2000年株主総会

 事前質問に対する一 括回答

2000年の脱原発株主提案
2000年の事前質問


<第76期株主総会「一括説明」>

 副社長の下川でございます。
 株主さまから、3通、138問と多数のご質問を頂戴しておりますので、項目毎にとりまとめて、ご説明をさせていただきます。

 まず、「電力自由化への対応と事業体制のあり方」についてでございますが、
 本年3月21日に施行された改正電気事業法に基づく新しい電力供給システムは、エネルギーセキュリティや環境保全などの公益的課題と効率化の両立を圏指して設計されたものでありまして、「わが国に最もふさわしい電力供給システムで、技術的にもフィージブルなものである」と考えております。
 当社といたしましては、これまでの電気事業体制のもとで培った成果を踏まえ、発送配電一貫の事業形態の下で供給責任を果たしつつ、さらなる効率化を図っていくことが適当と考えております。

 また、発電・送電部門などに分別した会計管理についててございますが、
 当社は、通産省令である「電気事業会計規則」に基づき、従来より電気事業営業費用につきましては、水力発電費・汽力発電費・原子力発電費・送電費・変電費・配電費等の勘定科目に分類した会計整理を行っています。
 その中で、発電部門につきましては、水力・汽力・原子力ごとに一括してとらえており、発電所別の整埋はいたしておりません。

 次に、「財務体質」についてでございますが、
 平成11年度未の有利子負債残高は4兆3,780億円、当期の支払利息は1,583億円です。
 計算書類附属明細書の債務保証につきましては、
 当社の事業に直接関連する企業の借入などの中、経営政策上必要と認められるものについて保証しており、平成11年度未残高は、2,323億円でございます。

 次に、「電源開発と電源構成についてでございますが、 電気事業者として、将来にわたって安定した電気を供給するため、エネルギーセキュリティや環境保全に配慮しつつ、原子力を始めとする各種電源を引き続きパランスよく開発していく必要があります。
 特に、原子力発電については、エネルギーの安定供給や地球温暖化防止のために必要不可欠であり、今後とも増大する電力需要をまかなうベース電源の中核として、立地促進に最大限の努力を傾注してまいります。その経済性は、放射性廃棄物処理・処分等の関連費用を含めても、他の発電方式に比べ遜色ありません。
 原子力発電は、運転特性、経済性の観点から、継続運転が最適でありますので、運転コストの高い火力発電所を停止してでも運転をいたしております。むろん、安全には万全を期しております。
 また、石炭火力発電につきましても、燃料である石炭は、石油やLNGに比べ資源量が豊富であり、埋蔵地域のかたよりもないため、エネルギーセキュリティおよび経済性に優れております。
 総じて、石炭は電力として使用するのか最も効果的ですので、地球環境問題等も考慮しなから進めてまいります。

 石炭火力の設備増強実績ですが、平成3年度から5年度にかけて、碧南火力1号機から3号機、合わせて210万kWを新設いたしました。
 現在は、平成13年度から14年度の運転開始を目指して、碧南火力4・5号機、合わせて200万kWの増設を進めております。今後10年間の石炭火力の建設計画は以上であります。

 次に、「発電コスト」についてでございますが、
 平成11年度の営業費用における送電端の電源別発電単価は、1kWh当たり、水力が8円42銭、火力が7円13銭、原子力が6円44銭となっております。ちなみに、この電源別の単価には、支払利息、一般管理費等は算入しておりません。
 また、水力発電は一括してとらえており、一般・揚水別には、整理しておりません。

 次に、「電力融通」についてでございますが、
 平成11年度の他電力からの電力購入の実績は、83億kWh、870億円であります。

 次に、「地球環境問題への取り組み」についてでございますが、 当社は、原子力発電の推進を柱に、火力発電効率の向上、省エネルギーのPR、フロン類の排出抑制等に努め、海外での植林事業の研究、世界銀行の炭素基金への出資も行う等、幅広い分野で国の地球温暖化防止対策に積極的に協力しております。
 当社の平成11年度における1kWh当たりのCO2排出量は、平成12年度までの目標値(115g/kWh)に比べ約8%の低減を達成いたしております。その結果、平成2年度から平成11年度にかけて、販売電力量が20%増加しているにもかかわらず、CO2総排出量は11%の増加に押さえることができました。
 なお、当社の平成11年度のCO2総排出量は、二酸化炭素換算で5,125万トンでありましたが、本年度もこれと同程度の排出が予想されます。今後とも、原子力発電の推進を柱にCO2総排出量の削減に取り組んでまいります。

 また、「環境税等」につきましては、そのCO2排出量抑制効果に疑問があることや国民生活への影響、さらには産業の国際競争力の低下を招くおそれがあるなど、いくつかの問題点も指摘されておりますので、国レベルで十分な調査研究を行い、その上でコンセンサスを得る必要があると考えます。

 次に、新エネルギー」についてでございますが、
 むろん、当社も、技術開発本部を中心に、電気事業者としての立場から自然エネルギーを初めとする分散型電源の技術開発に取んでおります。
 そして、太陽光発電、風力発電実験プラントの当社事業場および研究所等への導入を進め、課題克服のための調査研究もいたしております。
 また、地球環境問題解決の観点から、太陽光発電、風力発電などの普及に役立つ電力の購入制度を設けて、広くお客さまのご利用に供しております。
 しかしなから、現状では、何れも経済性や供給の安定性に問題があり、量的な確保も困難と言わざるを得ません。当社といたしましては、これからも、粘り強くこうした問題を克服するための研究開発を進めてまいりたいと考えております。
 ちなみに、当社の平成11年度の自然エネルギーによる発電実績は、太陽光が約49万kWh、風力が約1万5,000kWhとなっております。
 当社と購入契約を結んでいる設備としては、平成11年度末時点で、太陽光は約1万8,500kW、風力は約3,500kWであり、平成11年度の購入実績は、太陽光約707万kWh、風力は約711万kWhとなっております。
 購入電力量については、お客さまの自家消費により変動いたしますのて、目標を定めることは困難です。
 なお、今年度未までに当社としては、太陽光を598kW、風力を267kW設置することを目標としております。

 「グリーン電力料金制度の導入等」につきましては、より環境負荷の小さい電気が欲しい、というお客さまからのメッセージと受けとめております。
 現在、欧米ですてに導入されている制度・方式について研究し、その課題や日本におけるフィージビリティを勉強しているところです。

 「燃料電池」につきましては、発電に伴う排熱を利用できれば高い総合効率を得られますので、資源の有効利用の観点から、当社も25年以上前から積極的に研究開発を進めております。
 「電源としての将来性」については、燃料電池の評価には、電気とともに熱を有効に利用てきるか否かが重要なボイントとなるのですが、一年を通じて一定の熱需要がある地域は限られているといった我が国固有の問題とか、機器の信頼性等まだ克服すべき課題が多く、至近年に既存の電源に代わるのは難しいのではないかと考えております。
 むろん、実用化に向けて、機器の性能評価や経済性についてさらに進んだ調査・研究をしたいと思っています。
 将来、「燃料電池やマイクロガスタービン等の分散型電源が普及した場合」についててございますが、電源開発計画にあたっては、各電源のもつ牲質、すなわち、エネルギーセキュリティ、環境負荷特性、経済性、運転特性を総合的に評価し、パランスのとれた電源構成を目指していくべきだと考えております。

 次に、「ディマンド・サイド・マネジメント」についてでございますが、 当社といたしましては、従来から、その重要性を認識し、高効率機器の推奨、季節別時間帯別料金制度や蓄熱割引制度の導入など、我が国の実状にあった様々なディマンド・サイド.マネジメント、すなわち供給力を需要面から補完する施策を講じてきており、今後ともその拡充に努めていきたいと思っています。

 次に、「徳山・杉原水力発電所」についててございますが、
 当地点は、エネルギー資源の少ないわが国において、純国産である水力エネルギーを開発できる限られた地点でありまして、寿命の長い電源設備であることや、エネルギーセキュリティー、環境負荷特性、経済性を総合的に勘案すると、必要かつ有効な電源であると考えております。
 徳山発電所は、電源開発株式会社から当社が全量受電することになっており、平成12年度供給計画において、平成20年度以隆の供給力として全量を繊り込んでおります。受給料金につきましては、適正な水準となるよう電源間発と協議をしてまいりたいと考えております。
 ちなみに、当社の平成11年度の一般電気事業者以外からの購入電力は、電力量で75億kWh、金額で845億円となっております。
 他社との個別の契約内容につきましては、相手方もあることであり、回答は差し控えさせていただきます。
 なお、徳山発電所は混合揚水式発電所であり、杉原発電所を含めた両発電所は、ピーク電源として最大電力と発生電力量の両面から寄与するため、自流分と揚水分に分けることは適切ではなく、総合的に評価しております。
 杉原ダムを含む杉原発電所の建設につきましては、本体工事にとりかかるのは数年後、運転開始は平成20年度を予定しております。
 杉原ダム周辺における猛禽類に関する調査につきましては、学識経験者の指導を受けて、平成10年11月から当社て実施しており、現在も継統中でありますので、調査結果を取りまとめたうえ、適切に対処していきたいと考えております。

 次に、「浜岡原子力発電所」についててございますが、
 浜岡発電所の立地に関する総費用につきましては、地点毎の整理はしておりませんが、発電所立地の合意形成のために必要な費用を適正に支出し、電気事業会計規則に基づく、適正な処理をいたしております。
 地震対策につきましては、マグニチュード8.0の東海地震を上回るマグニチュード8.5の限界地震など、敷地周辺の全ての地震の影響を考慮して耐震設計を行っております。
 その際には、断層が連統して破壊していくことを考慮して、地震の揺れを計算する手法等により地震動の評価や、想定される様々なケースについての検討を行っており、地震の揺れの周期特性についても十分考慮して設計しております。
 その結果については、浜岡5号機の設置変更許可申請書に記載されております。
 1・2号機についても、3から5号機と同じ地震動を用いて耐震安全性のチェックを行い問題のないことを確認しており、耐震性向上のための改良工事等は実施しておりません。
 5号機は、改良型BWRであり、鉄筋コンクリート製格納容器や原子炉内蔵再循環ポンプ等の採用を行っておりますが、設計用地震動は4号機と同じであり、耐震設計において特に異なる点はありません。
 したがいまして、たとえ東海地震の予知が不可能な場合におきましても、発電所の安全性は確保されると考えております。
 なお、浜岡発電所の耐震安全性につきましては、1・2号機の耐震安全性確認結果を「でんきの科学館」および「浜岡原子刀館」にて公表しており、その中て原子炉建屋、タービン建屋などの固有周期を記載しております。
 原子力発電への理解促進は、電力の安定供給、地球温援化防止、電源のベストミックスを目指す当社にとって、重要な課題です。そのため、原子力発電の必要性、安全性などについて、正しい知識の普及を図る広報活動は必要であると考えております。

 浜岡原子力発電所5号機増設に伴う送電線建設につきましては、平成16年4月の運開を目指して、関係地区およぴ権利者の皆さまとお話し含いを進めております。また、予算につきましては、他の工事と同様、適正な金額を計上いたしております。
 なお、万一、事業の実施に支障か生ずるおそれのある場合は、
土地収用法に基づく事業認定申請も考慮したいと考えております。

 次に、「プルサーマル」についてでございますが、
 適切な規模のプルサーマル利用は、エネルギー供給の一翼を担うことにより、ウラン資源の節約、ひいては価格の安定と役立つものであります。
 また、高速増殖炉の実用化に向けて、実用規模の原子燃料リサイクルに必要な技術・体制等を整備するためにも、継続的に行っていく必要があります。
 まず、フランス、ドイツ、ベルギー、スイスの中て、現在沸騰水型原子炉でプルサーマルが行われているのは、ドイツの2基でございます。
 MOX燃料を炉心の3分の1以上装荷することは、技術的には可能と考えますが、実績につきましては承知いたしておりません。
 なお、電源開発株式会社が建設を計画している大間原子力発電所は全炉心にMOX燃料を装荷する計画であると聞いております。

 当社のプルサーマル計画については、MOX燃料を装荷する原子炉や燃料の加工先を含め、検討中でありまして、MOX燃料1回分で利用するプルトニウムの量および使用済MOX燃料から回収されるプルトニウムの量については、未だ決まっておりません。
 MOX燃料の加工先ですが、イギリスのBNFL社、ベルギーのベルゴニユークリア社、フランスのCOGEMA社のいずれも候補の一つと考えております。
 加工先の選定にあたっては、MOX燃料製造技術、品質管理体制などを事前に十分確認するとともに、製造段階においても、品質管理を厳格に行ってまいります。
 なお、地元へは計画がまとまった段階で説明させていただく予定です。

 プルサーマルを実施した場合の発電コストにつきましては、
 当社は現在、検討でありますので、ご参考までに日本全体としての説明を申しあげます。M0X燃料は、将来の最大導入時でも全原子炉の3分の1に、3分の1炉心程度まで装荷するため、全燃料の内、MOX燃料の占める割含は、1割程度となります。原子刀発電コストの内、燃料の取得費は1割程度でありまして、平成6年の0ECD/NEAの分析では、ウラン燃料とM0X燃料の取得費は同程度となっております。仮にMOX燃料の取得費がウラン燃料の2倍になったとしても、プルサーマルの発電コストへの影響は1%程度と試算さ
れています。
 当社のプルサーマルの原子力発電コストヘの影響もこの程度になるのではないかと考えられます。
 なお、プルサーマルについては、先ほども申しあげたとおり、一時の経済性だけでその必要性を議論するべきではないと考えております。
 使用済M0X燃料の再処理は、現在の技術でも可能ですが、本格的には第二再処理工場で対応することになります。その必要時期、再処理能力、処理方法など具体的な計画については末定です。
 したがいまして、当社の出資につきましても、現在のところ検討する段階にはございません。
 使用済MOX燃料は、再処理するまでの間、発電所内で通切に貯蔵・管理することになります。

 次に、「原子燃料リサイクル」についてでございますが、
 浜岡原子力発電所において貯蔵されている使用済燃料は、今年の5月末現在で、1号に236体、2号に806体、3号に1,884体、4号に988体であります。
 また、同時期における、燃料プールの容量に対する空き容量のおおよその割合は、1号で70%、2号で60%、3号で40%、4号で60%であります。
 今後、4号の燃料プールヘラックを追加設置することにより、貯蔵容量を720体増加させる計画であります。この結果、4号の燃料プールの貯蔵容量は、現状の2,400体から3,120体へ増加することとなります。
 使用済燃料の中間貯蔵施設の建設については、現在のところ、当社としての具体的な計画は持っておりませんのて、どこかの自治体に立地を打診したというようなことはございません。

 海外での再処理は、現在のところ、平成15年頃まてに終了の予定です。また、BNFL社との再処理契約についても変更はございません。
 イギリス、フランスでの再処理により、平成11年度末までに抽出された当社の総プルトニウム量は合わぜて約2.9トンとなっており、今後、約1.7トンの回収が見込まれております。
 また、イギリスのBNFL社とフランスのCOGEMA社との再処理契約に基づき返還されるガラス固化体の本数は、全電力で3千数百本、当社分はその1割程度と想定されます。
 なお、当社は、平成11年度末現在で、総プルトニウム量約3.1トンを保有しております。
 回収されるプルト二ウムは、当社発電所のMOX燃料として消費する予定で、プルトニウムか長期に渉り余剰となることはございません。

 日本原燃は、昨年4月に六ケ所再処理工場の建設費を2兆1,400億円に変更いたしました。これは、物価、人件費の上昇およぴ現地工事内容の詳細仕様の明確化等に伴い増加したものとのことであり、計画当初とは対象となる設備が異なるものもありますので、一概に比較はできませんが、事業指定申請時の約2.8倍となっております。
 また、第二再処理工場の建設計画につきましては、先ほど申しあげたとおりです。

 次に、「高レベル放射性廃棄物」についてでございますが、
 高レベル放射性廃棄物の処分は、原子力発電を推進するわが国にとって重要な課題であり、今後、計画的かつ確実に実施する必要があります。
 当社も、廃棄物発生者としての基本的な責務を有していると認識しておりまして、関係法令にしたがい責任を果たしていくことはもちろん、長期に渉る処分事業が国民の信頼を得て、安全・確実に行われるよう全力を尽くしてまいります。
 むろん、実施主体である「原子力発電環境整備機構」の設立についても、人的支援も含め、積極的に協力をしてまいります。
 なお、当社からの実施主体への出向者の具体的な人数や職務は未定です。

 廃棄物の処分費用の見積額約3兆円は、昨年11月に国の総合エネルギー調査会・原子力部会におきまして、廃棄物4万本の処分を前提に、処分事業の各年度毎の費用を単純に合算したものでありまして、実施主体の人件費は運営経費、固定資産税とともにプロジェクト管理費として含まれております。また、現時点では、処分費用以外に当社が出資する金額はありません。
 この処分費用の試算には、各年度毎に計画的に納付される積立金の運用益も見込んでおりますので、
平成27年以降は費金手当をすることなく処分事業が運営される予定です。
 なお、今年の5月に成立いたしました「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」では、過去分も含め発生する廃棄物の物量に応じた金額を毎年実施主体に拠出することになっており、これらは当然発電原価に織り込まれることとなります。

 処分場の立地は最重要課題であり、当社といたしましても、実施主体と協力して、立地・広報活動に積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。
 そうした活動の一環として、処分問題を正しくご理解いただくために、東濃地科学センターへの見学案内をしております。なお、個別の施設毎の案内数は、把握しておりません。
 また、当社はお答えする立場にはありませんが、科学技術庁が青森県、岐阜県、北海道に対して「地元が処分場を受け入れる意思がない状況で、高レベル放射性廃棄物の処分地になることはない」という旨の回答文書を提出したことは承知しております。

 次に、「JC0東海事業所の臨界事故」についてでございますが、
 今回の臨界事故に際し、浜岡方面の地元の皆さまも大変心配されておりましたので、手作りのチラシを待って全戸を訪問し、事故の概要と浜岡原子力発電所の安全性についてご説明させていただきました。
 これらの活動は、特別な支出を伴うようなことではございません。
 また、浜岡原子力発電所は、日頃から安全確保を最優先に運転しており、国による手順書等のチェックでも、適切に作成かつ遵守していることが確認されております。したがいまして、新たに安全対策の増強等を行ったという事実はございません。
 「JCO東海事業所の臨界事故による風評被害に対する支援」につきましては、役員および従業員が原子力に関わりを持つ者の自発的な支援として、農水産物を購入いたしました。

 次に、「芦浜地点」についてでございますが、
 南島・紀勢両町にまたかる芦浜原子力発電所の立地計画につきましては、県議会における県知事の白紙表明を受け入れ、これまでの計画を白紙に戻し、改めて原子力発電所の立地計画を検討することといたしました。
 芦浜原子力については、地元住民の方をはじめ、ご関係の方々にご理解を得るべく長年にわたり努力してまいりました。残念ながら、ご理解をいただけなかった方も見えますが、ご理解をいただき、計画の推進に協力していただいた方もたくさんお見えになります。
 今回、三重県知事の意向表明でも、原子力発電の必要性についてはお認めいただいており、今後ともエネルギーセキュリティーや地球環境保全の観点から、原子力発電にご理解をいただけるよう努力してまいります。
 長年にわたり、芦浜原子力の実現を目指して、当社として最善の努力を積み重ねてまいりましたにもかかわらず、今回断念に至ったことは残念の一語につきます。芦浜計画は断念いたしましたが、今後とも原子力にご理解をいただくよう努力してまいります。
 今回の芦浜の件は、然るぺき経営判断のもとに決断した結果であり、取締役会に問題点かあるとは考えておりません。
 当社が、芦浜に保有している土地につきましては、その活用方法について検討しております。
 芦浜の土地保全および山林管理につきましてば、株式会社中部グリーナリに対し、必要かつ適切な作業を委託しており、今後とも必要に応じ、これらの業務委託を継続してまいります。
 なお、当社は常日頃の企業活動において環境問題に真剣に取り組んでおり、今後とも生態系等自然環境保全、特に貴重な動・植物の保全については、広く専門の方々のご意見をお聞きしながら十分配慮してまいります。

 次に、「名古屋南部訴訟」についててございますが、
 当社は、昭和47年の四日市訴訟判決を真摯に受け止め、火力発電所の公害防止対策には全力を傾けてきており、各種法令の遵守は無論のこと、地元地方自治体との間で公害防止協定を締結するなどして、火力発電所からの排出物質を大幅に削減いたしました。
 名古屋南部地域におきましても、当社を含め多くの企業が努力をした結果、昭和51年度には二酸化硫黄の環境基準を達成するなど、大気環境が急速に改善されてきております。
 このように、当社は、一貫して環境保全を最重要課題の一つとして取り組んでいるところです。
 現在係争中の名古屋南部訴訟につきましては、平成元年提訴の第一次訴訟が、ようやく本年11月の判決言い渡しという段階を迎えましたので、当社といたしましては、裁判所の公正な判断を仰ぎたいと考えております。
 なお、この訴訟に係る費用につきましては、そのような区分での集計をいたしておりません。

 次に、「税務調査関連」についててございますが、
 今回の件につきましては、様々な形で報道されましたが、「裏金」、「所得隠し」、「利益供与」あるいは「工事代金の水増し」というようなことはありません。
 国税当局との間で見解の相違がありましたか、当社としては電気事業会計規則に基づき適正に処理しており、責任問題とは考えておりません。
 見解の相違の具体的内容といたしましては、当社は、地元漁協の振興計画に基づき漁協に対して支払った漁業振興資金を、発電所建設に必要なものとして「建設仮勘定」に組み入れて整理しております。また、地元会社に発注した発電所放水口前面浚渫工事につきましては、必要かつ適正な費用を支出しております。これらの一部について、国税当局において、税務上の「交際費等」であると判断されたものがございましたか、当社といたしましては、この問題についてはやましいことはないと確信いたしております。
 また、これらの見解の相違を解消すべく努力してまいりましたものの、最終的に「更正決定」を受けることに至ったことは誠に残念でございますが、総合的に判断した結果、更正決定に従うことといたしました。
 今回の調査によりまして、追徴税と附帯税を納付しましたが、これらにつきましては、平成12年3月期の決算で処理しておりますので、その金額につきましては第76期損益計算書の「法人税等」「支払利息」および「雑損失」に含まれております。
 当社従業員への餞別の件につきましては、関係者に聞き取りをし、転勤に伴い個人として受け取ったものであることを確認いたしております。
 中部プラントサービスに関する件につきましては、中部プラントサービスからは「適正に処理をしていると考えているが、一部に国税当局との見解の相違があった。」と聞いております。内容といたしましては、「仮設工事費の件名への配分上の問題について見解の相違があったもの」と聞いております。
 次に、「漁業振興資金、漁業補償金等」についてでございますが、漁業振興資金は、漁業との共存共栄を目的に、漁協の漁業振興計画に対し、誠意をもって協議したうえで、契約を交わし適正に支出したものであり、あくまでも漁協との信頼関係に基づき、お支払いしております。今後につきましては、今回の税務当局からの指摘があったという事実を踏まえ、対応していきたいと考えております。
 また、漁業補償金は、国の定めた損失補償基準に基づいて算出し、適正に処理しております。
 浜岡町や渥美町の諸団体に対する支出につきましては、発電所の建設および運営に資するものとして必要な範囲内で行っており、電気事業会計規則に基づき、適正に処理しております。
 なお、当社は、株主さまをはじめとしたみなさまへのご説明につきまして、日頃から情報開示や説明責任を果たすべく、できうる限りのことをいたしておりますが、今後も引き続き努力してまいりたいと考えております。

      以 上

 ▼もどる