2002年中部電力株主総会についての申し入れ>

中部電力M社長
川口 文夫殿

2002年6月22日
脱原発中電株主と一緒にやろう会
(代表世話人 早川しょう子)
名古屋市西区名西1-○-○

株主総会についての申し入れ

 私たちは6月26日に予定されている貴社の株主総会に対して事前質問書を提出し、かつ総会においてもいくつかの質問、動議、提案を行う予定です。つきましては総会が公平で、充実した議論の場になるよう、以下のことを要求します。

1. 総会の入場は公平に行うこと。
2. 総会の入場の際、総会運営に支障のない物(ビデオカメラ、カメラ、テープレコーダー、手荷物等)の持ち込みを妨害しないこと。
3. テープレコーダー、ビデオカメラによる記録を妨害しないこと。
4. 託児、手話の準備をしておくこと。
5. お土産を廃止すること。
6. 会場室温は28℃以上とすること。
7. 株主の発言を妨害する不規則発言を禁止し(議事進行、異議なし、意味のない拍手等)議事進行を公平におこなうこと。
8. 事前質問の回答において、一括回答をしないこと。回答は項目別、番号別に質問の内容も明らかにした上で、答えること。
9. 回答者は早口ではなく、間違えず、明瞭に答えること。
10. 事前質問の回答において、脱漏、誤答、発言の不明瞭等があった場合、ただちに質問を認め、再答弁を行うこと。
11. 株主の質問に対してウソやごまかしの答弁をしないこと。
12. 株主の質問に対して、具体的かつ明瞭に答え、同じ答を繰り返さないこと。
13. 株主の発言の挙手がある場合は、打ち切りの動議を採決しないこと。
14. 採決は全て持ち株数によるものとし、拍手等の不正確な方法はとらないこと。
15. 株主提案の趣旨説明の時間をむやみに短縮しないこと。
16. 株主提案の採決において、不平等な取り扱いをしないこと。
17. 株主提案の決議事項は、総会の場で審議されること。
18. 議事録は事前質問の回答、審議内容を詳細かつ具体的に記載すること。

                           以上


<事前質問>

●電力供給・経営政策・自然エネルギー

浜岡原発事故に関する対応(1)(2)(3)浜岡原発事故と安全対策(1)(2)耐震安全性

プルサーマル再処理・プルトニウムバックエンド核燃機構・高レベル放射性廃棄物

長期債務・キャッシュフロー役員報酬など(1)(2)芦浜徳山ダム

→会社側一括回答

第78期中部電力株主総会 事前質問書

中部電力M社長
 川口文夫 殿 

2002年6月19日

脱原発中電株主と一緒にやろう会
(代表世話人 早川しょう子)
名古屋市西区名西○-○-○


 ●電力需給・経営政策・自然エネルギー

1. 当期の他電力よりの買電(一般電気事業者間融通)実績はいくらか。

2. 将来の電源としては、地域に密着した小規模分散型電源が自然エネルギーや各種廃熱の利用、コジェネ、災害への抵抗力、高圧送電の電磁波障害の解消、送電ロスの軽減、地元合意の容易さ、分権社会との調和などの点で優れている。当社としてもこれまでの大規模・遠距離電源に極度に依存した電源構造を早急に改善していくべきであると思うが、どうか。

3. 昨年の総会での会社側回答で、「今後確実な増加が見込まれる電力需要」と述べられたが、この予測は甘いのではないか。このように断言できる根拠はなにか。

4. 当社のDSM(ディマンドサイドマネジメント)は、電力需要平準化を目的とするものと考えてよいか。もしそうであるなら、電力需要圧縮を目的とするより積極的なDSMに乗り出す意思はないか。

5. 当社の当期の主要電源別の発電コストを聞きたい。なお、水力は一般水力と揚水に分けて示していただきたい。

6. 当社は2001年から2011年の間に石炭火力発電を410万KW増強する計画である。二酸化炭素をほとんど排出しないという理由で原発を推進しながら、主要電源のなかでは二酸化炭素をもっとも多量に排出する石炭火力をこのように大増強することは不条理ではないか。

7. 当社の2001年度の二酸化炭素総排出量は1990年度に比べて何%増加または減少したか。

8. 日本政府は2010年前後までに1990年比で6%の温暖化効果ガスの排出削減を国際公約している。二酸化炭素を大量に排出している当社としても、この期間において6%程度の排出削減をすることは社会的責任ではないか。

9. 電力自由化にたいする当社の基本姿勢を聞きたい。

10. 地域別分社化についてどう考えるか。

11. 原発を推進するためには地域独占という業態が必要であるという意見についてどう考えるか。

12. 当社に自然エネルギーの開発利用についての長期計画はあるか。もしなければ、早急に策定する考えはあるか。

13. 市民、自治体、企業による自然エネルギー利用の発電を支援するために、自然エネルギーを電源とする電気をプレミアムつきの価格で購入する気はあるか。

14. 需要家が望めば、自然エネルギーを電源とする電気をプレミアムつきの料金で販売する気はあるか。

15. 当社はオール電化ハウスの販売に積極的であるが、オール電化ハウスはガス等の1次エネルギーで賄える用途にまで2次エネルギーである電気を使うわけで、エネルギー効率使用の面で問題があるのではないか。

16. オール電化ハウスのほうがエネルギー消費が少なくてすむという住宅業者の宣伝が目に付くが、当社も同意見か。もしも同意見であるなら、そのように主張する根拠を完全に明らかにする気はあるか。

17. 「原子力損害賠償法」第3条では、「異常に巨大な天災地変」による原発事故については事業者の賠償責任が免除されている。当社は、予想されている東海地震はこの「異常に巨大な天災地変」になる可能性があると考えているか。あるいは、絶対になりえないと考えているか。

 ●浜岡原発事故等について

1. 当社の株主を含む「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」は11月の事故以来、数回にわたって抗議文、要請文、質問状を提出してきたが、それらを当社は一切無視をし、なんの返事もよこさず、何の説明も我々にしてこなかった。これは株主や県民および電力消費者、に対するもっとも傲慢な態度でなないか。なぜ、誠実に答えようとしないのか。公益企業である当社にとってこのような態度は利益を損なう結果になる。理由を示してほしい。

2. 浜岡原発で抗議文を提出することを静岡支店を通じて連絡してあった。ところが、浜岡原発総合事務所ではそれ無視したため、原子力館で株主を含む市民との間で、いざこざがあった。このことに対し広報部長は謝りもせず、逆に伊藤や長野会長に対して、悪態をついた。彼の行為は常識ある一社員としても決して許せるものではない。会社としても大きな損益であるが、このようなことを放置しておくのか、厳重な処分をしたか。

3. 11月以来、原発事故に関連して要した出資金はいかほどであるか。1,2号機は停止しているが、発電上からの損失はいくらになるか?(もし正常に運転していた場合と比較して)

4. 事故に関して社内での責任はどのようにとられたのか?事故責任者への処分などは適切にしたのか?

5. 「裁判の会」の浜岡町への新聞折込に対し、中電から販売店に配布を取りやめるような入れ知恵をしたが、なぜそのような妨害工作をするのか?公益企業として利益を損なう行為である。理由を示されたい。

6. 1号機水漏れ対策で、水中カメラによる目視点検をしたとあるが、分解能の良いカメラであれば1cm2を丹念に点検するにも時間がかかる。人間の注意力を考えても、全ての制御棒ハウジングの溶接部を、高倍率で観察することは困難である。どのような方法で目視点検をしたのか?

7. 2号機低圧系配管破断事故に関し、今後すべての配管において超音波等を使った点検をするつもりであるか?目視だけでは内部からの割れは発見できない。

8. 触媒である白金の投与を今後止めるつもりはあるか。止めないなら老朽化を認めたことになるが、いかがお考えであるか。

9. 原子炉内から発生する水素は年間どのくらいの量に達するのか


 ●浜岡原発事故

1. 1月8日に運転を再開した3号炉について、今回の再開に至るまでの手続きの内、通常の定期点検から再起動させる時と異なった点は何か。

2. 浜岡原発1号炉事故当時は定期点検中だった3号炉の定期点検で、事故の後、余熱除去系蒸気凝縮系配管の分岐部に隔離弁を設置した以外に、実際検査で追加した項目は何と何か。

3. 1号炉の水素爆発の再現実験が実施されたのは1月18日後であるが、1月8日に起動をはじめた3号炉については、水素爆発が起きる危険性がないと判断したその根拠は何か。

4. 3号炉、2号炉の運転再開については、地元同意を得たと言っているが、「地元同意」とは具体的にどのようなことを言うのか。

5. 朝日新聞の報道によると1号炉については既に3月、国に対して8月20日をめどとして運転再開する旨を伝えていたとあるが、地元も承知しない内に、「8月20日をめど」とした理由はなにか。

6. 浜岡2号炉の運転再開について、国の原子力安全・保安院が県と浜岡町を訪れた際、山下弘二原子力防災課長は「6カ月の自主点検後、いきなり運転再開ということではなく、慎重な対応をすべきだった」として、中部電力の姿勢を批判したと報道されている。「いきなり運転再開」したという発言に対する我が社の見解を明らかにされたい。


 ●浜岡原発事故と安全対策について

1 浜岡1号炉事故についての原因究明が不徹底であることについて尋ねる

ア)着火についての追試実験があいまいで、きわめて不完全である。
  触媒影響試験は失敗であり、高温蒸気流入を原因とするには「流入」に値する高温蒸気の移動はなかった。さらに、流入については、蒸気分岐部と爆発部の距離が実機と実験装置で大きく異なり類比できない。結局、着火の原因について、高い確率で推定する要因は抽出できなかった。11月7日の爆裂事故原因が最終報告のような内容でなく全く別の原因かもしれないという想像を否定できない。

イ)非凝縮ガスの凝集に関する説明は定量的説明として正しくないと思う。
  概括的に言えば、「上向した行き止まり」というのは、浜岡1号炉の凝集部分が「横行した行き止まり」であるという事実によって反論される。
  また、凝集可能部抽出の論理は間違いである。その抽出論理の組み合わせが変化してきていることで自らの安全論を否定している。変更した論理も不徹底である。

ウ)ドイツのブルンスヴュッテル炉の水素爆裂についての詳細な調査を行なわず、原因究明の検討に客観性と一般性をもたせる努力をしなかった点において最終報告の科学性は失なわれている。
 そのことによって安全運転への真剣さがないことが明らかである。

エ)制御棒駆動機構(CRD)の水漏れ事故の原因調査は、不徹底であり、客観性を持たない。例えばモックアップ試験は複数やるべきである。調査結果は、その1回きりのモックアップ試験の「個性」が出ていて、それを原因に結びつけているようにも思える。

2 安全対策が不充分で安全運転が徹底されていないことについて以下の点を尋ねる。

ア)事故の原因究明が終わらないうちに3号炉の運転再開したことはなぜか。
   運転再開後、新たな水素凝集箇所が抽出され、また今回の事故が保安規制(運転マニュアル)に反映させるべきとの国の指摘も出ている。安全運転への誠意がない。

イ)ブルンスヴュッテル炉の水素爆発について、日本は主蒸気ドレンとヘッドスプレイドレンがつながっていないから大丈夫だというが、そこでは、水素は主蒸気管→主蒸気ドレン→ヘッドスプレイドレン→当該部へ移動したという前提がある。しかし、それは最終報告(中電・国とも)で水素の凝集について否定したケースである。あまりにご都合主義であり安全実現について全に真剣さに欠ける。
圧力容器→ヘッドスプレイの閉止弁からの漏えい→漏えい水蒸気内の非凝縮ガス(水素)の凝集という事態については考えないのか。

ウ)今後も水素を注入するというが貴金属についてはどうか。
 着火についての原因推定に失敗しているとはいえ貴金属の注入については明らかにリスクを高めるものである。どう考えるか。

エ)(ウ)の事実は老朽炉対策の必要と、その対策にひそむ危険性との攻めぎ合いである。廃炉を考えるべきではないか。

オ)CRDについて当該管以外について目視検査でひび割れはないとしているが見逃している可能性が高い。当該CRDが通常の溶接で応力腐食割れを起こしたと評価しているのだから他に関しても非貫通性のクラックがあると考えるべきだ。浸透探傷試験をやるべきだと思うがどうか。

カ)当該CRDのスタブを取り除き、再び溶接しなおすというが、当該周辺の圧力容器は中性子脆化が進んでいる筈で、仮に再び溶接するなら、1号炉の炉内試験片を使ってモックアップ試験として溶接し残留応力を調べるべきと思うがどうか。

キ)今回の事故がこれまでに想定されていなかった事故であったという点に関して、原発の安全性ということについてどう考えるか。

3.ブルンスビュッテル炉事故について

ア) ブルンスビュッテル炉事故に関して、当社はどのような情報収集活動をしたか。

イ) 当社が現地に調査員を派遣するようなことはあったか。

ウ) 2002年3月原子力安全委員会事務局が出した「ブルンスビュッテル原子力発電所(独)で発生した事象について」以外の情報があるか。

エ) 2002年3月18日、原子力安全・保安院が出した「独国、ブルンスビュッテル原子力発電所における配管破断事故について」の内容について、当社の見解は何か。

オ) 当社は3号炉をすでに起動し、2号炉も起動しようとした。当社が保有するブルンスビュッテル炉に関する情報は事故の教訓、安全上の問題点等を、当社の原発の今後に反映させるに足りるものか。

カ) ブルンスビュッテル炉事故から、当社がくみ取るべき教訓をすべて述べられたい。

キ) 同上事故が、当社の原発の設計その他に、反映すべき点はないのか。あるとすれば何か。

4.浜岡1号炉事故のような水素滞留は、必ず弁の所か計測機器のような行き止まり部で起きる。1号炉の爆発当該部には幸い弁の上流部に凝縮水が溜まっていたため、弁が吹っ飛ぶことはなかった。しかし、次回の同様事故は閉止弁の破壊を伴う必然性は高い。例えばブルンスビュッテル炉事故で、ヘッドスプレー系の圧力容器直近の閉止弁が破壊されれば漏水を止める手だてはない。さて近時に予想される、東海地震の際のゆれに、端を発する原因で、水素滞留部が着火したり、あるいは弁が閉じられたり開けられたりする事によって起こりうる摩擦火花着火によって、複数同時爆裂を否定できない。その点からも現在の水素対策は、対策になってないと考えるがどうか

5.余熱除去系蒸気凝縮系と高圧注入系の配管は共通である。(1,2,3号炉)この二者は同時期に運用されることも期待されており、それが同時にダウンする事になる。設計ミスではないか。

6.1号炉の爆裂当該部を切除するのはまちがいではないか。会社は当該配管がなくても逃がし弁を開けて対応できるというが、これは防御線をもう一段外に広げることであり安易なもの言いである。(今まで使ったことがないというのは、理由にならない。4号炉にないというのは、初めから熱的設計思想が違うはずである)

7.地震が原発にとって恐ろしいのは、同時に多数の機器、機能がダウンし安全評価で想定される単一最大過酷事故の内容を越える可能性があることだ。安全評価は地震動の位相のズレは考えられてない筈であり、多度津の起震機(今は行われてないと思う)は、10メートル四方(だったと記憶する)で面振動のみである。面的に大きい原発のような巨大システムは、振動の位相的ズレが大きいはずである。そこに老朽化が重なれば、大事故の可能性はさらに大きくなる。振動の位相的ズレの安全面への影響をどう考えるか。

 ●東海地震と浜岡原発

1. M8.5にも耐えられる設計とあちこちで宣伝していますが、ごまかし、まやかしではありあせんか。震度で表現するならまだしも、遠くのM8.5の地震に耐えうるのは自明です。震源の直上でM8.5に耐えた建造物の例を示してください。また、訂正とお詫びの広告を入れることを約束してください。

2. 振動台での実験も不正確で意図的です。多度津では2次元の振動しか起こせないこと、3次元の振動台は、05年(神戸震災公園内)までおあずけであることを広報で訂正して下さい。

3. 判定会長、予知連会長を務めた茂木氏が、静岡新聞論壇で再三警告しています。4回目(6/5)には、そうした立場にあった氏のところへ中電から原発建設についての意見を求めに来たことがないとありますが、事実ですか、それはなぜですか。

4. 地震学者は、どのような揺れになるか、起きてみなければ判らないと言っています。波動である限り複雑に反射、干渉を繰り返し、ボールが飛んでゆくのとはまるでわけが違います。このような地震動に耐えられると断言している、建築家はどなたですか。

5. 東海地震は関東大震災(M7.9)をもしのぐ規模で政府が想定しています。現在生きている誰も経験したことのない地震動に揺すられるはずです。20世紀に発生したM8.0以上の地震は、皆海域で起こり、幸い陸地から充分距離がありました。(関東大震災は陸地にかかっていたがM8.0より小)直下で起こるこのような地震にも耐えられると断言できる取締役は挙手して、株主の面前で堂々と保証してください。挙手できない役員は、総会終了後初の役員会で、事前に4機とも止めることを提案してください。

6. 上下動について動的応答解析を行っていないことが最大の欠陥の一つです。これについていつ行いますか。結果を公表しますか。

7. 原発の運転停止後、冷却材が喪失されれば崩壊熱による被覆管の溶解が始まり、メルトダウンの危険性が危惧されます。この危険は運転停止後1年くらい続くと考えて良いと思いますが如何ですか。

8. スクラム設定値に達すれば原発は自動停止することになっています。信号が出てから制御棒が有効長分入るのに、どのくらいの時間がかかりますか。その時間内に地震動は設定値を超えてどんどん増大するわけですが、激しい揺れの中で集合体はたわみ炉水のスロッシングがおこります。まちがいなく制御棒は細い隙間をはいってゆけるのでしょうか。もし間に合わないときはどういう手立てがありますか。最悪の場合どういうことになりますか。激しい上下動が来たとき、制御棒の落下が起きたり、燃料集合体にぶつかって破損させるなどの事が起こりうるのではありませんか。

9. そもそも立地指針にあるように、巨大地震(M7.8以上)がおこることが明らかな地に原発を建ててはいけなかったのです。今から、原発を停止し、核燃料を冷却しておくことは原発を建てる前の状態に戻すだけのことです。それでも死の灰を敷地内にたくさん抱え込んでいるのですから、核暴走もメルトダウンも起こさなくても放射能を放出する危険は残りますが。間違いを認めて、即刻停止すべきではありませんか?

10. 間違いでない、東海地震に耐えると、自信を持って断言してもらっても、住民は信用できない、不安は消えないとしたら、住民に安心を与えるため停めるべきではありませんか。住民の願いを無視しますか?

11. とりあえず3.4号も止めて、耐震安全性について情報公開し、反対意見の専門家と公開で討論し、住民が納得できるまで続けるのが本当に自信のある会社のやることではありませんか。

 ● 耐震チェックについて

浜岡1.2号炉の耐震チェック報告書が4月に出されています。この報告書をもとに、1.2号炉の耐震性について伺います。報告書にあるように、この事前質問への回答も、必要な図表を添えてお答えください。なお図表は、別途コピーにても質問者に提出ください。

1. 耐震安全性検討結果について

(1) 1.2号の設計用地震動が国の指針策定前に策定されたものであるため、3号設計時の基準地震動(S1、S2)を用い、3号と同じ解析手法を用いて解析しなおしたとの事である。ところが、その検討結果については「十分な安全性が確保されていることを確認した」とあるだけで、解析結果が記載されていない。わずかに、建屋の応答値を最大加速度で表記しただけである。速度応答値、及び応答スペクトル図を示して説明されたい。

(2) さらに、この応答解析結果を用いて、建屋の強度や機器・配管系の応力評価を作ったとあるが、これについても数値等はいっさい記載されていない。この結果を示されたい。

(3) また、報告書は、国に提出したとの事であるが、このような数値データーの記載されていない報告書を、国は受理したのですか。

(4) これらの解析は、設計上の応答値であって、20年以上稼動してきた現実の建屋や機器の強度でも応力評価も無いことを認めますか。

(5) ここでは、3号の設計時に用いられた基準地震動S1、S2をもちいており、判定は3号に対する相対的な評価でしかありません。昨年中央防災会議が想定東海地震の地震動評価に際して、採用した強震波形計算法と同じ手法での応答解析は、やっていないのですか。

(6) 想定東海地震は、東海地方の地下に広がる広大な断層面が数メートルもずれて大きな地震動が長時間(1分以上)続くと予想され、浜岡原発もその断層面直上にあり、まさに原発直下で発する地震により翻弄されるはずです。このような地震による地震動では、上下動の影響がきわめて大きいものと危惧されます。今回の検討においては、上下動についての言及が全く見当たりません。どのような検討をしたのですか。上下動への応答解析を動的に行ってください。それなくして安全性を確認した、とは認められません。

2. 現在の1.2号炉の耐震チェックを行ったとありますが、そのうちのコンクリートの強度測定について

(1) 破壊試験のためのコンクリート・コアの採取を、20ヶ所60点行っていますが、このサンプル採取により、当該のコンクリート強度はどのくらい低下するものですか。また、初期(建設時)のコアの強度はどの程度ですか。

(2) コンクリートの強度測定についてここで採用された反発度法、コア圧縮法では、どのくらいの深さまで推定できるのですか。

(3) 設計基準強度は、どのようにして定められたのですか。また、なぜ1号の方が小さい値なのですか。

(4) コンクリートの高度測定結果が設計基準強度を割りこむと、どういう結果を招くことになりますか。技術的、法的にさらには経済性の面も含めお答えください。

 ●プルサーマル

1. 当社は2000年代初頭にプルサーマルを実施する予定であると公表してきたが、2002年の今現在のプルサーマル実施予定年は何年か。

2. プルサーマル計画について、静岡県には具体的に申し入れをしたのか。

3. 浜岡原発で使用するMOX燃料の加工委託先はすでに決まっているか。

4. もし既に決まっているとしたら、それはどこか。

5. 既に決まっているとしたら、その会社に加工委託を決めた理由は何か。

6. 柏崎刈羽原発武黒一郎所長は、MOX燃料は「燃料の製造は輸送も含めると2、3年(の期間)を考えないといけない。」と言っている。もし現段階で決まっていないとすると、2000年初頭という計画は遅れる可能性もあるのか。

7. 2000年初頭という計画がもし遅れているとすれば、その理由は何か。

8. プルサーマルを実施するのは、浜岡原発何号炉であるか。また、その内最初に装荷するのは何号炉か。

9. 昨年の株主総会では、MOX燃料装荷によるプルトニウムの消費量は、1号から4号までの炉心3分の1に装荷すれば、過去に抽出した分も含めて十分使い切れると言っているが、4機ともMOX燃料を装荷することが具体的に検討されているのか。

10. 4機の炉心3分の1に装荷すると、年間2トンのプルトニウムを消費するということの根拠を明らかにされたい。例えば、炉ごとの消費量、燃料集合体1体あたりのプルトニウム量など。

11. 昨年の株主総会では、「使用済燃料に約96%含まれるウランモは、再処理によって全量回収され、回収ウラン濃縮してリサイクルすることが基本方針であり、具体的な利用計画を現在検討中であります。」と言っているが、1年たった現在、具体的な利用計画はどこまで進んだのか。何時までに計画をまとめる予定か。

12. 青森県六ヶ所村のMOX燃料加工工場の建設が計画されているが、これに関する日本原燃(株)への増資額はいくらか。

13. 使用済みMOX燃料の再処理については、2010年ごろから第2再処理工場の建設を検討するとされているが、この計画は不確定なのか。将来MOX燃料の再処理を行わないという選択肢も考えているのか。

14. この第2再処理工場の建設については、再処理費用以外にも増資を行わなくてはならないはずであるが、そのための手当は今現在どのような形で確保しようと考えているのか。

 ●再処理など

1. 債務保証している日本原燃(株)について、我が社の日本原燃(株)に対する債務保証額、2001年度末(平成13年度末)の日本原燃(株)の長期借入金残高、累積赤字はいくらか。

2. 日本原燃(株)としての増資総額はいくらで、そのうち我が社の増資額は全体でいくらになり、増資で集められた資金は何に投資されたのか。

3. 日本原燃には使用済み核燃料をすでに何トン輸送済みか。

4. また、再処理料金の前払い額はいくらか。会計項目は、加工中等核燃料のうちの加工中核燃料、半製品核燃料、完成品核燃料、再処理核燃料、その他のどれか。

5. 加工中等核燃料の当期末の再処理核燃料の価額はいくらで、何トンか。

6. 使用済み核燃料再処理費はいくらで、対前期比でいくら変動し、その変動原因は何か。

7. 使用済核燃料再処理引当金はいくらで、当期の目的使用額はいくらか。

8. 当期の再処理完了数量は何トンで、累積では何トンなのか。

9. 目的使用額のうちガラス固化に使用された額はいくらか。

10. 当期のガラス固化完了数量は、もとの使用済核燃料で何トン分で、ガラス固化体の本数で何本分か。

11. 自由党の小沢一郎党首が4月6日福岡市で行った講演中、「(中国が)あんまりいい気になると日本人はヒステリーを起こす。日本の原発にはプルトニウムが余っているんだから、核弾頭を3千から4千発は持てる」と日本の核武装の可能性に言及したと報道されている。この発言中の「プルトニウムが余っている」という発言について、我が社としてはどのような対応をしたか。

12. また、3千から4千発の核弾頭を製造するために要するプルトニウムとして、我が社の使用済み核燃料から抽出されたプルトニウムの存在が念頭に置かれていないと断言することはできるか。

13. 我が社は、この小沢一郎党首の発言に対して、何らかの抗議なり意見を今まで表明してきたか。もししたのなら、何月何日にどのような内容であったのか明らかにされたい。

14. 福田官房長官や小泉首相は現内閣での核武装の可能性は否定しているが、核武装そのものを悪と明言してはいない。こうした一連の発言について、我が社はどのような対応を今までしてきたのか明らかにされたい。


 ●バックエンド

1. 当期中で原子力発電環境センターに支払った高レベル放射性廃棄物の処分のための費用はいくらか。

2. その金額に相当する期間と発電量、使用済み燃料のトン数、ガラス固化体で何本分かを明らかにされたい。

3. 原子力発電施設解体引当金は当期末でいくらか。それは全保有原発の解体見積額の総額の何%が積み立て済みか。

4. すでに具体的に解体費用が見積もられている発電所の例から計算すると、将来、原子力発電所の解体費用が積み立て金額を上回る可能性も十分に考えられる。不足分は補うことが可能であるか。どのような形で補うのか。

 ●核燃料サイクル開発機構・高レベル放射性廃棄物等について

1. 本社の職員は、核燃料サイクル開発機構に出向しているか。

1) 出向しているとしたら何人で、どんな職種から出向し、どこの事業所の、どの部署で仕事をしているか。

2) 出向しているとしたらその給与は本社が支払っているか。

2.本社と核燃料サイクル開発機構の協議の有無、あるとしたら協議の機関名、担当部署と協議参加人数。

3.本社は昨年度、核燃料サイクル開発機構の東濃ウラン鉱山見学について、何人案内したか、各営業所ごとに人数を示されたい。

4.本社から原環機構への出向について

1)出向者の人数、本社での職種

2)原環機構での担当部署

3)出向中の給与の支払い者はどこか。

5.本社の高レベル放射性廃棄物返還分は昨年度何本か。

6.高レベル放射性廃棄物中間貯蔵保管料金ついて

1)98年以来、いくら支払ったか。年度毎の保管料金を示されたい。

2)最終処分までに、海外返還高レベル放射性廃棄物保管料はいくらになると、予測しているか。

7.高レベル放射性廃棄物最終処分費用について

1)2002年3月までに処分実施主体・原子力発電環境整備機構に総額いくら支払ったか。

2)その処分費用はどの費目から支払ったか。

3)処分費用を電気料金に上乗せするのは、いつ頃と予測しているか。

8.30アンペア契約家庭が、1万円の電気料金を当社に支払ったら、その中に占める税金
の種類と、割合と具体的な金額を明示されたい。


 ●長期債務

1. 長期投資のうち、核燃料サイクル開発機構(旧動燃)への出資証券の計上額はいくら減額され、いくらの損失を出しているのか。

2. 市場性のない出資証券を、どのような事情で、どのような評価方法で減額したのか。

3. 政府の方針では、核燃料サイクル開発機構は、日本原子力研究所に統合され、廃止されることが決定している。この場合、出資証券はどのような扱いになるのか。(評価額はゼロになるのか。それとも、統合後の組織への出資に切り替えられるのか。)

 ●その他の質問

1. 当期のキャッシュフローについて説明していただきたい。

2. 当期末の有利子負債残高はいくらか。また、当期の社債・借入金の平均利率は何%か。

3. 装荷核燃料は、何億円分あり、それは何トンの価額になるのか。

4. 営業費用明細表には「諸費」の項目で、無償利益供与が含まれているとの注釈がある。当期の無償供与の総額はいくらで、何に対してのものか。

5. 当期の退職慰労金はそれぞれいくらで、その総額はいくらになるのか。

6. 役員報酬について、それぞれ公開されたい。公開できないのであれば、その理由を明らかにされたい。

7. 5月7日、我が社は浜岡原発1号炉の事故により国民の信頼を損ねた反省として、役員報酬を6ヶ月間10%カットすると公表した。その後、2号炉で重ねて地元や国民の原子力に対する信頼をさらに大きく損ねる事故を起こしている。他電力では、事故を起こしたわけでもないのに、将来の自由化競争に備える目的や収益の悪化のために役員報酬を1割程度削減する会社が複数ある。例えば東京電力の取締役は、収益は上がっていても3年間役員報酬を10%カットすると宣言している。我が社の役員報酬のカットの割合は今のままでよいのか。2号炉の事故に対する責任はどのようにとろうと考えているのか。

8. 芦浜原発計画が白紙撤回され、海山町でも住民投票によって原子力発電所の建設が拒否された。今現在、中部電力として芦浜原発の代替をどこか考えているならば、その地点を明らかにされたい。

9. 芦浜原発用地の将来計画を明らかにされたい。

10. 電源三法の基金のため、電気料金の中に加算しているように、電気料金の中に加算されているすべての科目と1kWhあたりの金額はいくらか。

11. 原発の稼働期間を40年間として解体引当金は計算されているが、日本原電の東海発電所は32年で廃炉になった。浜岡原発1,2号炉は老朽化が考えられ、40年の稼働は困難である。このような場合に備え当社はどのような方法で資金の積み立てをするのか示されたい。


12. 裁判の原告であるとして株主に対しても当社は、資料の公開や質問の回答をしなかった。その法的な根拠を明らかにしてほしい。

13. 「浜岡2号炉の運転再開するため、地元住民への説明のため多くの社員を動員し理解活動をした。しかし、2号炉はすぐに事故を起こしてしまい、理解活動をしたがために、さらに信頼を失墜させたと言える。このような措置をどの部署で誰が決めたのか?また、何人の社員を何時間働かせたのか?その費用はいくらか?この責任は誰がとったのか?

14. 当社の浜岡原発2号機で5月に起きた冷却水漏れ事故を機に、廃炉を求める意見書や申し入れが周辺自治体の議会で相次ぎ、既に4市町に上っている。また、静岡市議会でも7月には同様の動きがあり、周辺住民は当社の原発に対して大きな不安を抱いている証拠である。それでもなお、当社は1,2号炉の運転再開をするのか?

15. 一部上場企業の内ほとんどの企業が提案していないが、当社は第3号議案で、監査役の責任免除を提案している。当社はどのような狙いで、どのような理由であえて提案するのか、詳しく説明されたい。また株主総会ではなく取締役会の決議としたのも同様に説明されたい。

 ●徳山ダムについて

1. 徳山ダムと杉原ダムで約1500億円を投じて開発されるのは42.4万キロワットにすぎず、風力等の自然エネルギーの実験施設に比べても、発電単価は非常に高い。徳山ダム発電所で作る電力は「電源開発株式会社から当社が全量買い取」ることは決定されているが、「受給料金は発電所が運転開始するまでに、双方協議の上、適正に決めることになっています」とのことで、受給料金がどうなるのかの見通しも示されていない。一方、電発を管轄する資源エネルギー庁は、徳山ダム発電所建設経費が最終的にはなお高騰する見込みであることに懸念を示している。徳山ダム発電所で作る電力は、その投資コストに見合うように料金を設定すれば、とてつもなく高価なもになるのは明らかである。 今後電力需要の大幅伸びは考えられない。環境を破壊しコストを度外視した徳山発電所・杉原発電所の建設を進める理由は存在しない。

1) 電源開発株式会社からの買電は、当社の経営の負担となるおそれがあり、株主としては大きな不安を抱かざるをえない。早期にこの計画からの撤退を決断するべきだと考えるが、いかがか。

2) 最近の当社の計画から、杉原ダム建設については、具体的なものが消えている。揚水発電ダムは余りにもムダの大きいことが明らかになっている。建設を断念すべきと考えるがいかがか。

78期 中部電力株主総会<会社側一括回答

 まず,「当社の経営環境とその対応」についてでございますが,先ほど,営業報告の「対処すべき課題」でご説明いたしましたとおり,電力小売り自由化が3年目を迎え競争は本格化しており,また長引く景気低迷により電力需要が伸び悩むなど,電気事業を取り巻く環境は変化しております。また,総合資源エネルギー調査会電気事業分科会では,現行の電気事業制度の検証を踏まえ,今後のあり方について審議を行っております。このような経営環境の変化に対応するため,当社は,電気事業分科会におきまして,公益性と効率性を両立させることを大前提として,「責任ある供給者」としての立場から,我が国に相応しい電力供給システムのあり方について,しっかりと意見を述べてきております。

 また,当社は,優れたサービスのご提供を通じ,引き続きお客さまや株主・投資家のみなさまに信頼・選択される企業を目指すとともに,当社の保有する経営資源を最大限に活用し,中電グループ全体での事業発展を目指してまいります。
 そして,これまでと同様に,電力設備の形成にあたっては,需要動向等の情勢を踏まえたうえで,電力の安定供給を前提に,採算性・収益性を確保すべく柔軟な対応を図ってまいるとともに,地球環境の保全に努め,地域の産業や生活の基盤を支える企業としての責務を果たしてまいる所存でございます。
 なお,これまでも当社は,経営環境の変化に対しましては,経営全般にわたる効率化の推進,組織体制の見直しなどにより適時適切に対応してきており,現時点におきましてもこの考えに変わりはなく,地域別分社化ということは考えておりません。

 「当期のキャッシュ・フロー」につきましては,連結決算ベースで作成しております。営業活動によるキャッシュ・フローは,6,630億円,投資活動によるキャッシュ・フローは,4,476億円となっております。
 投資活動によるキャッシュ・フローを上回る2,154億円につきましては,配当金の支払いや,有利子負債の圧縮に振り向けております。
 その結果,「当期末の有利子負債残高」は,4兆1,850億円となりました。また,その平均利率は2.3%程度となりました。

 「電気料金の原価」につきましては,電気事業法および供給約款料金算定規則に則り,算定しております。
 また,電気料金の中には,法人税,電源開発促進税,固定資産税および事業税等が含まれております。なお,電気料金全体の原価に占めるこれらの金額の割合は,約8パーセントとなっております。

 「電源開発」についてでございますが,電力需要に応じて,エネルギーセキュリティ,経済性,環境負荷特性,運転特性等を総合的に勘案しながら,水力・火力・原子力といった各種電源をバランスよく開発すべきであると考えており,今後も変わりはございません。

 「電源構成」につきましては,地球環境問題等を勘案しつつ,安価で安定した電気をお届けするため,原子力・石炭・石油・LNG・水力のバランスのとれた電源構成を目指していくべきであると考えております。
 石炭は,石油やLNGに比べて,資源量が豊富であり,埋蔵地域の偏りもないため,エネルギーセキュリティおよび経済性に優れておりますので,発電技術の高効率化や石炭ガス化複合発電の技術開発に取り組むなどして,今後とも石炭火力発電の利用拡大を進めてまいります。

 「発電コスト」につきましては,平成13年度の営業費用における送電端の電源別発電単価は,1kWh当たり,水力が7円67銭,火力が7円82銭,原子力が7円76銭となっております。この電源別の単価には支払利息,一般管理費等は算入しておりません。
 なお,水力発電は一括してとらえており,一般・揚水別には整理しておりません。また,平成13年度の他電力からの電力購入の実績は,82億kWh,741億円となっております。

 「徳山・杉原水力発電所」についてでございますが,当地点は,エネルギー資源の少ない我が国において,純国産である水力エネルギーを開発できる限られた地点であり,エネルギーセキュリティ,経済性,環境負荷特性,運転特性等を総合的に勘案しますと,必要かつ有効な電源と考えております。
 徳山発電所は,混合揚水式発電所であり,杉原発電所を含めた両発電所は,ピーク電源としての最大電力と発生電力量の両面から電源として寄与いたします。
 徳山発電所の電気は,電源開発株式会社より当社が全量受電することとしておりますが,今後,受給料金について適正な水準となるよう協議してまいります。
 なお,杉原発電所は,平成14年度供給計画では,従来どおり平成20年度の運転開始としております。

 「地球環境問題への取り組み」についてでございますが,政府は,「京都議定書」の温室効果ガスの排出削減目標の達成に向けて,森林吸収により3.9%の削減,革新的技術開発および国民各界各層の努力により2.0%の削減などの個別目標を掲げ,平成20年から24年の5年間に,平成2年の排出量レベルより6.0%の排出削減を達成しようとしております。このうち,電気事業に関わりのあるエネルギー起源のC02排出削減目標は,プラス・マイナス0%となっております。
 当社を含む電力会社は,平成11年に電気事業連合金において自主行動計画を策定し,平成22年度における1kWh当たりのC02排出量を,平成2年度と比較して20%程度低減するという高く・厳しい目標を掲げております。

 当社における平成13年度のC02排出量は,平成2年度と比べて,電力需要が21%増加したにもかかわらず,14%の増加に抑制することができました。これは,1kWh当たりのC02排出量を,当時と比較して5%低減したことによるものでございます。なお,原子力発電は,C02排出量を抑制するための手段として非常に有効でございますので,安全確保を最優先に引き続き積極的に推進してまいります。

 太陽光,風力などの「自然エネルギー発電」につきましては,地球環境問題解決の観点から,当社事業場に設置するなどして,諸課題の解決に向け研究開発を行い,普及促進に努めております。
 また,従来から,自然エネルギーの普及促進などの観点から,太陽光発電や風力発電について,「余剰電力購入制度」を通じた積極的な購入を行っております。
 しかしながら,現状では,自然エネルギーは,経済性や供給の安定性に課題があるとともに量的な確保も困難でございますので,これらを含めた分散型電源と既存の電源とは,お互いの特長を生かして補完し合うことが大切であると考えております。

 自然エネルギーによる電気の購入については,太陽光発電によるものと,自家消費を主体とする風力発電によるものは,お客さまへの販売単価と同じ価格で購入しております。また,事業目的の風力発電についても,長期契約を前提とした価格を適用するなど,企業として最大限の支援を行っております。
 現時点では,自然エネルギーを電源とする電気をプレミアム付きの料金で販売することは考えておりませんが、自然エネルギー発電の推進にご賛同いただけるお客さまから寄付金を募り,それを風力・太陽光発電の普及促進に役立てる「中部グリーン電力基金」に,当社としても積極的に参画しております。

 「ディマンド・サイド・マネジメント,DSM」につきましては,従来から,その重要性を認識し,高効率機器の推奨,季節別時間帯別料金制度や蓄熱割引制度の導入など,我が国の実状にあった様々な施策を講じてきており,今後ともその拡充に努めてまいります。

 「オール電化住宅」につきましては,負荷平準化に資する深夜電気温水器や,エネルギー効率の高いクッキングヒーター等の機器を備えた住宅であり,エネルギーの効率利用に資するものであると考えております。

 また,一般的に,住宅の気密性・断熱性は高まる傾向にあり,室内での燃焼がなくエネルギー効率の高い電気機器を備えたオール電化住宅は,エネルギーを有効に利用できる住宅であると考えております。

 「原子力発電」についてでございますが,まず「原子炉への装荷燃料」については,平成13年度末時点で,浜岡1号機から4号機の合計で421トンあり,燃料価額は396億円であります。

 次に,「浜岡原子力発電所1号機の余熱除去系の蒸気凝縮系配管の破断」についてでございますが,破断の原因は,原子炉内で水の放射線分解により発生した水素が蓄積・燃焼したことによるものであることから,水素を蓄積させないことを根本的な対策としております。
 水素注入については,現在実施している注入量では主蒸気中に含まれる水素濃度が注入前よりも低下することを確認しており,今回のような破断につながるものではありません。
 また,貴金属注入については,水素を蓄積させないことを根本的な対策としているため,貴金属が存在しても燃焼する水素が存在しないことから,問題ないと考えております。
 このことから,原子炉内の応力腐食割れ対策として,水素注入および貴金属注入を継続することに問題はないと考えております。

 水素や酸素等の非凝縮性ガスが蓄積するメカニズムですが,実機大の試験装置を用いたガス蓄積試験などから推定した結果は,妥当なものと考えております。
 また,水素が着火に至るメカニズムについても,着火試験から推定した結果は妥当なものと考えております。
 これらの結果については,経済産業省原子力安全・保安院および原子力安全委員会から妥当なものであると評価されております。

 ドイツのブルンスビュッテル原子力発電所の事象につきましては,当社は,現地へ社員を派遣し,同発電所の状況およびドイツの同型炉における対策状況や水素蓄積に対する知見等について調査を実施いたしました。
 また,本年4月には,原子力安全委員会事務局が同発電所を訪問調査し,5月の同委員会原子力事故・故障調査専門部会ワーキンググループに事故の状況,ドイツの安全規制体系等について報告しております。

 なお,浜岡1号機から4号機の原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管の構造は,ブルンスビュッテル発電所とは異なり,当該部位は水に満たされており,蒸気が行くことはないことから水素の蓄積はありません。
 先程も申しあげましたが,根本的な対策は,水素を蓄積させないことです。浜岡1号機から4号機について,水素が蓄積・燃焼する可能性がある個所を調査した結果,1・2・3号機とも余熱除去系の蒸気凝縮系配管のみであり,4号機については該当する箇所がないことを確認しました。

 蒸気凝縮系は,原子炉が隔離された場合の炉心の崩壊熱の除去手段として設置されたものです。しかし,原子炉隔離時の炉心の崩壊熱除去については,通常の運転方法として,主蒸気を「逃がし安全弁」によりサプレッション・プール水中に放出するとともに,原子炉隔離冷却系の補給水により原子炉の水位維持を行うことが可能であり,蒸気凝縮系の機能をなくしても問題はありません。

 蒸気凝縮系は,安全上必須な機能ではないことから,高圧注入系と同時に損傷したとしても,安全機能を有する2つの系統が同時に機能を喪失することにはなりません。
 なお,原子炉内から発生する水素の量ですが,浜岡1号機を稼働率80%で1年間運転するのに,約2千万トンの蒸気が必要であり,この中には,百万分の2程度,約40トンの水素が含まれます。この水素は,気体廃棄物処理系で水に戻しております。

 原子力発電所の安全確保対策につきましては,「放射性物質に対して周辺の方々と発電所で働く人々の安全を確保すること」を大前提として,多重防護の考え方に基づき,異常の発生防止,事故への進展防止,放射性物質の放出防止という3段階の対策を,設計,建設,運転の各段階で実施しております。
 今回の配管破断事故では,当該配管の水素蓄積は予見できませんでしたが,配管破断後速やかに隔離弁が閉弁して蒸気漏えいが停止し,放射性物質は原子炉建屋内に閉じ込められ,環境への影響はありませんでした。これは,多重防護により原子力発電所の安全性が確保されていたものであります。
 原子力発電所では,考えられる様々な事象のうち最も厳しい事象が発生したとしても,安全が確保される設計としており,その意味では,今回の配管破断は予め想定された範囲内の事象でした。

 次に,「浜岡原子力発電所1号機の制御棒駆動機構ハウジング部からの水漏れ」についてでございますが,1号機の残り88本と2号機の137本全てのハウジングの点検には,1ミリメートルの40分の1のワイヤを識別することができる,解像度のよい水中カメラを使用し,異常のないことを確認いたしました。

 応力腐食割れは,材料,環境,応力の条件が重なれば発生の可能性がありますが,必ず発生するというものではなく,いわゆる「老朽化」とは考えておりません。また,応力腐食割れは,表面より発生するものであるため,原子炉圧力容器内側からの目視検査で確認が可能です。

 モックアップ試験は,製作当時の材料を用い,当時の溶接条件・手順に従い,実機と同一サイズで忠実に再現して実施したものであり,調査結果は妥当なものと考えております。なお,この結果は原子力安全・保安院および原子力安全委員会からも妥当であるとの評価を受けております。

 今回取り替える制御棒駆動機構スタブチューブの周辺は,中性子照射量が十分低いことから,中性子脆化(ぜいか)は進んでおらず,溶接時の残留応力に影響はなく,問題とはなりません。

 1号機の運転再開日については,対策を確実に行うことが優先であり,運転再開はそれからのことと考えております。
 8月20日を目途に運転再開というものは,平成14年度供給計画の届出にあたり,運転計画を想定したものであり,この日程で運転再開すると決めたものではありません。

 1号機の事故に対する原因究明,対策費については,現在の見積もりでは,1・2号機合わせて80億円程度となります。
 2号機の水漏れについては,原因調査・対策内容がまとまったところであり,対策工事の全体がはっきりしておりませんので,現段階では申しあげられません。
 燃料費の焚き増しによる平成13年度の収支影響額は,100億円程度と見込まれます。
 平成14年度の収支影響額は,1・2号機の運転再開時期がはっきりと決まっておりませんので,現時点では申しあげられません。

 「浜岡2号機」につきましては,1号機の事故を受け自主的に運転を停止し,余熱除去系の蒸気凝縮系配管への仕切弁設置,制御棒駆動機構ハウジング部の全数点検,過去のプラント運転データの確認,設備の耐震性チェック等を実施し,5月24日に起動いたしましたが,配管溶接部からの水漏れが発見されたため,手動停止いたしました。その原因でございますが,当該水抜き配管が,低圧注入管の振動と共振して,溶接部に大きな力が繰り返し加わったことによるものと推定いたしました。当該部分の対策としては,支持金具の取付位置の変更等をすることといたします。

 2・3号機の運転再開につきましては,地元を始めみなさまへのご説明を経て行ったものであり,ご理解をいただいたと考えております。
 特に,2号機の運転再開にあたりましては,地元5町のみなさまに対し,1号機事故の原因と対策や耐震チェックなどについて訪問対話活動を,浜岡原子力総合事務所の所員約450人が,4月30日から5月10日に,実施いたしました。これは,広報活動の一環であり,費用の算出はできません。
 また,プラント起動に際しては,安全・安定運転に必要な機器の外観点検,作動確認等を実施するとともに,通常の定期点検後の起動時と同様の工程で,温度・圧力などの監視項目や設備・機器の状態を一つ一つ確認しながら起動したものであります。

 浜岡原子力発電所では,定期点検で設備に応じ,その品質,機能などを確認するとともに,必要に応じ機器の取り替えなどの予防保全対策の実施や最新の知見の反映に努めております。
 配管については,供用期間中検査としての非破壊検査による点検や超音波による肉厚の点検など,さまざまな点検手法により健全性を確認しております。

 原子力発電は,経済性,長期的な電力の安定供給確保,地球環境問題の観点から優れた電源であり,浜岡1・2号機ともに引き続き当社にとって必要な電源と考えています。1・2号機については,種々の対策を確実に実施したうえで,一層の安全確保に全力で取り組んでいく所存です。廃炉については,考えていません。

 「浜岡原子力発電所3号機」につきましては,昨年9月より定期点検を実施しており,この間に1号機事故への対応を実施しました。
 配管破断への対応として,配管内に水素が蓄積・燃焼する可能性のある部位が,原子炉隔離冷却系から分岐している余熱除去系の蒸気凝縮系配管のみであることから,配管内への水素の蓄積を防止するため,分岐部に仕切弁を設置しました。なお,その他に水素が蓄積する箇所はありません。
 また,制御棒駆動機構ハウジング部からの漏えいへの対応として,過去のプラント運転データの確認や原子炉圧力容器の耐圧試験による確認を行うとともに,圧力容器の下部に露点温度の測定点を設置し,監視を強化しました。
 これらの対応につきましては,昨年12月に,原子力安全・保安院より,妥当であるとの見解が示されております。

 今回の事故等に関する申し入れについては,スケジュールや会場などの都合により,対応できなかったこともありますが,誤解のないよう直接お話のできる説明会や勉強会を設けるなどして,誠意を持って対応してきております。
 昨年12月1日の浜岡原子力館での抗議文の提出については,対応させていただく準備をしておりましたが,一般のお客さまにご迷惑がかかるような状況が発生したため,今後このようなことがないよう直接お願い申しあげた次第でございます。

 仮処分事件に関する資料等については,債権者の方々とは,必要に応じ裁判所を介してやり取りすべきであると考えており,裁判所外で直接やり取りすることは控えさせていただいております。

 なお,新聞折込に関しまして,当社から販売店に配布を取りやめるように働きかけた事実は一切ございません。

 次に「浜岡原子力発電所の耐震安全性」についてでございますが,想定されるいかなる地震力に対しても,大きな事故の誘因とならないよう十分な耐震性を有した設計をしております。
 具体的には,「マグニチュード8.0の東海地震を上回る,マグニチュード8.4の安政東海地震」,さらに「マグニチュード8.5の限界地震」を,いずれも敷地が震源域内に含まれる足下(あしもと)の地震として考慮し,余裕を見て設計用基準地震動を設定しております。この設定の際には,実際の地震観測記録を再現できる計算手法により詳細に地震動を評価しております。
 また,原子炉建屋などの重要な建物・構築物は,相良(さがら)層という堅固な岩盤上に設置しております。
 さらに,「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」に基づき,水平地震力の2分の1の静的な鉛直地震力にも耐えられるよう設計するとともに,原子力発電所の重要な建物は,上下動に対して極めて強い鉄筋コンクリート壁式構造を採用しております。

 これらの浜岡発電所の耐震安全性については,国による安全審査において,多くの学識経験者を含めた審査により確認されており,設計,建設,運転の各段階において,国による厳重な審査・監督の下で万全を期しております。
 さらに,原子炉を自動的に停止させる地震検知装置を設置しております。

 東海地震については,昨年,中央防災会議により見直された新しい想定震源域は,従来の想定震源域に比べて西側,すなわち,浜岡発電所から遠くなる方に拡がっており,地震の規模はマグニチュード8.0程度と従来と変わらないため,東海地震に対する安全性は確保されているものと考えておりますが,今後とも,新知見に対しては積極的に対応してまいります。

 「耐震設計審査指針」については,平成7年の兵庫県南部地震を踏まえましても,その考え方が妥当であることが,原子力安全委員会の検討会において確認されております。
 なお,この地震においても,すべての建物が倒壊したわけではなく,基準に基づき耐震性に配慮された建物については被害がほとんど無かったことが,建築学会等から報告されております。

 浜岡発電所周辺地域では,限界地震としてのマグニチュード8.5の地震は起きておりませんが,マグニチュード8.4の1854年の安政東海地震の際,岩盤上にあったために耐えた民家があることが知られております。
 安全上重要な原子炉圧力容器,およびこれに接続される配管などの原子炉冷却材圧力バウンダリについては,マグニチュード8.5の限界地震に耐えられるよう設計されており,原子炉の冷却材が失われることはありません。
 原子力発電所の機器,配管等は,それぞれの振動特性を考慮するとともに,その設備が設置されている各建屋の揺れ方の違いを考慮して設計しております。
 具体的には,原子炉建屋とタービン建屋はともに岩盤の上に隣接して設置されており,振動のずれはさほど大きなものとはなりませんが,建屋間を貫通する渡り配管については,それぞれの建屋が逆方向に最大揺れた場合を考慮して設計しております。

 制御棒駆動機構についても,限界地震に対して機能が維持されるよう設計されており,地震時の制御棒の挿入性については,多度津工学試験所の大型振動台等にて実機を模擬した試験体により,限界地震を超える地震動に対しても規定時間内に制御棒が挿入されることが確認されております。
 なお,制御棒のスクラム挿入時間は,1・2号機が90%挿入位置で3.5秒以下,3・4号機が75%挿入位置で1.62秒以下,5号機が60%挿入位置で1.44秒以下となっております。

 また,上下方向の加速度が作用しても挿入性に影響しないことは,多度津の実証試験においても確認されております。多度津の振動台は,水平1方向,上下方向の2次元加振ができます。
 構造物にとって,最も厳しい方向に加振することにより,その構造物の最低の強さを確認することができるため,水平方向は1方向加振でも十分機器の耐震性は確認できます。また,必要に応じて,試験体を90度回転して載せ替えて再度加振することにより,2方向加振と同等の確認を行っております。

 「耐震設計審査指針」策定前の旧基準により設計された浜岡1・2号機の耐震安全性は,指針策定後に設計された3から5号機と同じ地震動を用いて評価し,十分安全であることを確認しております。
 その結果は,国に説明し確認されており,「浜岡原子力館」,「でんきの科学館」にて公開をしており,その中には,原子炉建屋などの地震応答解析結果や耐震性評価結果が記載されております。

 浜岡1・2号機については,運転開始から20数年が経過しておりますが,経年変化を考慮して十分に余裕を持って設計しております。また,運転開始後は年1回の定期的な検査により,設備の重要度に応じ,その品質,機能等を確認し,必要に応じて設備を取り替えるなどの予防保全対策を実施しております。
 建物についても,これまでに,必要に応じてコンクリートのサンプルを採取し,強度をはじめとして劣化のないことを確認しております。

 しかしながら,地元のみなさまに東海地震への懸念があることから,本年2月から4月にかけて現場での点検による耐震チェックを実施し,現時点でも耐震性が確保されていることを確認しております。

 コンクリート強度の測定にあたっては,反発度法により表面の反発度から強度を測定するとともに,一部内部からもコアサンプルを採取して,強度を測定いたしました。
 コアを採取した空間部は,十分な強度のモルタルにより補修しており,強度低下はありません。
 これらのコンクリート強度は,建設当初および今回の耐震チェックにおいても設計基準強度を上回ることを確認しております。
 コンクリートの設計基準強度は,各号機毎に使用材料の条件に合わせて適切に設定しており,それぞれの設計基準強度に応じて,部材の大きさや厚さの設計を行っているため,耐震安全性は確保されます。

 耐震チェックの結果については,新聞広告やホームページなどでお知らせしており,また,公募で参加していただいたお客さまに現場をご見学いただくとともに,実際の耐震チェックを体験していただいております。
 このように,耐震安全性に関する情報につきましては,対話活動などの機会を通じて誠実かつ丁寧な説明を行いご安心いただけるよう努めております。
 したがって,公開討論会を開催する考えはありません。
 以上のように,浜岡原子力発電所は,十分な耐震設計を施しており,地震が原因で原子力災害が発生し,みなさまに損害を与えることはないと考えております。

 「原子力損害の賠償に関する法律」における「異常に巨大な天災地変」については,日本の歴史上あまり例の見られない大地震,大噴火,大風水災(だいふうすいさい)等をいいます。例えば,関東大震災は巨大であっても異常に巨大なものとはいえず,これを相当程度上まわるものとなります。

 また,東海地震の前に浜岡発電所を停止させておく必要性はないと考えておりますが,警戒宣言が発令された場合には,需給状況を勘案しプラントを停止することにしております。

 次に,プルサーマル」についてでございますが,ウラン資源の有効利用を図る技術であり,エネルギー資源に乏しい我が国にとって,将来にわたるエネルギー源を確保する上で,欠かせないものであります。このため,当社といたしましても,適切な規模のプルサーマルは必要であると考え,2000年代のできるだけ早い時期に浜岡の1基で実施したいと考えております。現在,どの原子炉で行うのかなど,具体的なプルサーマル計画については,燃料の加工先も含めて,検討中です。

 現在は,プルサーマルについて,様々な機会に一般的な説明をさせていただいておりますが,静岡県へ具体的な計画の説明・申し入れはしておりません。プルサーマル計画を進めるためには,まず信頼回復が必要であり,浜岡での事故等の理解活動を最優先に実施しております。計画が固まりましたら,地元へご説明をし,ご理解をいただきながら,進めてまいりたいと考えております。

 なお,仮に計算しますと,1号機から4号機全てに炉心装荷率3分の1までMOX燃料を装荷した場合,燃料1体当りの平均プルトニウム量が6から8キログラム程度ですので,1年間に1号機が0.3トン,2号機が0.5トン,3・4号機がそれぞれ0.6トン,合計約2トンのプルトニウムを利用することができます。

 「回収ウラン」については,一昨年11月に原子力委員会が決定した「原子力の研究,開発及び利用に関する長期計画」において,「使用済燃料を再処理して回収されるウラン等を有効利用することを国の基本釣考え方とする」とされています。当社は,この考え方に基づき,回収ウラン利用の具体的な計画を,時期等も含めて現在も検討中です。

 「使用済MOX燃料の再処理」については,「原子力長期計画」において,「六ヶ所再処理工場に続く再処理工場は,2010年頃から検討することが適当」とされており,再処理するまでの間は,発電所内で適切に貯蔵・管理することとしています。
 なお,六ヶ所再処理工場に続く再処理工場に関する検討は,事業主体を含め,2010年頃から開始されると認識しておりますので「日本原燃株式会社への出資等」につきましても,現時点では決まっておりません。また,MOX燃料加工工場の建設に関する日本原燃への増資につきましても,現時点では決まっておりません。

 「使用済燃料の再処理」については,使用済核燃料再処理費は,467億円で,前年度に比べますと,288億円増加しております。
 その増加は,平成13年度に一部の使用済核燃料の再処理が完了したことによるものでございます。当期末の再処理核燃料の価額は112億円で,数量は887トンとなっております。
 使用済核燃料再処理引当金の当期の引当額は473億円であります。当期の目的使用額は144億円で,これは,再処理およびガラス固化が完了したことなどにより取り崩したものであります。当期の再処理完了数量は54トンで累積では564トンです。当期に取り崩した額のうちガラス固化に使用された額は,詳細にわたる事項でございますので,回答は差し控えさせていただきますが,ガラス固化完了数量は51トンで,ガラス固化体28本分となっております。

 次に「日本原燃株式会社」については,平成13年度末における当社の債務保証額は,1,498億円となっており,日本原燃の長期借入金は,1兆1,719億円,累積赤字は,284億円となっております。
 日本原燃が実施した平成13年度の増資総額は,300億円で,うち当社は31億円を引き受けており,使用済燃料再処理施設の建設資金に充当されます。日本原燃に対する,平成13年度までの再処理料金の前払金の総額は,611億円であり,電気事業会計規則に基づき「加工中等核燃料一雑口」に整理しております。
 なお,日本原燃には,使用済み燃料を224体,ウラン重量にして約39トンを輸送済みです。

 次に,「高レベル放射性廃棄物」についてでございますが,「当社が原子力発電環境整備機構に納付した高レベル放射性廃棄物の最終処分のための費用」は,平成12年度が82億円,平成13年度が55億円で,合計137億円を拠出しております。同機構に拠出された資金の管理は,法律に基づき,原子力環境整備促進・資金管理センターが行っております。

 平成13年度の納付額55億円については,対象期間は平成13年1月1日から12月31日までです。平成11年12月31日までの発電電力量の15分の1に相当する高レベル放射性廃棄物の最終処分費用も含まれておりますので,これらを合計すると,55億円に相当する発電電力量は約480億kWh,使用済燃科は約150トン,ガラス固化体は約155本となります。
 なお,この費用は,「特定放射性廃棄物処分費」として整理しております。

 高レベル放射性廃棄物の処分費用拠出金については,平成12年10月に実施した料金改定より適正に電気料金原価に算入しております。

 高レベル放射性廃棄物の返還本数は,平成13年度は28本であります。保管に関する具体的な金額は,契約上のことで相手方もあることから公表は差し控えさせていただきます。
 また,最終処分までの貯蔵保管料金は,最終的な貯蔵本数,返還時期等が未定であり一概には申しあげることができません。なお,総合エネルギー調査会の試算では,1kWh当たり5銭となっております。

 「高レベル放射性廃棄物地層処分の広報活動」については,原子燃料サイクルの必要性をご理解していただく一つの方法として,東農地科学センターへの見学を行っており,平成13年度は,162名をご案内いたしました。
 事業場ごとの内訳は,半田営業所34名,岐阜支店38名,関営業所31名,岡崎支店44名,伊那営業所15名となっております。
 なお,当社と核燃料サイクル開発機構の間で,高レベル放射性廃棄物に関連する超深地層研究所や東濃鉱山についての協議はございません。

 次に,「原子力発電施設解体引当金」につきましては,その残高は,平成13年度末で777億円でございます。これは,浜岡1号機から4号機の解体費用の総見積額の40%程度となっております。
 また,「廃止措置費用」は,経済産業省令「原子力発電施設解体引当金に関する省令」に基づき,人件費や物価等の変動も考慮して算定しており,妥当なものであると考えております。

 原子力発電所につきましては,年1回実施する定期点検におきまして,設備の入念な点検を実施するとともに,点検結果等に応じて適切な予防保全対策を実施していくことで,安全性を確保できると考えております。
 先ほど申しあげたとおり,当社にとって浜岡1・2号機は必要な電源であり,廃炉については考えておりません。

 次に「核燃料サイクル開発機構」につきましては,「同機構への出資証券の減損処理」は,財政状態が悪化し,出資証券の実質価額が著しく低下したと判断される状態となったため,減損処理を実施いたしました。これは,「金融商品に係る会計基準」に基づいた適正な処理でございます。なお,評価損の計上額は,80億円でございます。

 核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所の統合については,承知しておりますが,出資証券の取扱いなどの詳細については,現時点では不明であります。
 また,同機構に対する人的支援としては,原子力部門から5人,事務部門から2人,計7人を出向させており,本社経営企画本部,経理部,広報部に各1人,大洗工学センターに1人,新型転換炉ふげん発電所に3人が勤務しております。

 「原子力発電環境整備機構」につきましては,人的支援として,原子力部門から2人,土木部門から1人,事務部門から1人,計4人を出向させており,技術部に1人,業務部に3人が勤務しております。

 両機構の事業とも,原子力の健全な発展に十分役立つものであり,当社にとってもメリットがあるため,出向者の人件費は,当社が若干の補填をしております。

「原子力の平和利用」につきましては,わが国は「原子力基本法」に則り,民主・自主・公開の原則の下に,原子力を平和目的利用に限定しており,必要以上のプルトニウムを保有しないことを原則としております。当社といたしましても,IAEA(アイ・エー・イー・エー)の査察を受け,平和利用以外の目的で使われていないことについて確認を受ける等によって,核物質の平和利用の透明性の確保に努めております。

 次に,「芦浜地点」についてでございますが,芦浜の土地は,適切に土地保全および山林管理を行っております。また,土地の有効な活用方法につきましても,現在,検討を行っているところであります。
 原子力発電は,エネルギーの安定供給および地球温暖化防止の観点から必要と考えておりますので,新たな地点を早期に具体化できるよう,現在,調査・検討を行っておりますが,現時点では,具体的な開発計画はございません。

 「当期の退任慰労金および役員報酬」につきましては,当期の退任慰労金の総額は,第78期附属明細書記載のとおり24億6,300万円でございます。
 平成13年度の使用人分を含んだ取締役の報酬は,退任慰労金を除き賞与を含めますと,9億5,400万円となり,監査役の報酬は,同じく1億5,400万円となります。
 役員の報酬は,改選後の平成13年7月から,報酬額の引き下げを実施いたしております。
 また,浜岡発電所1号機の事故に関しまして,社会の原子力発電に関する信頼を損ねたこと,2号機を含め,長期間にわたり発電を中止せざるを得ない状況に至ったことに鑑み,社会的・道義的観点から関係する役員に対して減給措置を実施しております。
 なお,浜岡発電所2号機に関する役員の措置は,現時点では考えておりません。

 次に「当期の無償の利益供与の総額」につきましては,20億円でございます。その内訳は,「寄附金」と「慶弔関係費」であり,財団法人や地方公共団体に対する寄附金が大半でございます。

 最後に,「第3号議案のうち役員の責任免除の提案」についてでございますが,企業統治関係の改正商法が,平成14年5月1日に施行され,定款の規定に基づく取締役会決議により,商法の定める範囲内で,賠償責任額を免除することができるようになりました。これに伴い,商法に則り定款に取締役および監査役の責任免除規定を新設することとしご提案した次第でございます。

   以上をもちまして,ご説明を終わります。

以 上


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