浜岡原発事故についての
中部電力との話し合い&申し入れ

(2001/11/14)

 11月14日、きのこの会は、浜岡原発1号炉の緊急炉心冷却装置(ECCS)系蒸気配管の破断事故と原子炉の制御棒駆動機構のハウジング部の漏水について、中部電力(株)へ申し入れをするとともに、事故についての詳しい説明を聞きにいきました。
 ただ、交渉時間は1時間という条件だったため、中電から聞けた説明はごくわずか。それでも、ちょっと聞いただけで新聞報道では分からなかったことが幾つか見つかりました。

 事故の真相についてはまだまだ不明な点が色々あります。
 時期は未定ですが、再度この件に関しては話し合い続けることになっています。

2001年11月14日

中部電力株式会社
代表取締役 川口 文夫 殿

きのこの会           
昭和区花見通1−59川名文庫内
tel 052-761-5950

申し入れ書

 11月7日に、中電浜岡原子力発電所一号機で発生した配管破断事故は、きわめて重大かつ深刻な事故であった。
 それは、原発の安全の命綱、最後の砦とも言える「緊急炉心冷却装置」を全くの機能不全に陥らせるものであるからだ。5系統のうち事故初期の高圧炉内に冷却剤(水)を注入する
高圧注入系は、今回破断した一系統のみであり、そして、高圧注入系はすぐに自動停止している。これは冷却剤喪失事故に対処する手だてを無くしたことを意味する。
 今回放射能を大量に放出する大事故に至らなかったのは、「緊急炉心冷却装置」作動試験中であったという幸運の一事に依っている。
 今回の事故を起こした配管は、定期検査の項目に入っておらず、また、今回の事故原因の一つとなったとも考えられる、設計変更が行われた場所で事故が起こっている。配管は保温材が施され、パトロールによる目視検査を無意味なものにしていた。近年は、原発のコスト的不利を、高稼働率でカバーするため、定期点検期間を以前の3ヶ月から40日に短縮し、長期間連続運転を強行している。これらのことにより、中電は真剣な安全への姿勢を、著しく欠いていると言うべきである。
 危険を前提に運転されるべき原発が、安全に運転される環境も、その姿勢も失われた状態に至っていると言うべきである。安全最優先を実行できない中電に、原発を運転する資格はない。
 浜岡1号炉は運転開始以来26年経っている。88年には圧力容器底部のインコアモニタハウジングがひび割れし、漏水を起こしている。
この時の原因調査については、溶接時の記録が失われているとして、再試実験では、一義的に断定できない溶接入熱過多をその原因として、原因特定をあいまいにした。(*注)
 今回、圧力容器底部の制御棒駆動機構からの水漏れも確認されている。もはや1号機は老朽原発であり、大事故の前に廃炉にするしかない。
 21世紀の我々は、再生可能な新エネルギーの開発展望とコジェネを始めとするエネルギー利用効率の向上、エネルギーを多く使わない生活スタイルと価値観を作り出していかなければならない。
 このためにも中部電力は新しい技術や、生活のあり方とエネルギーの関係について、自前の研究開発を進めなければならない。
 自由化の将来を考えれば、原発の技術開発のように他国や自国政府に頼ることはできない。
 多大な資金を長期間縛る原発は、あらゆる意味で将来のエネルギー源ではない。
 何より、ひとつの事故によって生物的、社会的、経済的、空間的、国際的規模でダメージを与える原発はやめるべきと考える。よって以下の申し入れを行う。

一、浜岡原子力発電所1号機事故の原因を、徹底的に究明すると共に、経過中
  もふくめ情報公開を行う。その後号機は廃炉にすること。
二、安全点検の内容の全般的見直しと、十分な点検期間を確保すること。
三、速やかに脱原発の具体的スケジュールづくりに着手し、脱原発をめざすこと。

以上


(*注)当時、この1本だけ溶接工が下手だったからと中電は言い逃れしたそうである。
しかし、似たようなケースと考えられるさや官部分の応力腐食割れは、福島氈[4号、3号と東海第2原発でも起きている。

中電さん、
マスコミに知れるとまずいことでもあるんですか?

 ECCS配管破断事故の説明を聞きたいとの申し入れを中電広報にしたのが9日の金曜日。
 広報は、今バタバタしているので日時については月曜日までちょっと待ってくれと言った。
(多分この時、また新たに制御棒駆動機構ハウジング部の水漏れを発見して慌てていたのだろう。)
 12日の月曜に連絡が入り、14日(水)の午前9時〜10時の1時間だけ時間をとってくれることになった。

 当初中電は、マスコミの同席を拒んだため、こちらがそれでは駄目だと申し入れて、いったんは「マスコミについては私たち(中電)は関知しない」ということになった。そこで、私たちはマスコミに取材依頼の連絡した。

 ところが、後から中電は直接マスコミに連絡を入れ、交渉の同席を遠慮するように言ってきたのである。中電ともあろう大企業が、こんなやり方をするのはいただけない。

 何故マスコミを入れないのだろうか?何も隠していることがなければ、堂々と中で話しを聞いて貰えばいいではないか。

こんなことをすれば、何もなくても、中電はマスコミに都合のいいことだけしか発表せず、市民への説明と「二枚舌」を使っている会社だと思われてもしかたない。どうしてもっとオープンになれないのだろうか。

【中日新聞 夕刊 2001/11/14】


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