要請があり、一旦は、参加を受諾しながら、当社はその後、参加を断ってきたと主催者から説明がありました。このシンポジウムは、原発推進に積極的な論調を 張っている読売新聞の静岡支局も後援したもので、決して脱原発、再稼働反対の催しではありませんでした。こうした場にこそ、積極的に出て行って、当社の浜 岡原発再稼働の方針を堂々と誠実に主張すべきだと考えます。当社が参加を断ってきたことに、主催者は不快感を表し、会場からは「やっぱり中電はしっぽをつ かまれたくないから出てこないのよ」という囁きさえ聞かれました。
 当社のこのシンポジウムに対する対応は、住民の原発に対する不安と当社に対する不信感をますます煽り、運転再開を困難にする要因の一つになってしまった と言わざるを得ません。
 地元の住民に直接説明できる絶好のチャンスだったにもかかわらず、何故拒否したのでしょうか。

3.内閣府の南海トラフの巨大地震検討会は、浜岡地点の津波高さが最大21mになる可能性があるという結果を発表した。当社が現在建設中の18mの防波壁 では、21mの津波は防げない。21mの津波が来る可能性があることが分かっていながら、18mを越えた場合でも別の対策で安全を確保できるという考え方 では、「万全を期した対策」とは言えないのではないか。少なくとも、21mの津波に備えた対策を確実に行うべきではないか。その上で想定外の事態に対応す るのが多重防護の考え方なのではないか。

4.津波が18mの防波壁を越えた場合も、建屋を二重扉にしたり、水密性を高めた建屋内に海水取水ポンプを収納する等安全が保たれるように対策を講じてい るとのことだが、それらの対策で安全が確保できるのであれば、わざわざ防波壁を1400億円かけて建設する必要はないのではないか。

5.原子力安全委員会が3月にまとめた耐震設計審査指針の改訂案では、まず敷地内に津波が浸入しないことを求めているが、浜岡原発には全号機に取水層があ るため、津波高さが敷地の標高6mを越えれば必ず浸水するはずである。なぜこれを防ぐ対策を全く考えないのか。これを防ぐ対策はお手上げということか。

6.海水取水ポンプを防水建屋で覆うという対策をとっても、必ずケーブルやパイプなどの外部との貫通部が存在するため、水圧によっては海水が浸入する可能 性がある。また、敷地の隆起、陥没により建屋が歪み、隙間が生じて水が浸入する可能性もある。これは柏崎刈羽原発でも2007年に経験済みである。こうし た可能性をどう評価し、どう防止する対策をとっているのか。

7.敷地の隆起・沈降による道路の陥没、地割れを防ぐ対策はとっているのか。実際に2009年のM6.5の駿河湾地震でも敷地に隆起・沈降が発生したので あるから、プレートの隆起が1m以上、場合によってはその何倍もになる南海トラフの地震では当然想定すべきことである。電源車やガレキ撤去用の重機を配備 しても、敷地内の道路の損壊(地割れ)や水没によって通行ができない場合も考えられるが、そうした事態に備えた対策はとっているのか。

8.津波高さの最大が21mと想定されたことから、引き津波の規模も従来よりも大きいと考えなければならない。引き津波による海水取水不能時間については どのように評価しているのか。水位が取水口最下端から下がる時間は何分と想定しているのか。

9.引き津波によって取水層に土砂やガレキ類、作業車などが引き込まれ、プールが埋まって取水できなくなる可能性はないのか。無いとすればその根拠を示さ れたい。あるとすれば、どう対策をとっているのか。

10.津波と巨大地震が発生する場所に原発を建設することは、現在の原子炉立地指針に抵触しているのではないか。抵触していないとすればその根拠は何か。

11.浜岡1、2号機の解体廃棄物の敷地外搬出が5月から始まったとされるが、搬出先は静岡県内か。他県であれば県名、具体的な処分場名を明らかにされた い。

■電気事業連合会

1.  電気事業連合会について、毎年いくらお金出してきましたか。過去5年間さかのぼって教えてください。またそれを原価参入していますか。(ちなみに東電は今 回の値上げの申請書類で、年間20億円出しており、
いままでは原価参入してきたことを認めました)

■寄付金
1.防波壁の安全性審査の第三者機関委員を務めた名古屋大学の中村光教授に対して、当社や当社関連企 業、団体が過去1140万円の寄付をしていたことが報 道されました。当社がこれまでこうした研究者や学者、大学、「地震予知総合研究振興会」など団体、組織に供与してきた寄付金総額はいくらですか。総額が不 明であれば、2006年以降の金額について明らかにしてください。

2.当社が「日本原子力産業協会」と「中部原子力懇談会」に対し、2006 年以降に拠出した金額をそれぞれ明らかにしてください。

3.これらの支出の費目は何ですか。これらの支出も総括原価の中に算入されているのですか。


■上越火力発電所

1.上越火力1号機が昨年の試運転開始から今年6月までで実際に発電した電力量は何kWhですか。

2.その内売電した量は何kWhですか。

■芦浜原発用地

1.福島第一原発の事故により原子力政策が見直されています。今後も芦浜にある用地を保有するつもり ですか?

2.芦浜は具体的な活用方法が無いまま11年間も経過しました。今後も保有し続けるとするなら、原発建設以外にその活用策は何ですか。

3.当社の経営は思わしくありません。芦浜にある用地をこのまま保有することは経営の足かせになっているのではありませんか。

4.昨年12月16日南伊勢町町議会で、小山巧町長は中部電力が所有する同町側の土地の寄付を 同社に打診する考えを示し、「計画は完全撤回されているが、寄付してもらうことで住民の安心につながる」と話しています。38年間もの間、地元の人々を苦 しめてきた罪滅ぼしと、安心してもらうために寄付すべきではないですか。

5.芦浜はウミガメの産卵地であり、ハマナツメなど貴重な動植物が生息している保護上重要な場所です。これは芦浜を守り抜いた地元人々の財産です。その意 味からも地元自治体に寄付すべきではないですか。

6.中電不動産による芦浜の保全事業は終わったのですか。止めたのであればその理由は何ですか。

7.今後は芦浜の保全事業はしない方針ですか。



■碧南火力発電所内における災害廃棄物処理

1.碧南火力発電所の自社処分場の一角を愛知県が災害廃棄物広域処理の最終処分のために使用する要請 をしていると聞くが、この使用につき、
(1)碧南火力発電所の地元川口町で行われた住民の投票では、災害廃棄物の受け入れ反対が9割近くを占めた。また、地元の大浜漁協も反対の意向である。愛 知県の計画であったとしても、地域の住民の意思に反して受け入れれば、当社がこれまで築いてきた地元との良好な関係を損なう恐れがある。
 当社は、愛知県の意向と、地元住民の意向とどちらを優先するつもりなのか。
(2)碧南火力発電所の敷地内で災害廃棄物を処理・処分することについて、当社としてのメリット及びデメリットをどう考えているのか。それぞれについて具 体的に明らかにされたい。

(3)焼却灰以外の災害廃棄物(不燃物)を当社の処分場で受け入れることは可能なのか。

(4)災害廃棄物を処分するに当り、愛知県から単位量当りの処分費用を徴収するのか。それとも、無償で受け入れるのか。
 或いは、別の形で処分場使用料を徴収するのか。

(5)災害廃棄物を処分した区画を愛知県が買い取ることもあり得るのか。

(6)それぞれ(賃貸か買い取りか)の場合において、埋め立て後の管理・監視はどこが行うのか。当社か愛知県か。

(7)それぞれの場合において、地震により当該処分場に地盤沈降、隆起や液状化が起きたり、津波の被害を受けるなどして、廃棄物が流出する等の問題が起き た場合、責任の所在はどこになるのか


(8)セシウム等を含む可能性のある災害廃棄物の処分することになれば、これまでとは異なる浸出水対 策を行う必要があると考えるがどうか。

(9)もし対策を行う場合、その費用はどこが負担するのか。また対策を行わない場合、浸出水による環境汚染が生じた時の責任はどこが負うのか。

2.石炭灰の処分について
(1)現在の処分場の残存容量は何トン分か。
(2)碧南火力発電所からの石炭灰の年間排出量は何トンか。
(3)当社の石炭灰のリサイクル率は何%か。
(4)リサイクルの用途の内訳を明らかにされたい。
 (ex.セメント材料○%、路盤材○%など)