第85期(2009年) 定期株主総会 事前質問&一括回答

■事前質問書の扱いについて ■電力需給・経営政策・自然エネルギー・その他 ■エコキュート ■経営その他 ■芦浜地点

■耐震安全性問題 ■浜岡原発1、2号機廃炉・解体 ■浜岡6号機新設 ■使用済み核燃料貯蔵施設

■浜岡4号機プルサーマル ■使用済MOX燃料について ■使用済MOXの資産価値 ■回収ウラン ■ロシアとのウラン濃縮委託契約

■特定放射性廃棄物(高レベル放射性廃棄物、TRU廃棄物) ■気体廃棄物処理系での水素濃度上昇

株主からの事前質問<青字> (未回答の質問<緑字>)

会社側一括回答<黒字>

■事前質問書の扱いについて

1.当会メンバーらは、株主総会のスムースな議事進行に資するため、取締役会が回答を準備する期間にも配慮して、事前質問書を2週間前、遅くとも10日前までには提出しています。ところが、質問事項の中で、回答がないものが毎年何件もあります。昨年の総会でなぜ回答しないのかを問うたところ、議長の川口会長は、「質疑を書き出し株主の皆さまにあらかじめご理解いただいた方がいいという事項について整理して説明した。」と答弁しました。

(1)これは、取締役会としては、多くの株主に取締役が説明したいと思った事項だけを選んで「説明」すればよく、質問をした株主当人に対しては回答をしなくてもいいという意味ですか。

(2)株主総会での株主の質問に取締役は答える義務があるはずです。中電の株主総会ではそうしたルールは無視してもいいことになっているのですか。

<取締役会回答>

 「事前質問書の取扱い」についてでございますが,事前質問の意義は,質問を株主総会に先立って通知して役員に事前に調査する機会を与え,その代わり,株主総会においてその質問がなされた時に,調査を要することを理由として説明を拒否することを認めないというものであり,事前質問を頂戴いたしましても,役員に説明義務が生じるものではございません。

 また,株主総会の目的事項に関しない事項等についても,役員に説明義務はございません。

 当社といたしましては,事前質問には法律上説明義務はないものの,株主さまのご要望にお応えするとともに株主総会の円滑な議事進行も考慮して,株主総会でのご質問を待つことなくご説明させていただいております。

 なお,ご説明にあたっては,多数のご質問を頂戴しておりますので一問一答ではなく項目を整理しておりますが,仮に株主総会の場でご質問いただいたとすれば説明義務が生じる事項については,ご説明に含めております。

■電力需給・経営政策・自然エネルギー・その他

(1)将来の電源としては、地域に密着した小規模分散型電源が、自然エネルギーや各種廃熱の利用、コジェネ、災害への抵抗力、高圧送電の電磁波障害の解消、送電ロスの軽減、地元合意の容易さ、地域活性化、分権社会との調和などの点で優れている。
 当社としてもこれまでの大規模・遠距離電源に極度に依存した電源構造を早急に改善していくべきであると思うが、どうか。

 「分散型電源」につきましては,需要地近傍に設置可能であるなどの特長がある一方,環境面や設置スペース上の制約,系統運用面などの解決すべき課題もあります。

 したがいまして,分散型電源と大規模電源は,お互いの特長を生かして補完し合うことによって,より効率的な電力供給システムが構築できていくものと考えております。

(2)当社の当期の主要電源別の発電コストを聞きたい。なお、水力は一般水力と揚水に分けて示していただきたい。

 「発電コスト」につきましては,平成20年度の営業費用における送電端の電源別発電単価は,1kWhあたり,水力は5円99銭,火力は11円70銭,原子力は6円45銭であります。この電源別の単価には,支払利息,一般管理費などは算入しておりません。
 なお,水力発電については,一括してとらえており,一般・揚水別には整理しておりません。

(3)今年5月、環境省は、福島県いわき市に計画中の石炭火力発電所「小名浜火力発電所(仮称)」について、「温暖化対策に及ぼす影響がきわめて大きいことから計画の内容は是認しがたい」として、環境影響評価に基づき計画案を認めないとする意見書を経済産業相に提出した。その際に斎藤環境相は、「電力事業全体として石炭火力における長期的な方針がないことが本質的な問題」と指摘した。この指摘を当社はどう受け止めるか。

(4)二酸化炭素をほとんど排出しないという理由で原発を推進しながら、主要電源のなかでは二酸化炭素をもっとも多量に排出し、CO_排出増加の元凶といわれる石炭火力を運転しつづけること不条理ではないか。碧南石炭火力発電の縮小を検討すべきではないか。なお、碧南石炭火力は、地球温暖化論問題が広く知られるようになった1990年代以降に運転開始しており、「既得権」は主張し得ないことを付け加えておく。

(5)現在、計画中(建設中を含む)の石炭火力発電はあるか。あるとすれば完成時の設備容量はどれだけか。また、その計画を中止するつもりはないか。

 「石炭火力発電」につきましては,石炭は,石油やLNGに比べて,資源量が豊富であり,埋蔵地域の偏りもないため,供給安定性と経済性の観点から重要な電源であると考えております。

 現時点で,計画中もしくは建設中の石炭火力はございませんが,今後の石炭火力の開発にあたっては,地球環境保全の観点から,熱効率の向上を図るとともに,ガス化複合発電,二酸化炭素回収・貯留などのクリーンコールテクノロジーの採用により,CO排出量を抑制する対応が必要と考えており,検討を進めてまいります。

(6)日本政府は2012年までに1990年比で6%の温暖化効果ガスの排出削減を国際公約している。このうち、電気事業については増減なしとされている。ところが、当社の2007年度の二酸化炭素総排出量は1990年度に比べて40%増加していた。2008年度はどうであったか。

(7)当社の08年度の二酸化炭素排出実績を、政府目標との関連でどう評価しているか。

(8)当社は、新エネルギー利用特別措置法による新エネルギー利用義務量を達成するためにいかなる取り組みを行っているか。またこの義務量達成についていかなる見通しを持っているか。

(9)2020年までの日本の温室効果ガス削減中期目標について、電事連は1990年比4%増を主張している(本年5月22日の電事連会長の定例記者会見)。日本は2012年までに90年比6%削減を国際約束しているから、電事連の主張は、2012年から2020年の間に90年ベースで10%増になることを意味する。一人あたりCO_排出量が世界平均の2倍以上の日本が、この先においてCO_排出量を減らすのではなく、10%も増やすというのである。
 この主張は、地球温暖化防止に努力するという当社の立場と相容れないが、当社は、この主張に同意しているのか。

 「C0排出量」についてでございますが,当社における平成20年度のCO排出量は,浜岡5号機の停止の影響はあるものの,新名古屋火力8号系列の運転開始,販売電力量の減少,京都メカニズムクレジットの反映などにより,前年度と比べ減少する見通しであります。現在,集計作業を進めているところであり,7月末には「CSR報告書」により公表をさせていただく予定であります。

 当社は,京都議定書・第1約束期間の5か年平均における1kWhあたりのCO排出量を平成2年度に比べ20%削減する,という自主目標の達成に向け,引き続き最大限の努力をしてまいります。

 なお,この自主目標は,政府が京都議定書の6%削減目標を確実に達成するために策定した「京都議定書目標達成計画」に組み込まれております。地球温暖化対策に関するわが国の中期目標については,6月10日に,麻生総理が平成32年の温室効果ガス排出量を「平成17年比15%減」とする旨を述べましたが,この目標は極めて厳しい水準であると認識しております。

 当社といたしましては,引き続き,エネルギーの安定供給,地球環境保全,経済性に配慮しながら,原子力を中心とする非化石エネルギー比率の向上を目指した取り組みを進めてまいります。

 さらに,電力需要面では,ヒートポンプの導入による電化推進や効率的なエネルギー利用をお客さまにお勧めすることにより,低炭素社会の実現に貢献してまいります。

 「新エネルギー」につきましては,当社は,国が定めた新エネルギー等の利用義務量の達成に向けて,御前略風力発電所をはじめとした風力発電,メガソーラーたけとよでの太陽光発電,碧南火力発電所でのバイオマス発電,小水力発電などの自社開発や,新エネルギーの余剰電力購入など,新エネルギーの普及促進に積極的に努めております。

 平成20年度の義務量については,小水力発電などの自社設備や,風力・太陽光・バイオマスなどの余剰電力の購入,平成19年度からの繰り越しなどにより達成できる見込みであります。

 今後も,義務量達成に向け,最大限の努力をしてまいります。

■エコキュート

(1)エコキュートは、深夜に沸かした湯を翌日1日かけて使うので、貯め置いているあいだの湯冷めと残湯(使い残し)がかならず発生する。その点を考慮すると、実際には、一般的な使い方でのエコキュートの実効熱効率は、従来型のガス給湯機並みか、それ以下といわれている。
 国交省所管の公益法人「建築環境・省エネルギー機構」が昨年5月に公表した実験結果はそれを裏付けるものである。つまりエコキュートは、特別の使い方をしない限り、特段の省エネにはならないのである。
 当社は、「エコキュートは省エネにより二酸化炭素排出量を減らし、地球温暖化防止に貢献する……」と宣伝している(当社ホームページ)が、これは事実に反しているのではないか。

(2) エコキュートは、住宅街で深夜に運転されるから、騒音と低周波音にたいして特段の対策が必要である。ところで騒音対策と低周波音対策はトレードオフの関係になりがちだが、当社はエコキュートの騒音および低周波音の対策にそれぞれいかに取り組んでいるのか。

(3)当社は、エコキュートの低周波音による健康被害の訴えが存在することを承知しているか。

 「エコキュート」についてでございますが,エコキュートは,再生可能エネルギーと位置づけられたヒートポンプ技術を活用した,家庭分野におけるC02削減の鍵となる機器であり,当社としても,引き続き推奨活動を展開してまいります。
 エコキュートの騒音および低周波音については,当社では直接対策を行っておりませんが,お客さまからのご要望は,各メーカーにお伝えしていきたいと考えております。
 なお,低周波音による健康被害に関しては,詳しい情報は承知しておりません。

■経営その他

(1) 太田宏次前会長が購入した中国古陶は、現在どのように活用されているのか

 「中国古陶磁の活用方法」につきましては,引き続き検討してまいりますが,現時点では展示などは行っておりません。

■浜岡5号機タービン損傷に係る日立製作所への損害賠償請求

 <別の株主による質問>

 「浜岡原子力発電所5号機の低圧タービン動翼損傷にかかる株式会社日立製作所に対する損害賠償請求」につきましては,事故により発電できなくなった分を火力発電でまかなったことに伴う増分費用など総額418億円の損害賠償を求める訴訟を平成20年9月12日に提起しております。

 その後,3回の口頭弁論期日が開かれ,両社で主張のやり取りをしておりますが,現時点では,明確な見通しを申し上げることはできません。当社といたしましては,裁判所に当社の主張が認められるよう,全力を尽くす所存でございます。

■芦浜地点

(1) 芦浜原発計画は地元の強い反対により当社は2000年に断念した。
 しかし、地元では芦浜が当社の所有となっていることに油断ができないとの声が多数ある。
 地元の不安を払拭するためにも、芦浜を売却すべきである。2008年の株主総会では「芦浜原発予定地は現時点で売却する考えはない」との回答であったが、いつ売却されるのか?

(2)芦浜は具体的な活用方法の無いまま9年間も経過した。いつまでこの状態を続けるのか?

(3)9年間このような状態を続けていることは、資産を活用しない当社の損失である。
  これを打破すべく芦浜を環境学習の場として活用するか、地元に売却してはどうか?

(4)2008年の株主総会で芦浜にはアカウミガメやハマナツメ以外にも保護上重要な野生生物が確認されていることを認識しているとの回答があったが、当社が認識している芦浜における保護上重要な野生生物とは何と何か?

(5)「芦浜の生態系などの自然環境保全については,専門家のご意見をお聞きする」と昨年の株主総会の回答があったが、昆虫類、鳥類、魚類についての意見は聞いているのか?

 「芦浜の土地」についてでございますが,現時点では,土地の売却は考えておりません。

 芦浜の土地は,計画地の大半を取得し,一団の土地となっているため,具体的な活用方法については,土地の特性や収益性などの観点から引き続き検討してまいります。

 また,芦浜にアカウミガメやハマナツメといった稀少動植物が生息・生育していることは承知しております。

 芦浜の生態系などの自然環境保全については,専門家のご意見をお聞きするなど,十分に配慮しており,定期的な巡視,山林の間伐,つる切り,下草刈りなど,山林の管理を適切に行っております。

■耐震安全性問題

(1)当社は、この地域で安政東海地震より大きな地震は起こりえないと考えているようであるが、その根拠はなにか。

(2)2006年に決定された原子力安全委員会の新耐震指針では、想定を超える地震動により深刻な被害が発生する可能性(いわゆる「残余のリスク」)が存在することが確認されている。当社は、この「残余のリスク」にたいしていかなる対応を行うのか。

(3)「残余のリスク」が存在するということは、当社が(とりわけ原発立地現地において)長年にわたって行ってきた「原発は絶対安全である」という言明と矛盾するのではないか。

(4)「残余のリスク」が現実化して大規模な放射線災害が発生した場合、当社が、原子力損害賠償法第3条による免責の申し立てを行う可能性はあるのか。

 「安政東海地震を上回る地震の可能性および残余のリスクヘの対応」についてでございますが,浜岡原子力発電所のある駿河湾から四国にかけての南海トラフ沿いの地域では,100年から150年の周期で繰り返し地震が発生しており,これらの地震による被害の記録が数多く残されていることから,地震の発生状況がよく知られております。

 これらの記録によれば,「1854年の安政東海地震」が,この地域に過去最大の影響を与えたと考えられます。

 浜岡原子力発電所では,想定東海地震はもとより,それを上回る安政東海地震に対し余裕をみた地震動を用いて,耐震安全性を確保していることを確認しております。

 さらに,耐震設計審査指針の改訂の審議を契機に,耐震上の余裕をさらに向上させる「耐震裕度向上工事」を実施することとし,3〜5号機については平成20年3月に工事を完了しております。

 また,柏崎刈羽原子力発電所の事例を踏まえ,地震後の早期復旧を可能とするための工事も実施しております。

 「残余のリスク」は,将来的に確率論的安全評価を安全規制に導入するための検討に資する情報として,事業者は,定量的な評価を行い,原子力安全・保安院へ報告することとされております。

 当社は,日本原子力学会において策定された確率論的安全評価の手法を用いて「残余のリスク」の評価を実施しているところであり,結果がまとまり次第,原子力安全・保安院に報告する予定であります。

(5)中越沖地震により7機全機に被害を被った柏崎刈羽原発について、東京電力では安全上重要な設備に重大な損傷は確認されていないとして、再稼動の方針のもと、この2年間復旧工事を進めている。そのための費用として、点検補修費、土木・建物復旧費、地質調査費などに総額約2500億円相当を災害特別損失等として計上した。このほかに代替火力の燃料費等が1兆円を超え、純粋な損金であり、集中立地によるダメージの大きさを象徴している。
 浜岡原発では、中越沖地震よりはるかに大規模な地震動が想定されており、たとえ軽微な被害で復旧可能であったとしても、柏崎刈羽原発の程度を超える被害が想定される。復旧に要する期間と費用を想定したとき、我が社の経営基盤は果たして耐え得るのか、株主として最大の危惧に明確に回答されたい。

(6)他社の例とはいえこのような被害を現実に経験した今、改めてその設計思想を問う。

 「原子力損害の賠償に関する法律第3条」につきましては,「異常に巨大な天災地変」に該当するかどうかは,地震発生後に政府が判断するものでありますが,浜岡原子力発電所は,想定されるいかなる地震力に対しても,これが大きな事故の誘因とならないよう,十分な耐震安全性を確保しており,地震が原因で原子力災害が発生し,みなさまに損害を与えるようなことはないと考えております。

 「浜岡原子力発電所の施設にかかる保険」についてでございますが,浜岡原子力発電所は,想定されるいかなる地震力に対しても,十分な耐震安全性を確保しております。また,各施設の耐震性には余裕があることから,施設の被害は最小限度にとどまるものと考えており,地震による施設の被害を填補する保険は必要ないと考えております。

(7)今年4月に着手したとする「使用済燃料乾式貯蔵施設に係る地質調査」において、その岩盤試験を試掘坑内にて、岩石試験を調査請負会社の試験室に試料を持ち込んで試験を実施するとしているが、試験の透明性を確保するために第3者の立会いを求めるべきではないか。過去に偽装があったなどの内部告発が複数指摘されていることに鑑みれば、当然の自衛策だと思うがどうか。
 昨年から進行中の地下構造特性の調査についても、同様の対策を求める。

(8)中越沖地震を踏まえた浜岡原発における地下構造特性の調査に関し、それぞれその進展状況を明らかにされたい。微動アレイ観測、微小地震観測、陸域・海域弾性波探査、ボーリング調査はいずれも当初公表の予定ではすでに終了し、取りまとめに入っているものとみるがどうか。

(9)これまでの取りまとめにより、既往の調査結果とは異なる特筆すべき結果は得られていないか。

 「浜岡原子力発電所における地下構造特性調査」につきましては,微動アレイ観測,微小地震観測,弾性波探査,ボーリング調査という複数の調査を実施しており,結果がまとまり次第,国へ報告する予定としております。その結果については,国のバックチェック審査の中で専門家により厳正に確認されることになります。

 使用済燃料乾式貯蔵施設にかかる地質調査については,準拠すべき公的な基準などにしたがい,適正に実施しており,その結果については,国の安全審査の中で専門家により厳正に確認されることになります。

■浜岡原発1、2号機廃炉・解体

(1)今回のリプレース計画の発表が、地元で大きな不信感を招いた原因は、当社が1、2号機の廃炉の可能性をおくびにも出さず、1、2号機は壮年期だと強弁し、シュラウド交換などの工事計画をあたかも決定された計画であるかのように説明してものを突然翻したからである。昨年の株主総会でも浅野副社長は、“予定通り23年3月までにはシュラウドの取替え、耐震裕度向上工事を実施して運転再開する計画だ”と回答していた。廃炉の検討を始めたのは夏頃と報道されているが、その時少なくとも地元には、耐震裕度向上工事のコスト見積もりをして、コストが嵩む場合には廃炉にする可能性もあることを話しておくべきではなかったのか。なぜ、最後の最後まで地元をあざむくような説明をしていたのか。

(2)当社は廃炉の理由について、耐震裕度向上工事に巨額の費用がかかるため、と説明しているが、そもそもこの工事は必要不可欠なものではなく、自主的な取り組みであったはずである。当社はこれまで、耐震安全性は今でも十分確保しており、余裕の部分を上乗せするだけだとしていた。
工事を行わずとも、浜岡での地震動の最大だと主張する395ガルに1.5倍以上余裕があるのであれば、裕度としては十分で、それ以上の裕度向上は必要ないのではないか。

(3)どうしても必要というわけではない工事費用に約3000億円を見積もり1、2号炉を廃炉にしたことは、まだ使える会社の資産を無駄に捨てたということではないのか。
 株主としては、3000億円が必要不可欠なコストであったなら廃炉も納得できるが、まだ使える施設を、1550億円の特別損失、780億円の赤字を出してまで廃止したことには納得できない。耐震工事費用は必要不可欠だったのか、そうでないのに廃炉にしたのか、どちらであるか明確に回答されたい。

(4)廃炉により発生する解体廃棄物が、浜岡原発敷地内に埋設処分される可能性はあるか。

Q2.浜岡原発1・2号の廃炉に関しては、地元はおおむね歓迎した。中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災もまだ生々しく、過去には地元自治体・議会から1・2号閉鎖の要望書も少なからず上げられており、地元の安心のために判断されたものとして、安全なる廃止措置への協力の意思も強い。
柏崎刈羽原発では2002年の不正問題を機に、批判派も加えた「地域の透明性を確保する住民の会」が設置され、東京電力は全面的に協力することとなっている。

 そこで少なくとも1・2号機の廃炉に関しては、早急に批判的住民をも加えた住民組織の設置に協力し、地元との意思疎通のためこれを受け入れることを求める。

 「浜岡原子力発電所リプレース計画等」についてでございますが,東海地震が想定されている地域で発電所を運営している当社といたしましては,地元のみなさまにご安心いただくため,耐震裕度を向上させていくことが重要であると考えております。

 1・2号機については,この耐震裕度を高める方法を検討するなど,運転再開に向け最善を尽くして検討してまいりましたところ,免震構造化工事が必要であることがわかりました。

 このため,免震構造化工事を前提として,経済性,安定供給・地球環境保全などの観点から総合的に検討した結果,1・2号機の運転を終了し,そのリプレースとして,送電線路などの既存のインフラや設備を共有できる浜岡に,6号機の建設を決定したものであります。

 このリプレース計画等については,決定とともに,地元の関係箇所にご説明し,ご理解とご協力をお願いいたしました。

 また,1・2号機の廃止措置計画については,国への認可申請に先立ち,廃止措置を安全かつ確実にするための重要事項を「廃止措置の基本的な考え方」として取りまとめ,地域の市議会や自治体などの方々にご説明するとともに,報道機関への情報発信や新聞折り込みチラシなどを通じて地元のみなさまへお知らせしております。

 計画を進めるにあたっては,地元をはじめとした関係者のみなさまのご理解とご協力を賜ることが不可欠であると考えており,今後とも十分なご説明を実施してまいります。

 原子力発電は,安定供給と地球環境保全の観点から特に優れており,電源構成に占める原子力発電の割合が他の電力会社に比べて低い当社といたしましては,原子力発電への積極的な取り組みを進めていくことが不可欠であります。

 したがいまして,原子力発電を推進するという基本的な考え方に揺らぎはなく,今後も原子力のさらなる自社開発に向けて全力を傾注してまいります。

■海外では過去に、密閉管理(独、加)や遮蔽隔離(仏)といった、解体によらない廃止措置方法の実例がある。

Q1.国内では、解体撤去が義務付けられているか。その法的な根拠、法令及び条文等を示されたい。

Q2.わが国では解体撤去・跡地利用は、跡地再利用の点から原則とされているに過ぎない。解体撤去以外の方法を禁止する法令等があれば、その法的な根拠、法令及び条文等を示されたい。

Q3.海外の密閉管理(独、加)や遮蔽隔離(仏)された原子炉は、現在どのようになっているか。

Q4.仮に浜岡原発で密閉管理や遮蔽隔離の方法を選択した場合、解体撤去に比べて廃止措置費用は軽減されるのではないか。

 「浜岡原子力発電所1・2号機の廃止措置」についてでございますが,わが国においては,運転を終了した原子力発電所は,最終的に解体撤去することを基本的な方針としており,この方針を受けて,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」第43条の3の2は,解体を前提とした規定とされております

 また,廃止措置に伴い発生する放射性固体廃棄物については,法令にもとづき,含まれる放射性物質の種類や放射能レベルなどによって区分し,安全性を確保して適切に処分する計画であります。

 具体的な計画については,今後,検討を進めてまいります。

 なお,解体撤去以外の方法による廃止措置は考えておりません。

 海外における原子炉の廃止措置については,ドイツでは,即時解体撤去を原則としておりますが,一部の原子炉では,密閉管理後に解体撤去する方式が採用されております。

 カナダでは,密閉管理方式が採用されておりましたが,30年間の密閉管理後,約10年間で施設を解体撤去する方式が検討されております。

 フランスでは,放射能レベルの高い炉心部のみを遮蔽隔離し,約50年間で放射能を減衰させ,最終的にすべてを解体撤去する方式が採用されておりましたが,遮蔽隔離期間を短縮して解体撤去を早める方針に変更されております。

■浜岡6号機新設

(1)当社経営陣は、原子力発電の割合が他社に比べて低いので、原子力発電所を増やす必要があるということをこれまで何度も言ってきた。1、2号機を廃炉にせず、6号機を増設すれば、発電出力約638万kWになるが、そのような選択肢はなかったのか。1、2号機の廃炉は喫緊でないなら、当然出てもおかしくないはずである。ないとすればなぜ無かったのか。

(2)三田社長は就任当時2007年1月の朝日新聞のインタビューでは、新規立地に向けた取り組みを強化する考えをのべ、年内に糸口を見つけたいとしていたが、結局6号機新設を優先したということか。

(3)浜岡原発のスクラムの設定値を水平動120ガル、鉛直動100ガルに下げたこともあり、一つのサイトに電源を集中すれば、巨大地震でなくとも全号機がいちどに止まるリスクが高まる。スクラム後も、設備の点検や復旧に時間がかかり、運転再開が容易ではないことは、過去の例からも明らかだ。また、こうした事態に備えるためには、常にバックアップ電源として遊休の発電所を確保しておかねばらない。このように一極集中の電源立地は、素人から見ても得策でないにもかかわらず、同じサイトに漫然と増設するのは、経営者としてリスク管理能力が問われるのではないか。

(4)昨年の株主総会で、「原子力発電所についても地震保険が適用できるよう保険会社を説得すべきではないか」という株主からの質問に対し、浅野副社長は原子力発電所の財産保険について、“想定されるいかなる地震力についても十分耐震性をもっているので特に地震に対しての保険は私どもの財産についてはしていない”と答弁している。
 柏崎刈羽原発では、東海地震の約60分の1以下の規模の地震で、現実に修繕費だけでも約2000億円もの特別損失を計上(08年3月期決算)する被害が出ているのであるが、浜岡ではこのような地震による被害を補修するためのコストは一切発生せず、無傷であるという意味での答弁か。もしそうであれば、その根拠を明らかにされたい。

(5)地震による設備等の被害をカバーする保険をつくるよう、保険会社に働きかける必要はないのか。

(6)浜岡6号機は、必ず起きる東海地震の震源域の真上に、わざわざ保険もかけられない新しい発電所を造るものだが、耐用年数が来る前に地震で使えなくなる設備が多数出る可能性はないのか。

(7)浜岡6号機は免震構造にするとのことだが、上下動に関しては、具体的にどのような対応を講じるのか。3〜5号機とは異なる工法を採用するのか。

■マグニチュード8クラスの大地震が想定されている震源の真上に建設済みの既設プラントに関して、その耐震安全性のバックチェックが審議中である。わが社の提出した報告書に対して2年半に亘って審議が続き、さらに地下構造特性などの追加調査の指示が下されその報告も果たしていない時点で、新たなプラントの増設計画を決定するとは、取締役会の見識が疑われる。

Q1.この決定は、原子力安全規制行政に対する不遜な挑戦ではないか。

Q2.現在原子力安全委員会の耐震安全性評価特別委員会委員長を務める入倉孝次郎愛知工業大客員教授は、
「立地として、非常にいい場所であると私は当然思いません」
「白紙の状態から考えるとすると、決していい場所とは考えておりません」
と、07年4月13日浜岡原発差止訴訟証人尋問にて証言している。訴訟当事者である役員は、全員がこの証言を知っているはずである。6号機増設決定にあたって、入倉教授には相談したのか。

Q3.そのほか地震学者に相談したのか。賛同してくれた地震学者の名前をすべて挙げられたい。

Q4.さらに原子力安全・保安院の耐震構造設計小委員会の構造WG主査を務める西川孝夫首都大学東京名誉教授は、昨年12月21日に隣接菊川市議会が主催した講演会において、「毎年5ミリずつ沈む、地震で1m跳ね上がる、こういうところに発電所を造ることについてどう思うか」という会場からの質問に対し
「建築3〜60年の間に地殻変動は起こらないという前提でつくる」
「何人かの地震学者が否定すれば造れない」と回答している。
我が社は地震学者が反対しても建設計画を進めるのか。

Q1.使用済核燃料の乾式貯蔵施設及び6号機増設に関して、地元への事前了解申入れ無しに一方的に公表したが、地元同意は必要ないと考えているのか。

 「浜岡原子力発電所6号機の耐震安全性」についてでございますが,浜岡原子力発電所においては,敷地についての詳細な調査結果および「安政東海地震」を考慮した耐震設計を行うとともに,それに余裕をみた地震動を用いて,耐震安全性を確保していることを確認しております。これを含め,原子炉施設の自然的立地条件にかかる安全性が国の安全審査により確認されております。

 6号機の建設にあたっても,今後,同様に地質調査などを行い,その結果を踏まえた耐震設計を実施し,国の安全審査を受けてまいります。

 なお,6号機の建設に関しましては,これまで学識者に意見を求めたことはありません。

 6号機の耐震安全性については,想定される東海地震によっても,原子炉施設の安全性が損なわれないよう,十分な耐震安全性を確保してまいります。また,各施設は耐震設計上の余裕を持つことから,施設の被害は最小限度にとどまるものと考えております。

 なお,6号機の免震構造化工事は,現時点では考えておりません。国の新耐震指針にもとづく基準地震動Ssおよび当社が自主的に設定した目標地震動に対応した設計を行い,耐震安全性を確保してまいります。

■使用済み核燃料貯蔵施設

(1)1、2号機の使用済み核燃料は、それぞれ4号機5号機の燃料貯蔵プールに移動することになっている。両プールには比較的余裕もあり、六ヶ所再処理工場への搬出が普通にできれば、当面700tUもの乾式貯蔵施設は必要にない。急いで乾式貯蔵施設を建設する理由何か。六ヶ所再処理工場の稼働が計画どおりに進まないことを想定した備えなのか。

(2)当社は、過去の株主総会でも、六ヶ所再処理工場での処理能力を超える使用済み核燃料を貯蔵するための中間貯蔵施設をいずれは建設すると説明していた.今回の浜岡サイトの乾式貯蔵施設は、中間貯蔵施設と同等の位置づけなのか。それとも、中間貯蔵施設は別の場所に新たに建設するのか。

(3)浜岡サイトの乾式貯蔵施設は、将来、貯蔵容量を増強する可能性はあるか。

Q1.使用済核燃料の乾式貯蔵施設及び6号機増設に関して、地元への事前了解申入れ無しに一方的に公表したが、地元同意は必要ないと考えているのか。

Q2.乾式貯蔵施設に関しては、完成すれば使用済核燃料が長期に亘って保管されることを意味することから、地元の了解が欠かせないと思うが、確たる計画を示した上での了解は得られているのか。

 「浜岡原子力発電所における使用済燃料乾式貯蔵施設の建設」についてでございますが,わが国においては,再処理能力を超えて発生する使用済燃料については,原子力発電所を所有する事業者が適切に貯蔵・管理することとされており,当社においても,浜岡原子力発電所における使用済燃料乾式貯蔵施設について検討を進めてまいりました。

 1・2号機の運転終了に伴い,両号機の燃料プールから使用済燃料を搬出することを踏まえ,新たに発電所敷地内に現在の発電所施設の一部として,全号機共用の使用済燃料乾式貯蔵施設を,平成28年度の使用開始を目標に建設することを計画いたしました。

 なお,発電所敷地内で建設可能な施設規模として,貯蔵容量は約700トン・ウランといたしました。

 今回建設を計画した施設については,中間貯蔵施設と同様の役割を果たすものであり,現時点では,別の場所に中間貯蔵施設を建設する計画はなく,貯蔵容量の増強についても考えておりません

■浜岡4号機プルサーマル

(1)浜岡4号機のMOX燃料装荷体数は、第12回定期検査で28体とされているが、第13回定期検査以降の装荷体数について、現在計画されているスケジュールを明らかにされたい。

 「プルサーマル計画」についてでございますが,エネルギー資源の乏しいわが国においては,将来にわたり電力の安定供給を確保するため,限りある資源を有効に利用することが必要不可欠であります。

 ウラン資源についても,世界的に見て,数多くの新規原子力発電所の建設が予定されていることなどから,ウランの需給が逼迫する可能性があり,また長期的には資源枯渇の懸念もあります。

 軽水炉による原子燃料サイクルにより,1〜2割程度のウラン資源節約効果があり,さらに将来,高速増殖炉による原子燃料サイクルに移行することにより,国内に半永久的な原子燃料資源が確保できます。

 原子燃料サイクルに関する技術は一朝一夕にできるものではなく,長期間を要するものであることから,当面,プルサーマルによる資源の有効利用を図るとともに,高速増殖炉による本格的な資源のリサイクル時代に備え,現時点から,国内で原子燃料サイクルを着実に進めていく必要があると考えております。

 当社におきましては,プルサーマル計画について,平成22年度からの浜岡原子力発電所4号機での実施に向け,着実に準備を進めております。

 4号機では,第13回定期検査で60体のMOX燃料の装荷を予定しております。

 これ以降のMOX燃料の装荷については,MOX燃料加工工場や輸送関係箇所との調整結果を踏まえ,順次確定していく予定であります。

Q1.昨年3月31日、プルサーマル計画の地元同意にあたって、静岡県知事より5項目の要請事項が付された。そのひとつに、「地元地域との信頼関係を強化するため、地域に情報を発信し、地域から意見をくみ上げるための常設の窓口や情報交換の場を設けること」とある。
 この要請に対して、具体的に応えたのか。どのような場を設けたのか。まだであるならば、どのような予定であるか。

■使用済MOX燃料について

(1)浜岡4号機から出ると予想される燃焼度33000MWd/t(集合体平均)の使用済みMOX燃料に残存するプルトニウムの組成比を明らかにしてください。(当社で排出するものなので当然計算しているはずです。)

(2)そのうち、核分裂性プルトニウムの割合は何%ですか。

(3)そのプルトニウムを当社は再度プルサーマルで使用しますか。

(4)浜岡4号機のプルサーマルで使用したMOX燃料を再処理したあとに回収されるプルトニウムは、何に使うのですか。

(5)6月16日、衆議院・参議院議員21名より、『使用済みMOX燃料の処理の方策が具体的に明らかになるまでは、MOX燃料の原発炉内への装荷を延期するべき』とする意見書が経済産業大臣に提出されたという。(添付参照)

 わが国では「原子力開発利用は平和目的に限ること」とした原子力平和利用3原則に基づき、再処理の委託先を確定し政府の確認を得た核燃料でなければ原子炉内に装荷できないことが、原子炉等規制法第23条第2項8号(「使用済燃料の処分の方法」の記載義務)に規定されていた。

 ところが現在、使用済MOX燃料については再処理の委託先は確定(存在)していない。

 そのため1999年プルサーマルの開始にあたり、『搬出前までに政府の確認を受け』ればよいとする例外規定が設けられたのであるが、このことは再処理されない使用済核燃料の存在を認めることであり、国会議員による意見書が指摘するとおり、原子力平和利用を担保する原子炉等規制法第23条第2項に違反すること(違法な燃料の存在)になるのではないか。我が社の見解を問う。

(6)現在予定されている乾式貯蔵施設に使用済MOX燃料が保管されることはないか。

■第二再処理工場について

(1)使用済MOX燃料は、第二再処理工場へ搬出する予定であると地元で説明されていますが、第二再処理工場の建設は、現時点でどのくらいの可能性がありますか。

(2)第二再処理工場の事業主体が民間となった場合、当社は日本原燃に対するのと同等かそれ以上の債務保証を行う覚悟はあるのですか。

(3)第二再処理工場が操業できなかった場合、使用済MOX燃料はサイト内に期限無しで保管されるのですか。

(4)使用済MOX燃料は、当面燃料プールで保管するとのことですが、プールで貯蔵できる期間は最長で何年と考えていますか。(搬出先がなかなか決まらない場合、4号機が廃炉になった後も貯蔵される可能性はあるか。)

(5)使用済みMOX燃料を将来搬出する場合、現在のウラン燃料の使用済み燃料の輸送容器と同等の規格の輸送容器で輸送することは可能ですか。

(6)取り出し後何年で輸送が可能ですか。その場合の輸送容器表面線量は、同じ年数のウラン燃料の使用済み核燃料の何倍になりますか。

(7)プルサーマルの使用済MOXは、乾式貯蔵が可能になるまで、どのくらいの期間プールでの水冷、遮蔽が必要ですか。

 使用済MOX燃料中のプルトニウムの組成比については,設計上想定している標準的な組成のMOX燃料を燃焼度33,000MWd/t(メガワットディ・パー・トン)まで燃焼させた場合で試算すると,プルトニウム238は2%,同239は37%,同240は36%,同241は15%,同242は9%であります。

 このうち,核分裂性プルトニウムである同239および同241の割合は,約52%であります。

 なお,プルサーマル計画の同意の際の静岡県知事からのご要請を踏まえ,地域対応を総括的に行う部署である「浜岡地域事務所」が,「地域のみなさまの親近感・信頼感の醸成」を目指し,原子力館を拠点とした各種イベントを開催するとともに,発電所の状況やトピックス,プルサーマル計画や地震対策,さらには原子力発電の必要性などについて,より理解を深めていただけるよう,「タイムリーな情報発信」と「双方向コミュニケーションの積極的な実施」を柱とした広報・広聴活動に努めていくこととしております。

 「使用済MOX燃料の取扱い」についてでございますが,国の原子力政策大綱では,「プルサーマルに伴い発生する使用済MOX燃料等は,六ヶ所再処理工場に続く第二再処理工場で処理し,その処理方策等について平成22年頃から検討を開始し,その処理のための施設の操業が六ヶ所再処理工場の操業終了に十分に間に合う時期までに結論を得る」こととされております。

 当社では,この処理方策が決定されるまでの間,使用済MOX燃料を発電所内で貯蔵・管理することとしております。
 なお,使用済燃料乾式貯蔵施設に貯蔵できる燃料は熱的な制限があり,MOX燃料を含め使用済燃料がこの条件を満たすためには十数年を要しますので,燃料プールですでに冷却された使用済燃料を優先的に同施設へ貯蔵することを考えております。

 輸送する使用済燃料については,輸送容器の仕様および性能に応じて,放射能量,冷却期間などの条件を設定しております。

 使用済MOX燃料の輸送容器については,基本的には,使用済ウラン燃料と同等の規格で輸送できると想定しておりますが,詳細については,今後,検討・確認してまいります。

 なお,第二再処理工場に関する検討は平成22年頃から開始されることとなっているため,事業主体への債務保証については,現時点ではご説明はいたしかねます。

■使用済MOX燃料の資産価値

(1)炉内から取り出した使用済MOX燃料の資産価値はどのように計算されるのですか。

(2)ウランの使用済核燃料に比べて、どのくらいの違いがありますか。比率で回答してください。

(3)固定資産税率はどのようになるのですか。

 「使用済MOX燃料の資産価値」につきましては,使用済ウラン燃料と同様に,資産価値は残らないこととなります。
 なお,使用済MOX燃料を含め,核燃料に固定資産税は課されません。

■回収ウラン

(1)回収ウランを再濃縮した後のウランの組成について;
 英仏で再処理した使用済み核燃料から分離した回収ウランをU235濃縮度4.4%(3号機に装荷したものと同等)まで再濃縮したときの組成比について明らかにしてください。
 (2005(H17)年の株主総会では、回収ウラン再濃縮後の組成はU234約0.05%,U235約3.1%,U236が約0.6%,U238約96.2%と答えていますが、燃焼度と濃縮度を現実の条件に合わせて回答してください。)

(回答なし)

■ロシアとのウラン濃縮委託契約

(1)ロシアのテクスナブエクスポルト社(TENEX)との契約について、濃縮する天然ウランの原産国はどこか。

(1') (1)に関連し、報道によると我が社はテフスナブエクスポルト社と2022年まで低濃縮ウランを長期供給する契約を結んだとされる。同契約の履行の前提となる日露原子力協定と米露原子力協定が発効せず、同契約を破棄することになった場合、どのような罰則規定があるのか。違約金は生じるのか。

(2)TENEX社で濃縮されたウランの再転換、加工先はどこか。ロシア国内で加工まで行うのか、米国に輸出し加工して輸入するのか。

(2') (2)に関連し、欧州に輸出し再転換・加工するのか。その場合、国名・会社名を明らかにされたい。

(3)TENEX社は、ロシアの解体核兵器の高濃縮ウランを希釈・加工して米国USEC社に売却し、第三国に輸出しているが、当社の確保した天然ウランが、そうした目的に利用されたり、当社で使う燃料に解体核兵器からのウランが混入する可能性はないのか。

(4)IAEAの査察を受けない施設で(再)濃縮されることについての、当社の見解と今後の取り組みについて明らかにされたい。

(4') (4)に関連し、査察を受けない施設とは、軍事利用されている施設との理解でよいのか。

(5)英国の再処理工場で回収されたウランをロシアで再濃縮するため、5月に交渉に入ったとの報道があるが、この契約の締結は完了しているのか。原子力協定の批准・発効後になるのか。

(6)ロシアで再濃縮された回収ウランは、すべて日本の原発の燃料用に加工されるのか、それとも第三国へ輸出されるものもあるのか。

(7)再濃縮後の劣化ウラン(減損ウラン)についての所有権は保持しつづけるのか。それとも譲渡するのか。譲渡する場合は、有償か無償か。

(8)ロシアで再濃縮する回収ウランの再転換の委託先は国内か海外か。また燃料加工については国内か海外か。

(9)4月下旬の市民との話し合いの場では、回収ウランを再濃縮して加工した燃料は、通常の天然ウランを濃縮して加工した燃料より価格が高くなると聞いたが、コストを上げる主な原因は何か。

(10)回収ウランをロシアで再濃縮し、加工した場合のコストは、原子力研究開発機構の人形峠のプラントで再濃縮し、国内で加工した時のコストと比較して、高くなるのか低くなるのか。

 また、その主な理由を明らかにされたい。(商業秘密である具体的金額を質問しているわけではないので、分かりやすい回答を求む。(例えば研究施設でコスト度外視だった、人件費が高い、輸送コストがかかるなど)

(11)原子力機構の人形峠プラントで再濃縮した回収ウランの再転換の委託先について、他社(BWR炉を持つ事業者)では、電話での問い合わせに対し、三菱原子燃料という会社名を答えたにもかかわらず、当社では、今年3月末に提出した市民団体からの質問にも、公表できないとして回答を拒んだ。日本には三菱原子燃料しかないのであるから、国内で再転換をしたと回答すれば済むことも答えないのは問題である。当社は市民に極力情報を出さない方針だと思われてもしかたがないのではないか。

(12)4月下旬の市民との話し合いの場で、回収ウランを再濃縮した後の減損ウランは廃棄物ではなく資源だと説明していたが、当社はこれを燃料として使用できる施設を将来建設する用意があるのか。それとも減損ウランは他社へ売却するのか。

 「テネックス社とのウラン濃縮にかかる契約」についてでございますが,濃縮する天然ウランの原産国については,契約上特定されておりません。

 また,日露原子力協定と米露原子力協定の発効の有無により,この契約が影響を受けることはございません。

 テネックス社が濃縮したウランの再転換・成型加工については,国内メーカーに委託することを中心に今後検討してまいります。

 当社がテネックス社に供給する天然ウランについては,平和的に利用される旨,また,同社が供給する濃縮ウランについては,解体核兵器からのウランを使用しない旨の確認を同社から得ております。

 「回収ウラン」についてでございますが,資源小国であるわが国においては,エネルギーの安定性を図るため,回収ウランを有効活用していくことを基本釣考え方としております。

 ウラン濃縮加工にあたっては,国際間で定められた正規の手続を遵守したうえで,引き取りを実施してまいります。

 回収ウランを再濃縮して加工した燃料の価格については,天然ウラン利用の場合と比較して,遜色ないものと考えております。

 再濃縮後の劣化ウランについては,既存の契約では,劣化ウランの平和利用を確認したうえで無償譲渡しております。

 なお,イギリスとフランスで再処理した使用済燃料から分離した回収ウランを濃縮した実績はありません。

 原子力研究開発機構の人形峠プラントで再濃縮した回収ウランの再転換の委託先については,当該委託先からの申出により,回答を差し控えさせていただいたものであります。

 「回収ウランのロシアの施設での転換・濃縮」につきましては,選択肢の一つとして,コストも含め協議中でございます。
 契約を締結する場合は,日露原子力協定の発効要件が整った後に実施することとしております。

 再処理により回収されたウランについては,当社の原子力発電所の燃料用に加工いたします。

 海外での再処理により回収されたウランの再転換・成型加工については,国内メーカーに委託することを中心に今後検討してまいります。

■特定放射性廃棄物(高レベル放射性廃棄物、TRU廃棄物)

以下の各項目について明らかにされたい。

1.2008年1月1日〜12月31日にかかる昨年度の特定放射性廃棄物処分費用:

(1)浜岡3〜5号機の2008年の総発熱量(発電量ではなく、熱出力。拠出金額の見積もりに使用する桁数まで)

(2)それに相当する第一種特定放射性廃棄物であるガラス固化体の本数

(3)代替取得で当社が手当てすべきガラス固化体の総数

(4)昨年度に手当した代替取得によるガラス固化体本数

(5)過去分(1999年以前に発生した分)も含めた昨年度の第一種特定放射性廃棄物処分のための拠出総額。

(6)第二種特定放射性廃棄物であるTRU廃棄物にかかる昨年度の当社の拠出金額及び相当する廃棄物の量(m3)

2.一般標準家庭の年間電力消費量とその電気料金。その内の特定放射性廃棄物処分費用分は第一種、第二種それぞれいくらか。(昨年度の例で)

3.NUMOへの出向者数:
  過去5年間の年度毎の人数と当社在職時の担当部署、NUMOでの担当部署

4.瑞浪超深地層研究所見学案内状況
  過去5年間の年度毎の案内人数と募集方法(具体的に)

5.英国からの高レベル放射性廃棄物の返還時期について

(1)何度も延期されているが、現在の予定はどうなっているのか。

(2)遅れている理由を明らかにされたい。

 「特定放射性廃棄物の処分」についてでございますが,浜岡3〜5号機の平成20年の総発熱量は738億9,343万4千kWであり,それに相当する第一種特定放射性廃棄物であるガラス固化体の本数は,法令にもとづき換算すると85.8本に相当いたします。

 代替取得分のガラス固化体の本数については,今後返還時に確定することになります。

 過去分も含めた第一種特定放射性廃棄物の処分にかかる平成20年度の拠出金については,約62億円であります。

 なお,平成20年度において返還された第二種特定放射性廃棄物はなく,これにかかる拠出金はありません。

 当社における標準的な一般家庭モデルの電気の使用量は,1か月あたり300kWhであり,電気料金は,平成21年6月分の水準で6,860円であります。

 このうち,第一種特定放射性廃棄物の処分費用は,平成20年度実績で計算すると,販売電力量1kWhあたりで約5銭となり,標準家庭モデルの電気料金に含まれる当該費用は,1か月あたりで約15円,年間では約180円に相当いたします。

 NUMOへの出向者については,当社の原子力部門,土木建築部門,広報部門などから毎年度7名が出向しており,NUMOでは,技術部門や立地広報部門などに在籍しております。

 瑞浪超裸地層研究所への見学会については,希望者を対象に実施しております。過去5年の案内人数は,平成16年度および17年度はありませんでしたが,平成18年度は18名,平成19年度は180名,平成20年度は188名であります

 イギリスからの高レベル放射性廃棄物の返還については,イギリスのセラフイールドにあるガラス固化を搬出する施設の準備状況などを踏まえてプ輸送時期を調整したものと聞いております。

 平成21年度下期からの返還を予定しており,平成21年度分には当社分は含まれておりません。

■気体廃棄物処理系での水素濃度上昇

(1)原子力安全委員会では、水素濃度を低減させるための再結合器で、水素濃度が高くなればなるほど触媒性能が落ちるという技術的欠陥が指摘されている。この欠陥を克服できる抜本的な対策について何らかのめどはついているのか。

(2)今回の原因調査で得られた知見として、製造工程で再加熱処理の温度を改善することにより、ベーマイト量を低減できることが分かった。従って、白金触媒以外方法で水素濃度の上昇を抑える方法が開発できていないのであれば、再発防止対策としては、旧工程で製造された3、4号機の触媒も含め、今回の定期検査の期間中にすべて改善型の触媒に取り替えるのが安全上必要だと考えるがいかがか。

(3)触媒性能の低下の原因の一つとしてシロキサンの影響が示唆されているが、4号機において、この発生源が何であるかは把握できているのか。

(4)浜岡1号機で起きた水素爆発事故の再発防止対策では、蒸気流量のあるプロセス配管は水素の蓄積がないとして対策の対象からはずされている。しかし、今回起きた水素濃度の上昇と爆発は、蒸気の流れがある箇所で起きた。開放系ということで爆轟には至らなかったとしているが、水素濃度は爆轟限界も超えており、瞬間的な圧力上昇と急激な気体の凝縮による圧力低下が起こり「ドン」という異音を聞いた社員もいることから、水素爆発があったと考えられる。
 また、着火源についても、鉄酸化物や錆による金属摩擦の可能性があがっているが、5号機では、H/U塔(D)の上流でも水素燃焼が発生した可能性や、露天温度検出器では、2度目の停止後に調査した時にも水素の燃焼跡が観察されている。このことから、水素濃度が爆発限界にあれば、水素爆発(燃焼)は容易に起きうると考えられる。 浜岡1号機の配管破断事故をふまえてとられた再発防止対策に見直すべき部分はないのか。

 「浜岡原子力発電所4・5号機の気体廃棄物処理系における水素濃度の上昇」についてでございますが,長期間の運転停止となり,ご心配をおかけいたしましたが,一昨日,原因と対策について国に報告をいたしました。

 調査の結果,水素濃度が上昇した原因は,排ガス再結合器の触媒製造工程の変更により,触媒を保持するアルミナの一部が変化して,触媒の性能が低下したこと,およびタービンの組立て時などに用いる液状パッキンから揮発した物質により,触媒が劣化したことであると判明いたしました。

 この調査結果を踏まえ,5号機については,製造工程を改善した触媒に取り替えるとともに,液状パッキンの除去を終え,現在,原子炉の起動準備を行っているところであります。

 4号機についても,今後同様の復旧作業を行い,準備が整い次第,原子炉を起動する予定としております。

 なお,水素濃度上昇時に,排ガス再結合器の下流において水素燃焼が発生し,希ガスホールドアップ塔下部の微粉状の活性炭に延焼したことがあったと推定しておりますが,露点温度計のフィルタ以外に機器の損傷はなく,大きな圧力変動を伴う「爆轟」はなかったことを調査により確認しております。