第83期(2007年) 定期株主総会 事前質問

<事前質問>

→会社側一括回答

 

●電力需給・経営政策・自然エネルギー

1. 将来の電源としては、地域に密着した小規模分散型電源が自然エネルギーや各種廃熱の利用、コジェネ、災害への抵抗力、高圧送電の電磁波障害の解消、送電ロスの軽減、地元合意の容易さ、分権社会との調和などの点で優れている。当社としてもこれまでの大規模・遠距離電源に極度に依存した電源構造を早急に改善していくべきであると思うが、どうか。

2. 当社の当期の主要電源別の発電コストを聞きたい。なお、水力は一般水力と揚水に分けて示していただきたい。

3. 当社は2001年から2011年の間に石炭火力発電を410万KW増強する計画である。二酸化炭素をほとんど排出しないという理由で原発を推進しながら、主要電源のなかでは二酸化炭素をもっとも多量に排出する石炭火力をこのように大増強することは不条理ではないか。

4. 日本政府は2010年前後までに1990年比で6%の温暖化効果ガスの排出削減を国際公約している。このうち、電気事業については増減なしとされている。ところが、当社の2005年度の二酸化炭素総排出量は1990年度に比べて28%増加している。2006年度はどうであったか。また、この実績を、政府目標との関連でどう評価しているか。

5. 当社は、新エネルギー利用特別措置法による新エネルギー利用義務量を達成するためにいかなる取り組みを行っているか。

6. またこの義務量達成についていかなる見通しを持っているか。

●オール電化等について

1. 2003年度の株主総会の一括回答で当時の中野副社長は、オール電化住宅について、「オール電化住宅と電気ガス併用住宅の効率性を一概に比較するのは困難である」と発言しているが、この認識は現在でも変わっていないか。

2. 2006年8月NPO法人気候ネットワークは、「オール電化住宅は地球温暖化防止に寄与するのか?」というレポートを発表し、そのなかで、電気ガス併用住宅に比べてオール電化住宅はCO_を多量に排出すると結論づけた。この結論をどう評価するか。異論があるのなら、数値を示して反駁してもらいたい。

3. エコキュートは、深夜に沸かした湯を翌日1日かけて使うのだが、その際の熱損失(貯めているあいだに冷めてしまう分)を使用実態にもとづいて実測したことはあるか。
 あるのであれば、その値(最高、最低、平均)は、いくらであるか。

●太田宏次前会長の中国古陶磁問題について

1. 太田宏次前会長が購入した中国古陶は、現在どのように活用されているのか。

2. 有効に活用されていないのであれば、購入額5億8千4百万円全額を当社の損失とみなすのが相当ではないか。

3. この問題について、この1年間の経過を報告してもらいたい。

●原子力災害について

1. 原子力損害賠償法第3条では、「異常に巨大な天災地変」による原発事故については事業者の賠償責任が免除されている。当社は、予想されている東海地震はこの「異常に巨大な天災地変」になる可能性があると考えているか。あるいは、絶対にありえないと考えているか。(毎年おなじ質問をしているが、明確な回答がない。)

2. 昨年5月に発表された原子力安全委員会の耐震指針検討分科会報告書では、想定を超える地震動により深刻な被害が発生する可能性(いわゆる「残余のリスク」)が存在することが確認されている。当社は、この「残余のリスク」にたいしていかなる対応を行うのか。

3. 「残余のリスク」が存在するということは、当社が(とりわけ原発立地現地において)長年にわたって行ってきた「原発は絶対安全である」という言明と矛盾するのではないか。

4. 「残余のリスク」が現実化して大規模な放射線災害が発生した場合、当社が、原子力損害賠償法第3条による免責の申し立てを行う可能性はあるのか。

●制御棒脱落事故について

1. 91年に浜岡3号機の定期検査の時に起きた3本の制御棒脱落事故について、当社は一貫して、「臨界には達しておらず、報告義務はなかった」との認識を示している。しかし、当時、原子炉内には新燃料を含む燃料が既に装荷されており、HCU隔離のための弁操作を行うポジションにも特に順序づけがされていたわけでもない。たまたまその時は幸運にも臨界に達することはなかったというだけで、制御棒の脱落が3本にとどまらず、4本5本と隣接して起きて臨界事故に至っていた可能性もあったと思われる。そのような可能性について、取締役会はどのような認識をもっているか。

2. 当該制御棒が抜けはじめてドリフト状態に入ってから、その制御棒をまた全挿入位置にもどすまでに1時間という時間がかかっているが、これだけの時間がかかったことについて、どのように認識しているか。

3. 91年に脱落が起きた制御棒の周囲の燃料には新燃料から第3サイクルまでの燃料が含まれていたとのことであるが、引き抜けた制御棒に係る全12体の燃料集合体のうち、新燃料、第2サイクル、第3サイクルそれぞれ何体であったか明らかにされたい。

4. 91年に制御棒脱落事故が起きた後、再発防止策として、翌年「原子炉停止時の安全措置」を制定、その後QMS体系化の指針に取り込んだとのことだが、CRDリターンラインを建設当時から設けていなかった浜岡2号機については、96年まで原子炉に水を戻すための代替ルートも設置されておらず、リターン運転をすることは不可能であった。91年の3号機の制御棒脱落事故の後、96年まで2号機で行われていた再発防止策はどのようなものであったか。

●プルサーマルについて、

1.  現在、浜岡4号機のプルサーマルについては国の安全審査も終わっておらず、地元自治体の同意も得ていない。ところが、当社は既に早々と昨年MOX燃料の加工契約を締結し、今年5月には、品質保証システムの監査のために社員をメロックス社に派遣している。
 プルサーマル実施についての地元の同意を得ないまま、このように着々と段取りを進め、これを公表することによって既成事実化することは、当社が地元の意思を軽んじていると受け取られても仕方がないのではないか。

2. MOX燃料には、通常のウラン燃料とは本質的に違う特性から、品質管理にウラン燃料にはない困難が伴うとされる。その困難さは、製造する会社が異なっても変わることはない。MOX燃料の品質をチェックする時に、酸化プルトニウムを混合した燃料であるが故に、特に厳しく確認しなければならない事柄はどのようなことであると認識しているか。

3. 当社が英国に再処理を委託して取り出されたプルトニウムを、英国以外の第三国に輸送して加工する可能性はあるか。

●日本原子力研究開発機構への投資について

1. 日本原子力研究開発機構の前身である核燃料サイクル開発機構(以下、核燃機構という)への長期投資は出資証券で104億8800万円であることが、H12年度の計算書附属明細書には明記されている。この核燃機構へ出資証券などの明細を翌年から計算書付属明細書に記載しなくなったのはどのような理由からか。

2. 日本原子力研究開発機構への長期投資額は公表できないとしているが、2005年10月の核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合する以前の、当社の両者に対する長期投資額と、日本原子力研究開発機構への長期投資額には違いはあるか。あるとしたら、それはどのような理由からか。
 また、その差額についても、株主にとって重要な情報であるので、明かにされたい。

3. 今年4月25日の日経新聞によれば、特殊法人である旧核燃機構と原研が原子力機構の独立行政法人に移行した際、繰越欠損金のうち約4兆743億円が政府出資金で穴埋めされていたという。当社においては、移行前の長期投資の額をそのような形で移行後に減額したということはないのか。あるとしたら、その経緯などについて株主に説明する責任があると考えるが、どうか。

●芦浜地点について

 1963年に当社は芦浜原発計画を示し、1965年には用地を買収した。
原発計画に当初から不安、不信を抱いた住民の強い反対を無視し、無理な原発計画を推し進めたてきたが、2000年にはこれを断念し、以後用地はそのままの状態である。

1. 芦浜原発計画は37年間にもわたり無理に推し進められた経緯がある。
今後他の場所などで発電設備等の建設に住民同意が得られない場合、何年間事業計画を進めますか。

2. 今後も芦浜にある当社の用地をそのままの状態にしておきますか。
 それとも活用策などはありますか。

3. 芦浜はアカウミガメの産卵場所であり、貴重な動植物も確認され、生態系も保たれている、いわゆる自然豊かな場所である。
 当社としてどのような保護策を考えていますか。

●徳山ダムなど水力発電所について

1.徳山ダムにおける発電事業の譲渡について
 3月13日、当社は、電源開発株式会社から、徳山ダムに係る電力事業(最大出力15万3003kWの譲渡を受けた旨を報道に発表した。
 2003年に「徳山ダム事業費大幅増額」が浮上した後、当社は、徳山ダムに係る揚水発電事業を諦め、下ダム・杉原ダム事業の中止を決めた。1996年以来、「杉原ダム事業の中止を」と質問を続けてきた株主としては、遅きに失したとはいえ、一歩前進と評価した。このとき(2004年の徳山ダム事業実施計画変更)、当初(下ダムを含め)42万1000kWであった発電事業計画は、15万3000kWにまで縮小した上に、電源開発株式会社の負担は増加した。以前から、そして2003年〜2004年前半、電源開発株式会社は、「コスト増は何としても避けたい。採算性に問題が生じる」と言い続けてきた(従来、電源開発株式会社の「監督官庁」であった通産省からの「質問主意書・答弁書」にも同趣旨の記載あり)。つまりこの時点で明白に「不採算事業」になったのである。
 この不採算事業の譲渡を受けることには、大きな疑義を抱かざるをえない。

(1) 譲渡に伴う「対価」について

これには「私契約」「経営上の秘密」として、公表されないが、従来の(完全民営化前の)電源開発株式会社のあり方からすると、「私契約」の一言で隠して良いものとは思えない。社会保険庁にまつわる「グリーンピア事業」と同様なのではないか、という強い疑念がある。公益的企業としての当社の社会的位置からして、十分な「情報開示(ディスクロージャー)」と説明責任を果たすべきである。

(2)環境特性を採算性

「高コストで不採算ではないか?」という問いについてはすでに「当地点は、純国産である水力エネルギーを開発できる限られた地点であり、エネルギーセキュリティ、経済性,環境負荷特性,運転特性等を総合的に勘案しますと,必要かつ有効な電源と考えております」と幾度も繰り返された回答を貰っている。
@「エネルギーセキュリティや環境負荷特性を考慮すると、高コストでも良い」というふうにも感じられる。「エネルギーセキュリティ、環境負荷特性」などを重視すれば、大規模なダムなどに頼らぬ自然エネルギーによる発電の割合を高めるべきだと考えるが、いかがか。
A 「水力発電はCO2を出さない、クリーンだ」という思い込みがある(思い込みを利用する)ようだが、ダムのもつ環境破壊性については、どのように考慮されているか。
 とりわけ、環境アセスメント対象外である徳山ダム事業に係る発電事業である。これを「環境に優しい」当社が、どこまで環境負荷を考慮されたのか、明らかにされたい。

(3)発電事業開始時期

 ダム堤体工事が始まっても、電源開発株式会社は発電所建設を行わず,発電開始予定時期を何度も遅らせてきた。事業を承継する当社は、「いつ発電所建設を開始し、いつから電力供給をするのか」明らかにするべきではないか?

2.木曽川水系での「無許可(許可外)取水」について

 当社も他の電力会社と並んで「無許可(許可外)取水」を行っていたことが明らかになった。「無許可(許可外)取水」というのは、河川流域の水を「盗み」、私企業の利益としたのであって、株主として流域住民の皆様に対して、非常に恥ずかしく、申し訳ない気持ちでいっぱいである。以下を(新聞で読んだだろう、国交省の発表を見ただろう、ということではなく)株主に、すべて明らかにしてほしい。
 これは口頭でだらだら述べるようなものではないので、きちんとまとめて、株主総会に参加する株主に資料配付することを要求する。

(1)どういう「無許可(許可外)取水」があったのか。
 国交省からの指導及び処分はどのようなものであったか。 
(2)どういう経緯で、「無許可(許可外)取水」が明らかになったか。
(3)こうしたことが長年存在してきたことの問題性をどう考えているか。経営者の責任
をどう考え、どうとるのか。
(4)以後の再発防止策を具体的に示してほしい。
(5)「無許可(許可外)取水」の法令違反も同時的に多々明らかになっている。これは
個々の部署の問題ではなく、経営者の。そしてそういう経営者を選び続けてきた大株主(特に企業株主)の責任である。法令遵守というイロハを根付かせる抜本的かつ具体的な施策を明らかにしてほしい。

●情報公開について

1. 昨年末、浜岡原発5号機低圧タービン翼破損事故に関する報告書を入手しようとした際に、いったんはカラーコピーでいただけるという話だったのが、後日モノクロでしか出せないと言ってきました。報告書は、カラーで見ることでしか内容が理解できない写真や図表が多々あり、カラーコピーの実費は払うということは申し出ていました。国や他社(北陸電力)でも報告書のカラーコピーを求める人には提供しています。なぜ当社だけが資料をカラーで出せないのですか。他社にできることが当社でできない理由は何ですか。

 当社は、コンプライアンスへの取り組みについて8つの行動規範を設け、「適正な情報管理・公開」することをうたっています。当社に初めて今回の報告書のコピーを求めて、カラーコピーをもらえないと知った知り合いは、当社の対応に大変驚いていました。
 今後は実費で提供するよう改めるべきではありませんか。

2. ホームページの問い合わせフォームの書き込み欄が非常に小さく、使いづらいです。400字以内で書くよう明記しているのなら、400字分の文字がスクロールしなくても読める大きさにすべきです。2年ほど前にも広報に同じ要望を出しましたが、ホームページの管理の関係ですぐには出来ないという回答でした。
 ウィンドウの大きさを変更するという作業がそれほど難しいものではないことは、自分でウェブサイトを作っていれば分かります。簡単なことなので、そろそろ改めてもいいのではないですか。

●株主総会や株式情報について

1. 近年増えてきた外国人株主に対して、株主総会の議案や株式情報等は英文で提供されていますか。
 また、英文資料をホームページ上でも入手できるようにすべきではないですか。

会社側一括回答

 「分散型電源」につきましては,需要地近傍に設置可能であるなどの特長がある一方,環境面や設置スペース上の制約,系統運用面などの解決すべき課題もあります。
 したがいまして,分散型電源と大規模電源は,お互いの特長を生かして補完し合うことによって,より効率的な電力供給システムが構築できていくものと考えております。

「発電コスト」につきましては,平成18年度の営業費用における送電端の電源別発電単価は,1kWhあたり,水力は5円31銭,火力は8円78銭,原子力は10円20銭となっております。この電源別の単価には,支払利息,一般管理費などは算入しておりません。
 なお,水力発電については,一括してとらえており,一般・揚水捌には整理しておりません。

「石炭火力発電」につきましては,石炭は,石油やLNGに比べて,資源量が豊富であり,埋蔵地域の偏りもないため,エネルギーセキュリティおよび経済性に優れておりますので,高効率発電プラントや石炭ガス化複合発電の技術開発に取り組むなど,C02の排出抑制に努め,今後とも石炭火力発電の利用を進めてまいります。
 当社は,地球環境問題などを勘案しつつ,安価で安定した電気をお届けするため,バランスのとれた電源構成を目指してまいります。

「CO2排出量」についてでございますが,当社における平成18年度のCO2排出量は,平成2年度に比べ40%増加いたしました。これは,電力需要の増加に加え,CO2を排出しない浜岡原子力発電所5号機の停止が主な原因です。
 政府が策定した京都議定書目標達成計画では,電気事業に関わりのあるエネルギー起源のCO2削減目標は,平成2年度に比ベプラス0.6%であります。
 当社は,京都議定書・第1約束期間の5ヶ年平均における1kWhあたりのCO2排出量を平成2年度に比べ20%削減する,という自主目標の達成に向け,引き続き最大限の努力をしてまいります。
「新エネルギー」につきましては,当社は,「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」にもとづき,新エネルギー等の利用目標量の達成に向けて努力するとともに,新エネルギーの普及促進に積極的に取り組んでおります。
 具体的には,風力発電について,平成21年2月に静岡県御前崎市地内の沿岸部および愛知県豊橋市地内から静岡県湖西市地内にかかる沿岸部において合計3万4千kW,平成21年度に3地点において合計4万6千kWの運転開始を目指しております。
 また,碧南火力発電所におけるバイオマス燃料の混焼,既存えん堤の未利用落差を利用した小水力発電所の開発などを行う予定です。
 しかしながら,利用目標量の達成は厳しいと考えられることから,これら自ら発電する方法に,クレジットの購入も加え,目標達成に向けて努力してまいります。

「オール電化住宅」についてでございますが,オール電化住宅と電気・ガス併用住宅の効率性・環境性については,お客さまの建物構造や家族構成など多種多様な要因が存在するため,一概に比較することは困難と考えております。
 オール電化機器であるエコキユートは,空気の熱を利用して湯を沸かすヒートポンプ式の給湯機であり,投入エネルギーの3倍以上の能力を発揮することが可能な高効率機器であります。この高い省エネ効果により,CO2の排出量を大幅に削減することが可能となっております。
 また,IHクッキングヒーターも熱効率が高い機器であることから,これらを備えたオール電化住宅は,エネルギーを有効に利用できる住宅であると考えております。
 なお,エコキユートの熱損失については,お客さまにより使用形態が様々であり,実測したものはございません。

「中国古陶磁購入問題」につきましては,現在も太田氏と係争中でございます。
 訴訟の状況については,本年3月に裁判所における争点整理が終了し,現在は,証人尋問が行われております。5月に当社側の証人3名の尋問が行われ,今後,太田氏本人および中国古陶磁の購入先の尋問が行われる予定です。
 引き続き,当社の主張が認められるよう,最善を尽くしてまいります。
 なお,当社に生じた損害額は,購入額である約5億8千4百万円全額であると考えておりますが,太田氏に対する請求額は,購入額から,専門家による鑑定額を控除し,約4億4千4百万円といたしました。
 また,中国古陶磁の有効な活用方法については,引き続き検討してまいりますが,現時点では展示等の予定はございません。

「芦浜地点」についてでございますが,原子力の開発にあたっては,地元の方々のご理解とご協力を得ることが重要だと考えております。
 芦浜の土地については,ツル切り,間伐といった山林育成作業などの管理を行っております。
 また,専門家にご意見をお聞きするなど,生態系などの自然環境保全についても十分配慮しつつ,適切に管理を行っております。
 なお,具体的な活用方法については検討中であります。

「徳山発電所」につきましては,平成21年度に着工,26年度に運転開始を予定しており,当地点は,エネルギー資源の少ないわが国において,純国産である水力エネルギーを開発できる限られた地点であり,エネルギーセキュリティや環境特性などを総合的に勘案しますと,必要かつ有効な電源と考えております。
 当社と電源開発株式会社とは,徳山ダムの完成後に徳山発電所の事業主体を当社に変更することで合意しておりますが,その対価については,契約上のことであり,相手方もあることから,説明は差し控えさせていただきます。
 なお,風力をはじめとする自然エネルギーは,経済性,供給安定性および量的な確保の面に課題があることから,お客さまに安価で安定した電気をお届けするためには,原子力をはじめとする既存電源を主体とし,補完電源として開発していくことが重要であると考えております。

「水力発電所における超過取水等」につきましては,本年2月15日の国土交通省からの指示にもとづき調査した結果,許可取水量を超える取水,取水管理が不適切であったもの,河川からの雑用水の取水や発電用水路からの冷却水および雑用水の取水などの不適切事案が判明いたしました。
 国土交通省からは,3月28日に,河川法第77条第1項の規定にもとづき,
・河川から雑用水を直接取水している発電所は,当該流水の占用をただちに停止すること。
・超過取水している発電所は,超過取水が発生しないよう,直接発電に使用する最大取水量または最大使用水量を10%減量し,毎日の取水量または使用水量を測定し,週ごとに報告すること。
という指示を受けるとともに,5月16日には,水力発電に係る不適切事案に関する再発防止策などについて報告するよう,「命令書」,「命令書に係る報告徴収について」,および「一級河川における水力発電に係る報告徴収等について」を受領いたしました。
 これを受け,当社は,6月15日と18日に,
・水利使用に係る適正性の確認体制の整備
・河川法令の遵守意識の徹底
・取水量に係る上限設定プログラムの解除,是正計画
・冷却水・雑用水等の取水に係る是正計画
の4項目を,再発防止策として同省に報告いたしました。
 このうち,河川法令の遵守意識の徹底に向けては,
・経営トップ・部門長による継続的な啓発および発電設備に係る点検結果の周知と活用による,コンプライアンス意識の一層の定着・浸透
・コンプライアンス教育・研修の実施
・規程・指針類の整備の推進と定着化
・本店,支店における現場の状況把握
に取り組み,継続的な改善を図ってまいります。
 今回の問題は,長年にわたり許認可申請などの手続の要否に対する当社の認識不足をはじめ,コンプライアンスに対する意識が不足していたことによるものであります。
 当社は,経営トップの強い意志のもと,不正を許さない仕組みを構築し,再発防止策の着実な実践・定着,継続的な改善に努めてまいります。

「情報公開等」についてでございますが,資料のコピーサービスについては,統一性,公平性の観点から,「A4サイズ,モノクロコピー,単価は1枚あたり10円」とさせていただいており,全社共通の取扱いでございますので,ご理解を賜りますようお願い申しあげます。
 また,当社ホームページの書き込み欄は,過去のお客さまからのご意見・ご要望やご質問の文章量などを参考に,60文字程度を表示し,それを超える場合はスクロール機能によりご確認いただける仕組みとしておりますが,お客さまに,より便利にお使いいただけるよう,書き込み欄全体の表示など,引き続き改善を検討してまいります。
 株主総会の招集ご通知については,わが国の法令にもとづき日本語で作成しており,現在のところ英文でのご提供は考えておりませんが,株式情報や決算情報などの各種資料は,当社ホームページに英文でも掲載しております。

「浜岡原子力発電所の安全対策」につきましては,原子力発電所は,「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」にもとづき,過去に発生した地震や,活断層の状況などを,総合的に検討し,想定されるいかなる地震力に対しても,これが大きな事故の誘因とならないよう,十分な耐震安全性を確保しております。
 浜岡原子力発電所では,発生が予想されている想定東海地震はもとより,それを上回る安政東海地震に対し余裕をみた地震動を用いて,耐震安全性を確保していることを確認しております。
 当社にとって,浜岡原子力発電所は,エネルギーの安定供給と地球温暖化防止のために必要不可欠な電源であり,今後とも引き続き,安全の確保と地域の信頼を最優先に,その運転に努めてまいります。
 浜岡原子力発電所1・2号機については,設計・建設時に,それまでの知見をもとに,経年変化に対して必要な対策を行うとともに,運転開始後も,設備の健全性を確認し,必要に応じ,補修・取替などの対策を実施して,安全を確保しており,廃止することは考えておりません。
 また,東海地震の注意情報や予知情報が発令された場合には,電力の需給状況を勘案しながら,浜岡原子力発電所の運転を停止することとしております。

「原子力損害賠償法第3条」につきましては,東海地震が「異常に巨大な天災地変」に該当するかどうかは,地震発生後に政府が判断するものでありますが,浜岡原子力発電所は,想定されるいかなる地震に対しても,これが大きな事故の誘因とならないよう,十分な耐震安全性を確保しており,地震が原因で原子力災害が発生し,みなさまに損害を与えるようなことはないと考えております。

「残余のリスクヘの対応」についてでございますが,浜岡原子力発電所では,想定東海地震はもとより,それを上回る安政東海地震に対し余裕をみた地震動を用いて耐震安全性を確保していることを確認しております。
 さらに,耐震設計審査指針の改訂の審議を契機に,耐震上の余裕をさらに向上させる「耐震襟度向上工事」を実施しております。
 「残余のリスク」は,将来的に確率論的安全評価を安全規制に導入するための検討に資する情報として,事業者は,定量的な評価を行い,原子力安全・保安院へ報告することとされております。
 当社は,現在日本原子力学会において検討中の確率論的安全評価の手法が確立された後,「残余のリスク」を適切に評価し,報告してまいります。

 平成3年に発生した「浜岡原子力発電所3号機の制御棒引き抜け事象」につきましては,原子炉は臨界になることはなく,安全は維持されておりました。
 また,仮に臨界になったとしても,スクラム機能が確保されており,制御棒の緊急挿入により原子炉を停止できるようになっておりました。
 本事象においては,中央制御室での監視により,原子炉が臨界に至っていないことを確認しており,緊急に制御棒を挿入する必要はありませんでしたので,現場の弁を本事象の発生前の状態に戻したうえで,挿入手順を確認し,1本ずつ制御棒を挿入いたしました。
 本事象の発生後,制御棒駆動水圧系の冷却水差圧が上昇しないように,圧力水の一部を駆動装置とは別の配管を通して原子炉へ戻すリターン運転を実施すること,および仮に冷却水差圧が上昇した場合においても警報により感知できるよう対策を実施し,それ以降,浜岡原子力発電所では,同様の事象は発生しておりません。
 なお,本事象により引き抜けた制御棒周りの12体の燃料集合体の種類は,新燃料が4体,2サイクル目が4体,3サイクル目が4体です。
 浜岡原子力発電所2号機については,建設時に,制御棒駆動水を原子炉に直接戻すリターン運転配管の一部を着脱可能な構造とし,停止時は,当該部を取り付けることによりリターン運転が可能でありました。
 なお,平成8年には,新しい経路のリターン運転配管を設置しております。

「プルサーマル」につきましては,原子炉設置変更許可の前に実施可能な準備作業を進めるため,MOX燃料の加工契約を締結いたしましたが,MOX燃料の製造は,地元のご理解が得られた後に実施してまいります。
 また,MOX燃料は,ウラン燃料と性質は類似しており,同様の品質を確保することができます。
 当社は,海外でのMOX燃料の製造着手前,製造中,製造完了後の3つの段階で品質保証システムの構築状況および実施状況を確認し,その状況については,第三者である国際的な検査・認証機関の確認を受けます。
 なお,製造着手から製造完了までは,当社社員を現地に駐在させ,製造されるMOX燃料の品質を確認する予定です。
 英国に貯蔵されているプルトニウムについては,英国で加工することを基本として考えておりますが,詳細については,引き続き検討してまいります。

「日本原子力研究開発機構への投資」につきましては,計算書類附属明細書には,電気事業会計規則の記載基準にもとづき記載しておりますが,平成13年度より,金融商品会計に係る会計基準を適用した結果,旧核燃料サイクル開発機構への出資金は,当該記載基準に該当しなくなったことから,記載いたしておりません。
 また,旧核燃料サイクル開発機構と旧日本原子力研究所の統合に伴い,日本原子力研究開発機構に承継された出資金については,文部科学省に設置された日本原子力研究開発機構評価委員会の決定にもとづき,適切に会計処理をしております。
 なお,統合前後の当社の長期投資額については,細部にわたる事項であり,相手方もあることから,説明は差し控えさせていただきます。

「ロシア,カザフスタンとの原子燃料に関する契約」についてでございますが,ロシアからの原子燃料の調達については,濃縮役務取引に係る契約,カザフスタンからの原子燃料の調達については, ウラン精鉱購入に係る契約を,それぞれ締結した実績がございますが,契約上のことであり,相手方もあることから,契約内容に関する具体的な説明は,差し控えさせていただきます。
 なお,当社は,核燃料物質の購入にあたっては,必要な手続および認可の取得を行っております。

「浜岡原子力発電所の運転差止を求める裁判」につきましては,このような裁判が提起されたことは,誠に遺憾であり,今後とも原子力発電に対するみなさまのご理解が得られるよう,努力してまいります。
当社といたしましては,浜岡原子力発電所の安全性につき,裁判所にご理解いただけるものと確信しており,運転の差し止めを命ずる判決や仮処分決定が出されることは考えておりません。

「浜岡原子力発電所5号機の低圧タービン羽根損傷に係る日立製作所への損害賠償請求」につきましては,昨年12月に同社に協議を申し入れ,現在,協議中であります。
 当社といたしましては,できるだけ早く解決したいと考えておりますが,協議には時間を要するものと考えております。