●電力需給・経営政策・自然エネルギー
1. 将来の電源としては、地域に密着した小規模分散型電源が自然エネルギーや各種廃熱の利用、コジェネ、災害への抵抗力、高圧送電の電磁波障害の解消、送電ロスの軽減、地元合意の容易さ、分権社会との調和などの点で優れている。当社としてもこれまでの大規模・遠距離電源に極度に依存した電源構造を早急に改善していくべきであると思うが、どうか。
2. 当社の当期の主要電源別の発電コストを聞きたい。なお、水力は一般水力と揚水に分けて示していただきたい。
3. 当社は2001年から2011年の間に石炭火力発電を410万KW増強する計画である。二酸化炭素をほとんど排出しないという理由で原発を推進しながら、主要電源のなかでは二酸化炭素をもっとも多量に排出する石炭火力をこのように大増強することは不条理ではないか。
4. 日本政府は2010年前後までに1990年比で6%の温暖化効果ガスの排出削減を国際公約している。このうち、電気事業については増減なしとされている。ところが、当社の2006年度の二酸化炭素総排出量は1990年度に比べて40%増加している。2007年度はどうであったか。
5. 当社の07年度の二酸化炭素排出実績を、政府目標との関連でどう評価しているか。
6. 当社は、新エネルギー利用特別措置法による新エネルギー利用義務量を達成するためにいかなる取り組みを行っているか。またこの義務量達成についていかなる見通しを持っているか。
●エコキュート
1. エコキュートは、深夜に沸かした湯を翌日1日かけて使うのだが、その際の熱損失(貯め置いているあいだに冷めてしまう分)を使用実態にもとづいて実測したことはあるか。あるとすれば、その値(最高、最低、平均)は、いかほどか。
2. エコキュートは、住宅街で深夜に運転されるから、騒音と低周波音にたいして特段の対策が必要である。ところで騒音対策と低周波音対策はトレードオフの関係になりがちだが、当社はエコキュートの騒音および低周波音の対策にそれぞれいかに取り組んでいるのか。
3. 当社は、エコキュートの低周波音による健康被害の訴えが存在することを承知しているか。
●中国古陶磁問題
1. 太田宏次前会長との訴訟和解について、この和解は、事実上、損害賠償と退職慰労金を相殺したものと理解されるが、退職慰労金の支給は株主総会決定事項であるうえに、当社は2006年に取締役の退職慰労金制度を廃止しているのであるから、この相殺はそもそも成り立たないのではないか。
2. 太田宏次前会長が購入した中国古陶は、現在どのように活用されているのか。
●通信事業の総括
1. 当社は、子会社の中部テレコミュニケーション株式会社を売却しました。これは通信事業からの事実上の撤退と理解してよろしいですか。
2. また、当社のこれまでの通信事業の投資成果を明らかにしてください。今回の株式の売却で投資資金の一部は回収できましたが、過去の通信事業は黒字であったのか、赤字であったのか、またその金額と併せて明示してください。
3. さらに通信事業を統括する取締役はどなたですか。その方の責任はどうなりますか。
● 原子力の経済性について
1. 当社の浜岡原子力発電所の設備投資は、投資に見合う発電をしているのか。1号機から5号機まで1機ごとに以下の数字を示してください。
(1) 平成20年3月現在までの設備投資の総額
(2)平成20年3月現在までの発電電力量の総計
(3) 上記の2つの数字から、設備投資1億円あたりの発電電力量
●原子力発電の安定性
当社は、原子力発電が安定電源であるというが、ここ10年間で、浜岡原子力発電所のすべての発電機を停止したことがあるか。もしあれば、その期間を答えてください。
また、そのとき電気の供給に支障はあったか。
●浜岡原子力発電所の設備利用率について
ここ10年間の最高、最低、及び平均を答えてください。
●原子力の大地震に対する脆弱性
1. 東京電力柏崎刈羽原子力発電所は、平成19年7月16日に発生した新潟県中越沖地震の被災により1年以上の運転停止が必至である。原子力発電所はかくも大地震に弱いのか。
1年以上も復旧に要する原子力発電所は、電気の供給責任を義務づけられている電気事業者である当社には、不適当ではないか。
2. 当社は、浜岡原子力発電所が想定される最大規模の大地震の被害を受けたとき、どのくらいで完全に復旧できると予想しているか。1年以上かかるとすれば、原子力発電が安定電源とは言えないのではないか。
3. また、大地震の被害によって1年以上の運転停止が予想されるならば代替電源を確保すべきであるが、その用意はあるか。さらに代替電源が確保されているのならば浜岡原子力発電所はそもそも不要であり、過剰投資ではないか。
4. 当社の碧南石炭火力発電所が同様の大地震の被害を受けたとき、復旧の目途はどれくらいを予想しているか。
● 原子力発電の存在理由
1. 当社が原子力発電をしている理由は何ですか。
2. もし、当社が過去、原子力発電に一切、関与せず、一円たりとも金を使わずに、代わりに火力発電で供給していたと仮定すると、どれだけの経済的な損得がありましたか。
3. 原子力発電は二酸化炭素を排出しないから、地球温暖化阻止に寄与するとのふれこみであるが、将来、石炭火力で二酸化炭素の回収技術が十分経済的になった暁には、原子力発電の二酸化炭素を排出しないという優位性は消滅するのか。
4. 中部圏の繁栄を牽引してきた中部電力が、浜岡原子力発電所で大事故を起こし放射性物質をまき散らして、中部圏の繁栄に引導を渡す役回りを演ずる可能性もある。一般の製造業で同じ製品を作る場合、副産物として猛毒をため込む方法とそうでない方法があり、その両者に経済的な大差ないならば、猛毒を発生させる方法はあえて選択しない筈である。
当社の賢明なる取締役の方々にはこの常識に立ち返って頂けませんか。過去の実績から原子力発電の優位性が仮にあるとしてもそれは相対的に小さいものでしかありません。そうであるならば猛毒の放射性物質を大量に発生させる原子力発電は選択してはなりません。
かつて変圧器にPCBを使うことを中止した、電力会社の経営判断をもってすれば、原子力発電を中止することは当然至極です。PCBの後始末に難渋している現況を勘案すれば、原子力発電の猛毒の放射性廃棄物の後始末ができるとは到底考えられない。
● 石炭の備蓄
碧南石炭火力発電所の石炭の備蓄量は、通常の消費量の何ヶ月分か。昨今の豪州の豪雨、積出港の運搬船の混雑等、石炭の調達が厳しくなっているが、備蓄量を増やす計画はあるか。
● 浜岡原発の耐震安全性問題
1. 当社は、この地域で安政東海地震より大きな地震は起こりえないと考えているようであるが、
その根拠はなにか。
2. 一昨年5月に発表された原子力安全委員会の耐震指針検討分科会報告書では、想定を超える地震動により深刻な被害が発生する可能性(いわゆる「残余のリスク」)が存在することが確認されている。当社は、この「残余のリスク」にたいしていかなる対応を行うのか。
3. 「残余のリスク」が存在するということは、当社が(とりわけ原発立地現地において)長年にわたって行ってきた「原発は絶対安全である」という言明と矛盾するのではないか。
4. 「残余のリスク」が現実化して大規模な放射線災害が発生した場合、当社が、原子力損害賠償法第3条による免責の申し立てを行う可能性はあるのか。
5. 浜岡原発3号機と4号機について、新しい耐震設計審査指針に基づく評価報告書(以下、「バックチェック報告書」と言います。)が現在国の審査を受けています。報告書の提出以降、何回の審議が行われましたか。経済産業省原子力安全・保安院関係の委員会と、原子力安全委員会での委員会それぞれについて委員会の名称と回数お知らせください。
また、その進捗状況についてもご説明ください。
(株主の中にはインターネットを見られない人もいますので、ネットで調べよという回答はしないでください。)
6. 浜岡3号機、4号機のバックチェック報告書について、国の審査がまだ終わっていない段階であるにもかかわらず、現在、なぜ浜岡3号機、4号機が運転されているのですか。審査結果を待たなくてもいい理由は何ですか。国の安全審査は、あまり重要なものではないということですか。
7. 柏崎刈羽原発を直撃した中越沖地震は、M6.8でありながら、実際の観測値ですでに浜岡原発で想定されたS2や現在審査中のSsについても一部周期で超えています。S2やSsを超える地震動が、現実に柏崎刈羽で観測されたことについて、取締役社長は驚かれましたか、それとも驚きませんでしたか。(安全余裕がどうこうという話にすり替えないで単純にお答えください。想定外で驚いたか、想定内だった或いは数値には関心がないかという質問です。)
8. M6.8の中越沖地震によって柏崎刈羽原発で起きた、浜岡原発のSsをも超えるほどの大きな揺れは、M8クラスの地震に直撃される浜岡原発であっても、起こりえないと考えていますか。基準地震動Ssを一部でも超過する地震動に見舞われる確率を浜岡原発では何%程度と見ていますか。
9. 中越沖地震という現実を経験した今、基準地震動Ssを策定した当時は分からなかったことが明かになっています。浜岡原発のSsの地震動について再検討する必要があると考えますが、いかがですか。
10. 今回、柏崎刈羽原発で推定された解放基盤表面での最大加速度は1号機で1699ガルに達しています。現実に起きたM6.8の地震でこの値です。浜岡原発で想定される地震の震源断層からの距離は柏崎刈羽原発と大差なく、地震のエネルギーは60倍以上になります。耐震裕度向上工事で目標とされている地震動1040ガル程度の想定では不十分なのではないですか。1040ガルで十分であるとするならその根拠をご説明ください。
11. 柏崎刈羽原発を直撃した地震の揺れは、推定される震源断層から発する平均的な地震動より2倍〜4倍大きいわけですが、浜岡原発の場合についても、地震動が大きく増幅される条件は無いのですか。もし無いとしたら、そのことをどのように証明できますか。
あるとしたら、それをどのように評価しましたか。バックチェック報告書に評価の記述があるなら、その箇所を明らかにしてください。
12. 運転マニュアルについて:
当社には、強い地震を想定したマニュアルはあるのか。中越沖地震の時、東電は地震を想定したマニュアルはなくて、事故対応でおこなったとのことである。
また、中越沖地震を踏まえて、マニュアルや保安規定の見直しは行なわれたのか。
13. 中越沖地震では、柏崎刈羽原発3号機タービン建屋1階(ペデスタル)で最大2058ガルを観測するなど、タービン建屋の揺れは、原子炉建屋よりも格段に大きいことが確認されました。揺れの大きさが半分程度だった柏崎刈羽7号機でも、検査半ばで低圧タービンの折損が2か所見つかっています。
中越沖地震を凌ぐ大地震に浜岡原発が見舞われた場合、原子炉スクラム後、タービントリップして復水器の真空破壊をしても数十分はタービンの回転は止まりません。地震により破損した金属片の車室からの飛び出しについてどのような評価をしていますか。貫通を想定していますか。
14. 原発保険について:原発保険は、損害賠償保険も財産保険も地震免責である。原発の耐震安全性について、一般向けの安全宣伝よりも、まず保険会社に耐震安全性について理解してもらい、地震被害をカバーする保険を販売するよう保険会社を説得するべきではないか。
15. 5号機のタービンについて:日立製作所との損害賠償交渉の進捗状況はどうなっているのか。
● 六ヶ所再処理工場
1. 当社は日本原燃に対して出資し、再処理契約を結んでいるので、当然把握していなくてはならない事柄としてお尋ねします。
六ヶ所再処理工場の竣工時期の延期は、設置許可取得以降これまでに何回ありましたか。
2. 六ヶ所再処理工場は、5月までの予定では最終試験(アクティブ試験)の終了時期を5月とし、本格稼働を7月から開始するとされていましたが、すでに試験の終了時期は延期されています。延期になった原因は何であったのかご説明ください。
3. 新聞報道では、3月末からガラス固化に関する不具合が生じているそうですが、これはどのようなトラブルなのですか。
4. また、原子力研究開発機構のレポートでは、「核燃料サイクルの確立において、ガラス固化技術は枢要技術であ」るとされていますが、当社としても重要な技術であるという認識はありますか。
5. トラブルが根本的に解決されずにガラス固化作業が停滞し、高レベル放射性廃棄物の廃液タンクが容量一杯に達して、再処理コストの計算の前提である稼働率100%を維持できなくなる可能性はないのですか。
6. 最近報道された六ヶ所再処理工場直下の活断層及び大陸棚外縁断層に関して、当社はこの5月の学会発表後、日本原燃から耐震安全性についての説明を受けていますか。受けているとすれば、どのような説明でしたか。受けていないとすれば、何故説明を求めないのですか。
● プルサーマル
1. 英国で再処理して取り出したプルトニウムについて、加工を別会社のコジェマ社に委託する可能性はあるか。
2. 英仏で再処理され分離された回収ウランの加工先はどこか。英仏以外で加工する計画はあるか。
● 芦浜地点
1. 芦浜原発計画は地元の強い反対により当社は2000年に断念した。
しかし、地元では芦浜が当社の所有となっていることに不安を持っている。
芦浜を売却する意思はありますか?
2. 芦浜は具体的な活用方法の無いまま8年間経過したが、今後の活用策は何か?
3. 芦浜は環境省レットデータブックに絶滅危惧種として記載されているアカウミガメの産卵場所であることを認識していますか?
4. 芦浜は環境省レットデータブックに絶滅危惧種として記載されているハマナツメが多く確認されている場所であることを認識していますか?
5. 芦浜には他にも保護上重要な動植物が多数確認されていることを認識していますか?
6. 昨年の株主総会では芦浜における自然環境保全について株主からの事前質問の回答で、「専門家にご意見をお聞きするなど,生態系などの自然環境保全についても十分配慮しつつ,適切に管理を行っております」とあるが、アカウミガメやハマナツメ等の保護上重要な動植物等に対しての、具体的な保全の内容を示されたい。
7. 来年、生物多様性条約締結国会議(COP10)が、名古屋で開かれることから、この機会に会社として芦浜地点の貴重種を守るために、何らかの具体的取り組みを行うべきではないか。
● 浜岡原発の耐震性と柏崎刈羽原発の被災事故
昨年の総会の直後、東電柏崎刈羽原発が中越沖地震によって被災しました。当初から想定を大幅に超える地震動が推定されていましたが、今年5月になって設計基準地震動450ガルに対して1699ガルと、ほぼ4倍に達していたという解析結果を東電が明らかにしました。
問題はその要因です。地震発生様式は活断層による地震であったことから、当社の直面するプレート間地震とは異なるものの、震源断層破壊後の地震波の伝播については、大いに参考とすべきと考えます。
A.東電及び保安院がクロスチェックを委託した独立行政法人JNESの解析結果によれば、最大要因は深さ8キロに至る深部及び2キロ以浅の地盤において屈折収斂し、2〜4倍に増幅したものということです。
これらのことを、東電とJNESは、原発直下の地質・地層構造を解明する中から導き出しています。具体的に記せば、褶曲構造を呈しており、向斜軸に沿って選択的に増幅したもので、とくに向斜軸上に位置していた1号機が、とびぬけて強い地震動を受ける結果となったとのことです。
こうした発表を受けて、当社の公表している設置許可申請書及び耐震指針改訂に伴う3・4号機の再評価結果報告書に記された図版をもとに以下質問します。株主が正しく知るべき重要情報ですので、誠実に真実を回答ください。
1. 浜岡原発2号機と3号機のあいだには比木向斜軸が走り、同じように地震波が収斂する恐れがあるのではありませんか。
2. その直下の浅部褶曲構造は、深さ2キロ程度まで続くと見えますが、間違いありませんか。
3. この収斂効果による地震波の増幅効果はどの程度になりますか。3号機について試算し、総会当日回答ください。
4. さらに深部は、人工地震探査(昨年4月23日に保安院に報告)により5〜6キロ深さに至るまで緩やかに堆積層が重なり、かつ傾斜しています。違っていたら訂正してください。
5. この人工地震探査は、何時実施したものですか。
6. さらに深部の地質・地層構造について当社は把握していますか。
7. 今後こうした2次元もしくは3次元の地盤構造を調査する予定はありますか。
8. JNESでは、弾性波速度が大きく変わる層において増幅効果が大きいと推定しています。上述の人工地震による地下深部探査結果によれば、深さ2キロ周辺で約4割、その前後各1キロ深さにおいてもそれぞれ約2割と、横波速度は大きく減少しています。これらの層による地震波の増幅効果は、それぞれどの程度になりますか。試算して回答してください。
9. これらの堆積層の傾斜による増幅効果はどの程度と見積もれますか。
10. 設置許可申請書によれば、浜岡原発では解放基盤表面(深さ約20メートル)から原子炉建屋基礎板への入力に際して、およそ1割程度の減衰と解析されています。この関係は、地震動の大小によらずほぼ比例すると見ていいでしょうか。
11. 柏崎刈羽原発では、1〜4号機においてこの減衰効果が大きく、解放基盤表面でおよそ4倍の1700ガルまで増幅した1号機の場合には、原子炉建屋基礎板では約6割も減衰して結局680ガルであったとのことです。まさに不幸中
幸いでしたが、浜岡原発ではそれは期待できないということで間違いありませんか。
12. 以上をすべて総合したとき、サイトに到達する地震波は、最終的におよそどの程度の増幅と推定されますか。
B.当社経営陣は、解放基盤面において設計時600ガル、耐震再評価で自称800ガル、さらに耐震補強を行い1040ガルまでの地震動に対応できるとしてきました。
地震の規模はM6.8とM8以上で格段に異なりますが、仮に柏崎刈羽原発と同様の1700ガルの入力ですんだとしても、原子炉建屋基礎板には1500ガルを越える地震動が達することになります。
想定東海地震の規模に応じてさらに大きな地震動に襲われるのは確実です。
1. 更なる補強が可能といえますか。じっさいのところ、1040ガルは補強限度ではないですか。
2. 可能だというのであれば、何ガル・・・どの程度まで補強可能ですか。答えてください。
3. 柏崎刈羽原発を他山の石として、浜岡原発は想定東海地震に備え全機とも停止するのがもっとも賢明な経営判断と考えます。新知見を前に、株主に納得できる回答を、総会当日お願いします。