控 訴審 第21回口頭弁論の傍聴報告

(2017.9.14)

控訴審 第21回 口頭弁論の傍聴報告


9月14日13:30より、口頭弁論が1年ぶりに東京高裁101号大法廷にて開かれた。静岡
からはマイクロバスで15名が参加、傍聴した。それに先立ち、高裁前で演説、ビラま
きを行い、横断幕、のぼり旗でアピールした。

裁判官の交替に伴い、弁論更新の陳述が原告側30分、中電側15分で行われた。原告側
からは、原子炉直下に存在する活断層の危険性について論述した準備書面(31)が提
出され、中電側からは浜岡原発の安全性が確保されていることを示す準備書面(21)
が提出されており、双方その内容に沿って陳述が行われた。

口頭弁論後には16階の第一審尋室に場所を移し、非公開で進行協議が開かれ、今後
の裁判の進行について話し合われた。

 その後、参議院会館では、裁判の報告集会が開かれた。


■青山弁護士によるプレゼンテーション

静岡地裁の浜岡原発廃炉訴訟で活躍されている青山弁護士が担当。原子炉直下に存在
する活断層の危険性について、おもに中電が提出した書類を使用し、中電の活断層に
対する過小評価を批判し、正しながら、明解に説明した。4.5号機直下に活断層が確
認されたからには、新規制基準には適合できず、廃炉にすべきと結論づけた。

・御前崎周辺の地形はプレートの押し合う力により、褶曲構造になっており、断層が
形成される。それは、現在も継続している。

・中電は御前崎台地の断層をリニアメント(線状模様)と書き換え、過小評価してい
る。

・白羽断層については、地質学の知見では、活断層として確実視され、長さも2.5k
mとされているところを0.1kmとして断層の確実度のランクを下げて過小評価して
いる。

・A-17活断層グループについては、中電は以前「震源として考慮する活断層」と評
価していなかったが、審査会合を経て活断層と認め、長さも14.1kmから15.7kmに
延長した。

・原発敷地内にはいくつもの断層が隠されている。

・原発から600mの地点に比木向斜逆断層が発見された。 

・逆断層は上部の建物を突き上げるため、より危険である。

・浜岡原発は地殻変動による褶曲構造によるA-17活断層に属する逆断層が複数存在
する活断層の巣の上に存在している。新規制基準に適合せず、廃炉にすべきである。


■中電側のプレゼンテーション

「本件原子力発電所の安全確保について」いつものように読み上げる形でのプレゼン
だった。活断層についての説明はH断層系のみの簡単な説明で終わった。

・福島第一原発事故は想定を上回る津波により重要な施設が複数同時に機能喪失し
た。

・浜岡原発は東北地方太平洋沖地震の知見を採り込んでいる。

・H断層系についてその活動性を検討し、後期更新世以降における活動はないことを
確認している。

・被控訴人は本件原子力発電所の安全性を十分に確保しており、周辺公衆に対して放
射性物質の持つ危険性を顕在化させないようにしている。

・継続的に安全性向上対策工事を実施している。


■進行協議

第一審尋室にて、非公開で進行協議が行われた。裁判長からの質問を受け、中電側か
ら規制委員会の審査会合の報告があった。前回5月の進行協議以降、地震・津波関係
で4回、プラント関係で1回行われた。7月18日には現地調査が行われ、次回の審査会
合は明日にも開かれる予定であると報告した。海渡弁護士が審査会合の進捗状況につ
いて問うと、まだ目途の立たない状況だと答えた。河合弁護士は仮処分申請について
は、取り下げの検討をしていると伝えた。裁判長は今後の裁判の進行については、い
い案がないとした上で、3か月おきに日程を組んでいきたいとして、次回、次々回の
期日の決定をした。


■報告集会

参議院会館に移動し、B107にて裁判の報告集会が開かれた。青山弁護士がプレゼン
テーションの概要を説明し、全国で多くの原発裁判に携わっている海渡弁護士が裁判
の今後の見通しについて、全国の原発の状況と照らし合わせて説明した。規制委員会
の審査が終了していない訴訟については、進行が遅れているところが多く、再稼働は
加圧水型が進んでいる。地裁の裁判は規制委員会の審査から独立しての判断がありう
るけれども、高裁は国の審査を待たざるを得ないところもあるとしている。


■今後の予定

・2018年1月25日(木)13:30〜 進行協議(非公開) 
・2018年5月24日(木)13:30〜 口頭弁論 (予定)

            (報告:杉山)


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